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  • 昭和47年度|
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  • 工事

トンネル内の照明用一斉点滅設備工事の施行に当たり、設計が適切でなかったため、工事費か不経済になったもの


(174) トンネル内の照明用一斉点滅設備工事の施行に当たり、設計が適切でなかったため、工事費が不経済になったもの

科目 (工事勘定) (項)通信設備費
部局等の名称 新潟鉄道管理局
工事名 新清水トンネル内照明設備改良工事
工事の概要 新清水トンネル内の保安対策を強化するため照明用一斉点滅設備を新設する工事
工事費 14,490,218円(当初契約額10,300,000円)、ほかに支給材料4,306,300円
請負人 日本電設工業株式会社
契約 昭和47年12月 指名競争契約
しゅん功検査 昭和48年4月
支払 昭和48年3月〜4月 3回

 この工事の施行に当たり、回線の設計が適切でなかったため、約520万円が不経済になったと認められる。

(説明)

 この工事は、トンネル内の照明設備を一斉に点滅できるよう制御用回路とこれに付帯するリレー、スイッチ等を新設するもので、その設計によると、線路(延長26,416m)には制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル(公称断面積5.5mm2 2心のもの)2条分を支給してこの4線のうち3線を使用することとし、その架設については、トンネル内の既設の架線支持金具にケーブル2条を添架する余裕がないので、当初はケーブルを既設の支持金具に仮吊りする方法で施工することとして実施した。そして、その後、仮吊りの不安定な状態のままにしておくことは保安上適当でないので、これを本設することとして設計変更を行い、当初使用する予定がなかった1線に、既設のビニル絶縁ビニルシースケーブル(公称断面積2mm2 2心のもの)を使用していた照明用区間別点滅設備の制御回路を切り替えることができたので、この既設のケーブルを撤去し、その跡に本件ケーブル2条を移設することとしたのである。
 しかして、本件の照明用一斉点滅設備の制御回路に必要な線数は上記のように3線であるから、制御用として一般に使用されている3心ケーブル1条を架設すれば足り、しかも、3心ケーブル1条であれば、上記の既設の照明用区間別点滅設備の制御回線用ケーブルの架設箇所に併設することができたので、既設のケーブルの撤去や回路の切替えの必要がなかったと認められる。
 いま、仮に、上記の適切と認められる設計で施行したとすれば、工事費は支給材料費2,984,040円を含め総額13,549,677円で足り、工事費(支給材料費を含む。)を約520万円節減できたと認められる。