ページトップ
  • 昭和48年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 所管別の事項|
  • 第10 建設省|
  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

道路、河川構造物工事における鉄筋コンクリート用型わく支持材損料の積算について処置を要求したもの


(1) 道路、河川構造物工事における鉄筋コンクリート用型わく支持材損料の積算について処置を要求したもの

昭和49年11月20日付け49検第347号 関東地方建設局長あて
昭和49年11月20日付け49検第348号 中国地方建設局長あて
昭和49年11月20日付け49検第349号 四国地方建設局長あて

(関東地方建設局長あての分)

 関東地方建設局が昭和48年度中に施行している道路、河川構造物工事のうち、柳橋下部工事ほか164工事(工事費総額451億9688万円)について検査したところ、次のとおり、鉄筋コンクリート用型わく支持材損料の積算が適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、上記の165工事は、いずれも橋台、擁壁等の道路構造物や、せき、排水機場等の河川構造物を新設する工事であるが、これらの工事の予定価格の内訳のうち鉄筋コンクリート用型わくの支持材損料についてみると、同局が定めている積算基準を適用して総面積762,530m2 分(曲面等特殊な部分を除く。)で3億1201万余円と算定している。

 しかし、上記の積算基準に示されている支持材損料は、40年当時に木製の支持材料を使用することとして定められて以来そのままとなっているものであり、支持材料として木製のものに比べて耐久性があって転用回数が多いなど経済的な鋼材を使用することが一般化している近年においては、前記の積算基準は施工の実情に適合していないと認められる。現に、上記の各工事の請負業者の施工の実態も鋼材を使用している例が大多数であり、また、他の地方建設局(注) 等においては43年ごろから鋼材を使用する場合の損料を積算基準に定めている状況であった。

 したがって、本件各工事の施行に当たって、施工の実態を考慮して積算したとすれば、支持材損料の積算額を約2億3000万円程度低減できたと認められる。

 このような事態を生じたのは、同局が定めている積算基準が最近の施工形態の変化に適合して整備されていないことによると認められる。

 ついては、同局においては、この種工事を今後も引き続き多数施行するのであるから、早急に施工の実態を十分調査検討して積算基準を整備し、予定価格積算の適正を期する要があると認められる。

 (注)  東北、北陸、中部、近畿、九州各地方建設局及び北海道開発局

(中国、四国両地方建設局長あての分)

 中国、四国両地方建設局長あての分も上記と同様の事態に関するもので、発生原因及び要求した処置も同様であるので、検査対象等を次に列挙するにとどめる。

地方建設局名

検査対象
工事数
左の工事費総額
左の型わく支持材損料積算額 左のうち低減できたと認められる額
中国地方建設局 51 88億2282万円 4576万余円 約2900万円
四国地方建設局 25 35億1830万円 1850万余円 約1100万円