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  • 昭和51年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 所管別の事項|
  • 第10 建設省|
  • 本院の注意により当局において改善の処置を講じた事項

一般国道等における道路の占用料について


(1) 一般国道等における道路の占用料について

 建設省が直轄管理する一般国道及び北海道の区域内の開発道路延長19,065kmの間で、道路の占用許可を受けた者から昭和51年度中に徴収した占用料(収納済歳入額694,684,832円)について検査したところ、次のとおり、適正でないと認められる点が見受けられた。 

 すなわち、上記道路占用料は、道路法(昭和27年法律第180号)の規定に基づいて、道路管理者から許可を受けて、道路に一定の施設を設置し、継続して使用する者から道路の使用に対する対価として徴収しているもので、その額は、道路法施行令(昭和27年政令第479号)等の別表で、電柱、看板等占用物件ごとに定められた単価に占用物件の数量を乗じて算定されるもの(以下「定額のもの」という。)と、地下街、地下室等占用期間更新時における占用物件の近傍類似の土地の時価に所定の率を乗じて得た額に更に占用物件の数量を乗じて算定されるもの(以下「定率のもの」という。)とに区分して定められている。そして、定率のものに係る道路占用料については土地価格の変動状況を反映した額となっている。

 しかし、定額のものに係る道路占用料(収納済歳入額590,908,291円)についてみると、占用物件ごとのそれぞれの単価は42年10月、41年度当時の道路価格(土地価格及び道路造成費)を基準として設定したものであるが、その間、経済情勢の変動によって占用料単価の基礎となっている土地価格については固定資産評価額が48年度を例にとっても設定当時に比べて全国平均で2.5倍以上、また、道路造成費についても1.7倍以上と大幅に上昇しており、現行の単価は既に道路使用に対する適正な対価とは認められない結果となっているのに、実情に即した所要の改定を行わなかったため、その単価が著しく低額となっていた。したがって、各地方建設局等における前記定額のものに係る道路占用料の単価を土地価格等の上昇に見合った適正と認められる道路価格を基準として改定したとすれば、その占用料は、約7億5000万円程度増額徴収できたと認められた。

 上記について、当局の見解をただしたところ、建設省では、関係省庁と協議した結果、52年9月に前記道路法施行令等の一部を改正して、現状に適合した占用料の単価に改定する処置を講じた。