昭和４７年度決算検査報告
昭和４７年度の貸付計画は４８０億円であり、これに対し、貸付実行額は４７８億５９２２万円で、前年度に比べて３３億５９８２万円増加している。これを施設の種類別にみると、病院３１０億４１６２万円、一般診療所１４１億６９１０万円、歯科診療所等２６億４８５０万円となっている。また、これを資金の種類別にみると、新築資金１８５億６９４０万円、増改築資金２５１億７６４０万円、機械購入資金３９億２９５０万円、長期運転資金１億８３９２万円となっている。なお、基準利率の改定を行い、機械購入資金及び長期運転資金については、４７年４月に既往貸付け分を含めて年８．２％から年８．０％に、更に、同月以降の貸付け分について８月から年７．７％に引き下げ、また、新築資金及び病床等が不足している地域の増改築資金については、１０月以降の貸付けから年６．５％を年６．２％に引き下げるなどしている。
貸付実行額から回収額１８４億８７３０万余円を差し引いた貸付金の年間純増加額は２９３億７１９１万余円であり、年度末貸付金残高は２１１７億６８９５万余円（うち直接貸付けは４４６億１０８６万余円）となっている。
４７年度中の資金交付額は４６３億６３５２万円で、この原資には、資金運用部資金からの借入金４１０億円及び回収金等５３億６３５２万円を充当している。
４７年度において、利益は、貸付金利息１３０億２８１４万余円、一般会計より受入１０億６９９１万余円等１４５億９６２６万余円、損失は、借入金利息１１３億９７０９万余円、業務委託費１８億４６９４万余円、事務費５億４６４３万余円等滞貸償却引当金繰入れ前で１４４億４２９７万余円となり、差額１億５３２８万余円を全額滞貸償却引当金に繰り入れたため利益金を生じなかった。この繰入れ額は年度末貸付金残高の１，０００分の０．７２に相当し、これを加えた滞貸償却引当金１２億５７５９万余円は年度末貸付金残高の１００分の０．５９となっている。
４７年度の総収益率は７．１７％で、前年度に比べて０．０３％上昇している。滞貸償却引当金繰入れ前の経費率は７．０９％で、前年度とほぼ同率となっている。また、滞貸償却引当金繰入れ率は０．０８％となり、前年度に比べて０．０２％上昇している。なお、一般会計からの受入れ額を除いた収益率は６．６０％となり、上記の経費率を０．４８％下回っている。