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  • 昭和53年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第8 本州四国連絡橋公団|
  • 不当事項|
  • 物件

シート等の購入価額が著しく高価となっているもの


(141) シート等の購入価額が著しく高価となっているもの

科目 (款)一般管理費 (項)管理諸費
(款)建設費 (項)一般国道28号及本四淡路線共用部建設費
(項)一般国道317号建設費
部局等の名称 本州四国連絡橋公団本社、第一、第三両建設局
購入物品 シート50枚、手袋980双、マット5枚、ファイル700冊、資料収納保管庫1組、封筒600枚
購入価額 3,145,000円(うち昭和52年度契約分765,000円)
契約の相手方 村上商事ほか9名
契約 昭和52年5月〜53年12月 随意契約
支払 昭和52年5月〜53年12月 13回
(うち52年度支払分3回765,000円)

 これらの物品の不当な価格での売込みに対して適切な処置を講じないままその購入を繰り返したため、購入価額が約260万円高価となっていると認められる。

(説明)
 これらの物品は、橋りょう建設等の事業用及び庁用として上記各部局で購入したものである。
 しかして、これらの物品は、いずれも市中で一般に販売されているものであって、これら物品の購入価格と市販価格等とを対比してみると、本件購入価格は市販価格等を著しく上回っており、これを主な品目についてみると、次のとおりである。

品目 (品質・規格) 単位 本件購入単価 市販価格等
シート (ポリエチレン製 3.6m×5.4m) 1枚
20,000〜40,000

2,600又は2,800
手袋 (綿製) 1双 500又は600 100
マット (ビニール製 0.9m×1.72m) 1枚 75,000 14,400
ファイル (紙製B5版) 1冊 500 90

 そして、これら物品の購入の経緯についてみると、前記の各部局では、団体等の職員と称する者から長時間にわたり執ように物品購入の要請を受けるなど異常な状況のもとで、本社及び第一建設局では契約事務を行う権限を持たない会計課長が、その購入及び購入価格を約束し、これを受けて契約事務を行う権限を持っている総務部長が、また、第三建設局では、契約事務を行う権限を持っている総務部長が同様に約束したうえで、それぞれ価格調査を行う十分な余裕もないまま上記団体等の職員と称する者から物品納入の依頼を受けた村上商事等と前記の約束した価格により契約を締結し、この種の購入を繰り返して行ったものである。
 しかし、これらの物品の購入価格は、この種物品の販売業者について調査すれば著しく高価であることが判明したと認められるのに、このような事態の再発を防止するための対策も講じないまま同様の購入を繰り返したのは、その処置当を得ないと認められる。
 いま、仮に本件物品を市販価格等によって購入したとすると、その価額は462,100円となり、本件購入価額はこれに比べて約260万円(うち昭和52年度分約60万円)高価になっていると認められる。