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  • 昭和48年度|
  • 第2章 国の会計|
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租税の徴収に当たり徴収額に過不足があったもの


(2) 租税の徴収に当たり徴収額に過不足があったもの     

会計名及び科目 一般会計 国税収納金整理資金 (款)歳入組入資金受入 (項)各税受入金
部局等の名称 麹町ほか173税務署
納税義務者又は源泉徴収義務者 551人

 上記の551人から租税を徴収するに当たって、調査が十分でなかったなどのため、徴収額が不足していたものが522事項848,972,243円、徴収額が過大になっていたものが29事項42,914,400円あった。これらは、本院の注意により、すべて徴収決定等の処置が執られた。
 これを国税局ごとに集計して税目別に掲げると、別表 のとおりである。

(説明)
 これらの徴収過不足の事態は、納税者が申告書等において所得金額、税額の計算等を誤っていたのに当局の調査が十分でなかったこと、当局が法令の適用、税額の計算等を誤ったこと、課税資料の収集、活用を適確にしていなかったことによって生じたもので、その主な態様を示すと次のとおりである。

1 源泉所得税に関するもの

(1) 給与等(99事項)、配当(37事項)

 調査が十分でなかったなどのため、源泉徴収をして納付すべき期限が到来していたのに納税の告知をしていなかったり、税額の計算を誤ったりしていたものである。

(2) 報酬、料金等(16事項)

 課税資料の収集、活用が適確でなかったなどのため、源泉徴収をして納付すべき期限が到来していたのに、納税の告知をしていなかったものである。

2 申告所得税に関するもの

(1) 譲渡所得(86事項)

 部内の連絡が適切でなかったり、居住用財産の譲渡所得の特別控除、短期譲渡所得の課税の特例の適用を誤ったりなどしたため、土地、建物等の譲渡に対する課税処理を誤っていたものである。

(2) 雑所得(29事項)

 課税資料の収集、活用が適確でなかったなどのため、貸付金の利子等に対する課税処理を誤っていたものである。

3 法人税に関するもの

(1) 減価償却資産の償却(55事項)

 減価償却資産の償却額は、所定の限度額の範囲内で損金に算入することができ、また、特定の減価償却資産については、割増償却等の特例が認められているが、中小企業者の機械等の割増償却、新築貸家住宅の割増償却等の特例計算を誤るなどして、償却額を過大に計算していたものである。

(2) 同族会社の留保金額(33事項)

 同族会社の留保金額のうち所定の金額を超える部分の金額に対しては、特別税率による法人税を課税することになっているが、この金額の計算を誤ったり、課税をしていなかったりしていたものである。

(3) 交際費等(19事項)

 交際費等の額のうち所定の金額を超える部分の金額は損金に算入しないことになっているが、この金額の計算を誤っていたものである。

交際費等の額のうち所定の金額を超える部分の金額は損金に算入しないことになっているが、この金額の計算を誤っていたものである。