公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

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（１４５）−（１９４）　公共事業関係補助事業の実施および経理が不当と認められるもの

　上記の５０補助事業において、工事の監督および検査が適切でなかったため施工が設計と相違していたり、設計内容の審査が的確に行なわれていなかったため工事の設計が過大になっていたりなどしていて、国庫補助金５２，６４２，２２１円（一部未交付分を含む。）が不当と認められる。このうち、１７，０２２，６６３円は道路整備特別会計の分（１２工事）、９，２２０，３６２円は治水特別会計治水勘定の分（１３工事）である。
　これは、北海道ほか３５都府県で全国の工事箇所１０１，１５３のうち６．０％に当たる６，１１５（工事費１７７，８０３，７３５，４４９円、国庫補助金９９，６１５，９６６，９８５円）について検査した結果である。
　いま、これを都道府県別に掲げると別表 のとおりである。

（説明）

　この補助金は、公共土木施設の新設、改良および災害復旧等の公共事業を行なう地方公共団体に交付されるものである。
　しかして、前記の４１事業主体においては、工事の監督および検査が適切でなかったため工事が設計どおり施工されなかったのに設計どおり施工されたとして処理したり、盛土工事の設計が過大になったりなどしていた。
　いま、前記の５０工事について不当の態様別に説明すると次のとおりである。

１　工事の施工が設計と相違しているもの

（１）　コンクリートブロック積みおよび石垣工事について

　護岸のコンクリートブロック積みおよび石垣の胴込め、裏込めコンクリートの施工にあたって、多量の水を使用したため強度が低くなっているもの、練混ぜやつき固めが十分でなかったためモルタルと粗骨材が分離しているものなど

（２）　コンクリート工事について

　河川の護岸擁壁や流路の底張りおよび砂防えん堤の水たたき等の施工にあたって、多量の水を使用したり、締固めや養生が十分でなかったりしたなどのため強度が低くなっているものなど

（３）　道路の舗装および路床工事について

　道路の舗装および路床盛土の施工にあたって、路盤や路床の厚さを設計より少なく施工したり、設計と異なる材料で施工したりしているもの

（４）　その他

　築堤盛土の施工にあたって、丁張りの設置を誤ったため盛土量が不足しているものなど

２　工事の設計が過大になっているものなど

　道路災害復旧工事の施行にあたって、横断面積の計算を誤ったため盛土の設計が過大になっているもの、河川改修工事の施行にあたって、設計が適切でなかったため護岸コンクリートブロック練積みが沈下しき裂を生じているものなど