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  • 昭和52年度|
  • 第1章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第1節 歳入歳出決算|
  • 第2 特別会計

厚生保険特別会計


(15) 厚生省所管  厚生保険特別会計

 この特別会計は、国が管掌する健康保険事業、日雇労働者健康保険事業及び厚生年金保険事業を経営するため並びに児童手当に関する経理を明確にするため設置されているもので、健康、日雇健康、年金、児童手当及び業務の5勘定に区分して経理されている。

 (健康勘定)

 52年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額2兆4273億5108万余円、収納済歳入額2兆4093億4892万余円、不納欠損額16億8293万余円、収納未済歳入額163億1921万余円、歳出では、支出済歳出額2兆3961億8364万余円、不用額2953億3068万余円となっている。
 不納欠損額は、保険料収入(徴収決定済額1兆7188億2440万余円)の11億7088万余円、雑収入(同65億0676万余円)の5億1205万余円、収納未済歳入額は保険料収入の148億3345万余円及び雑収入の14億8575万余円であり、また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額2兆1082億8201万余円)の2573億2546万余円、借入金償還金(同5163億6003万余円)の158億1003万余円である。
 前記の経理の基礎となった健康保険の被保険者は52年度末で1353万余人となっており、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、医療の給付に係る1兆6633億6448万余円の支払及び傷病手当金等の現金給付1875億9206万余円の支給である。
 なお、52年度における損益についてみると、保険料等の利益2兆0023億4203万余円、保険給付費等の損失2兆0371億2343万余円で、347億8140万余円の損失を生じており、前年度からの繰越損失と合わせ4657億6024万余円が翌年度へ繰り越されている。また、52年度末における借入金の現在額は4041億8905万余円(全額資金運用部資金からの借入金)となっており、積立金の現在額は38億5661万余円となっている。

 (日雇健康勘定)

 52年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額3837億2116万余円、収納済歳入額3836億2781万余円、不納欠損額1655万余円、収納未済歳入額7679万余円、歳出では、支出済歳出額3830億6639万余円、不用額206億7793万余円となっている。
 不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額845億4106万余円)の105億9748万余円、諸支出金(同238億1992万余円)の33億1054万余円である。
 前記の経理の基礎となった日雇健康保険の被保険者は52年度末で37万余人となっており、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、医療の給付に係る662億9212万余円の支払及び傷病手当金等の現金給付76億5145万余円の支給である。
 なお、52年度における損益についてみると、保険料等の利益531億6363万余円、保険給付費等の損失944億8142万余円で、413億1779万余円の損失を生じており、前年度からの繰越損失と合わせ3304億2914万余円が翌年度へ繰り越されている。また、52年度末における借入金の現在額は3273億円(全額資金運用部資金からの借入金)となっており、積立金の現在額は9457万余円となっている。

 (年金勘定)

 52年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額4兆9648億6525万余円、収納済歳入額4兆9351億5129万余円、不納欠損額14億4597万余円、収納未済歳入額282億6799万余円、歳出では、支出済歳出額1兆8780億5096万余円、不用額4455億5881万余円となっている。
 不納欠損額の主なものは保険料収入(徴収決定済額3兆4864億4071万余円)の14億2207万余円、収納未済歳入額は保険料収入の267億7220万余円及び雑収入(同86億6054万余円)の14億9579万余円であり、また、不用額の主なものは、保険給付費(歳出予算現額1兆9948億1493万円)の1499億1800万余円、福祉施設費等業務勘定へ繰入(同332億9450万余円)の4億8419万余円である。
 前記の経理の基礎となった厚生年金保険の被保険者は52年度末で2390万余人、受給権の裁定を受けている者は52年度末で328万余人となっており、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは老齢年金等1兆8448億9692万余円の支給である。
 なお、52年度における損益についてみると、保険料等の利益4兆9199億3796万余円、保険給付費等の損失1兆8698億2001万余円で、3兆0501億1794万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ18兆0680億5719万余円が翌年度へ繰り越されている。また、52年度末における積立金の現在額は14兆9156億7948万余円となっている。

 (児童手当勘定)

 52年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに1312億4148万余円、歳出では、支出済歳出額1220億5727万余円、不用額107億9531万余円となっている。
 不用額の主なものは、被用者児童手当交付金(歳出予算現額661億7305万余円)の33億2025万余円、非被用者児童手当交付金(同565億4664万円)の13億1095万余円である。
 前記の経理の基礎となった児童手当の交付対象児童は52年度末で256万余人となっており、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは児童手当1180億8848万余円の交付である。
 なお、52年度末における積立金の現在額は170億6093万余円となっている。

 (業務勘定)

 52年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額1514億9934万余円、収納済歳入額1486億6535万余円、不納欠損額1億2283万余円、収納未済歳入額27億1116万余円、歳出では、支出済歳出額1380億5981万余円、翌年度繰越額43億2015万余円、不用額57億6627万余円となっている。
 収納未済歳入額は雑収入(徴収決定済額77億6102万余円)の23億6915万余円及び児童手当収入(同525億5117万余円)の3億4201万余円であり、また、翌年度繰越額はすべて福祉施設費(歳出予算現額392億5765万余円)の分、不用額の主なものは、児童手当拠出金児童手当勘定へ繰入(同544億7414万余円)の28億5576万余円、福祉施設費の16億7556万余円である。
 なお、52年度における損益についてみると、一般会計より受入等の利益1206億6018万余円、業務費等の損失1188億7460万余円で、17億8558万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ369億5949万余円が翌年度へ繰り越されている。