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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第5 文部省|
  • 不当事項|
  • 物件

マット等の購入価額が著しく高価となっているもの


(12)-(13) マット等の購入価額が著しく高価となっているもの

(12) 1 会計名及び科目 一般会計 (組織)文部本省所轄機関 (項)文部本省所轄研究所
国立学校特別会計 (項)国立学校(項)大学附属病院
(項)研究所
部局等の名称 北海道、弘前、東北、福島、筑波、千葉、東京、東京医科歯科、横浜国立、新潟、富山、富山医科薬科、金沢、浜松医科、名古屋、三重、滋賀医科、京都、大阪、神戸、奈良女子、岡山、広島、徳島、高知、高知医科、九州、大分各大学、呉、高知、有明、大分各工業高等専門学校、高エネルギー物理学研究所、国立遺伝学研究所
購入物品 マット997枚、長マット178巻、安全ロープ362巻、シート253枚、天幕43張、ファイル1,750枚、封筒1,000枚、防臭剤20箱、消火ホース3本、くず入れ20個
購入価額 113,152,000円(うち昭和52年度契約分90,559,800円)
契約の相手方 新栄商事ほか60名
契約 昭和52年4月〜53年10月 随意契約
支払 昭和52年5月〜53年12月 456回
(うち52年度支払分360回90,559,800円)

 

(13) 2 会計名及び科目 一般会計 (組織)文化庁 (項)国立博物館
(項)文化庁研究所
部局等の名称 奈良国立博物館、国立国語研究所、奈良国立文化財研究所
購入物品 マット17枚、長マット3巻、天幕2張、安全ロープ11巻、シート5枚
購入価額 3,825,000円(うち昭和52年度契約分3,370,000円)
契約の相手方 桜商会ほか5名
契約 昭和52年4月〜53年7月 随意契約
支払 昭和52年5月〜53年8月 17回
(うち52年度支払分12回3,370,000円)

 これらの物品の不当な価格での売込みに対して適切な処置を講じないままその購入を繰り返したため、購入価額が1において約8100万円、2において約300万円それぞれ高価となっていると認められる。
 これを1、2の別に説明すると以下のとおりである。

(説明)

1 これらの物品は、庁用として上記各部局で購入したものである。
 しかして、これらの物品は、いずれも市中で一般に販売されているものであり、その購入価格と市販価格等とを対比してみると、購入価格は市販価格等を著しく上回っており、これを主な品目についてみると次のとおりである。

品目 (品質・規格) 単位 本件購入単価 市販価格等

マット

(ビニール製

0.9m×1.8m)

1枚

30,000〜
60,000

12,000〜
15,000
 〃 (ゴム製 0.9m×1.8m) 50,000又は
60,000
18,000〜
20,000
長マット (ビニール製 0.9m×20m) 1巻 125,000 20,000〜
24,000
 〃 ( 〃 1m×20m) 125,000 24,000
 〃 (ゴム製 0.9m×20m) 125,000〜
400,000
55,000〜
61,000
 〃 ( 〃 1m×20m) 125,000〜
400,000
56,000
安全ロープ (ポリエチレン製 径12mm×200m) 40,000又は
50,000
8,000〜
11,000
シート (合成繊維製 3.6m×5.4m) 1枚 50,000 12,000
シート (ビニール製 3.6m×5.4m) 1枚 50,000 3,000〜
5,000
天幕 (ビニロン帆布製 3.6m×5.4m) 1張 200,000〜
250,000
85,000〜
108,000

 そして、これら物品の購入の経緯についてみると、前記各部局では、団体等の職員と称する者から長時間にわたり執ように物品購入の要請を受けるなど異常な状況のもとで、契約事務を行う権限を持たない経理課職員等が、その購入及び購入価格を約束し、これを受けて契約事務を行う権限を持っている事務局長等が、又は契約事務を行う権限を持っている事務局長等が同様に約束したうえで、それぞれ価格調査を行う十分な余裕もないまま、上記団体等の職員と称する者又はこれらの者から物品納入の依頼を受けた新栄商事等と前記の約束した価格により契約を締結し、この種の購入を繰り返し行ったものである。

 しかし、これらの物品の購入価格は、この種物品の販売業者について調査すれば著しく高価であることが判明したと認められるのに、このような事態の再発を防止するための対策も講じないまま同様の購入を繰り返したのは、その処置当を得ないと認められる。

 いま、仮に本件物品を市販価格等によって購入したとするとその価額は32,133,546円となり、本件購入価額はこれに比べて約8100万円(うち昭和52年度分約6470万円)高価となっていると認められる。

2 これらの物品は、庁用として上記各部局で購入したものである。
 しかして、これらの物品は、いずれも市中で一般に販売されているものであり、その購入価格と市販価格等とを対比してみると、購入価格は市販価格等を著しく上回っており、これを主な品目についてみると、次のとおりである。

品目 (品質・規格) 単位 本件購入単価 市販価格等

マット

(ワイヤ製

0.6m×0.9m)

1枚

66,666

4,000
 〃 (ゴム製 0.9m×1.8m) 100,000 28,000
長マット (ゴム製 1m×10m) 1巻 200,000 50,000
 〃 ( 〃 1m×20m) 400,000 100,000
天幕 (合成繊維製 3.6m×5.4m) 1張 400,000 120,000

 そして、これら物品の購入の経緯についてみると、前記各部局では、団体の職員と称する者から長時間にわたり執ように物品購入の要請を受けるなど異常な状況のもとで、契約事務を行う権限を持たない会計課職員等がその購入及び購入価格を約束し、これを受けて契約事務を行う権限を持っている庶務部長等が、価格調査を行う十分な余裕もないまま、上記団体の職員と称する者から物品納入の依頼を受けた桜商会等と前記の約束した価格により契約を締結し、この種の購入を繰り返して行ったものである。

 しかし、これらの物品の購入価格は、この種物品の販売業者について調査すれば著しく高価であることが判明したと認められるのに、このような事態の再発を防止するための対策も講じないまま同様の購入を繰り返したのは、その処置当を得ないと認められる。

 いま、仮に本件物品を市販価格等によって購入したとすると、その価額は815,000円となり、本件購入価額はこれに比べて約300万円(うち昭和52年度分約260万円)高価となっていると認められる。