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  • 昭和54年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第1 総理府|
  • (防衛庁)|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

物品増減及び現在額報告書の記載漏れ等について


物品増減及び現在額報告書の記載漏れ等について

 物品管理法(昭和31年法律第113号)第37条の規定に基づく昭和53年度総理府所管一般会計の物品増減及び現在額報告書(以下「物品報告書」という。)の53年度末現在額の中には陸上自衛隊、海上自衛隊及び航空自衛隊分として58,531個703,111,523,715円が含まれている。
 しかして、本院において、昭和55年1月から5月までの間に航空自衛隊補給統制処ほか12部隊等(注) における物品の管理状況を検査したところ、次のとおり、物品報告書の記載内容が適切でないと認められる事態が見受けられた。
 すなわち、航空自衛隊では、物品報告書の作成に係る事務処理の合理化と報告内容の統一を図るため、補給統制処で毎年度報告対象物品を指定した管理状況報告品目表を作成して、これを各部隊等の分任物品管理官に示し、これに基づいて各部隊等の分任物品管理官が作成した管理状況報告書を補給統制処に提出させているが、上記補給統制処ほか12部隊等が提出した管理状況報告書と当該部隊等に備付けの物品管理簿とを対比したところ、物品管理簿に記載された物品のうち、物品報告書に記載すべき物品が管理状況報告書に記載されておらず、ひいて物品報告書に記載漏れとなっていたものが266品目、818個110億7592万余円あった。

 この原因は、補給統制処において管理状況報告品目表を作成するに当たり、従来所有していなかった品目の物品を取得した際に報告対象品目として追加指定するのを怠っていたり、物品報告書に記載すべき機械及び器具と認められる通信部品、航空計器の類、及び日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定(昭和29年条約第6号)に基づき無償供与を受けた物品を報告対象品目として指定していなかったりしたことによるものであることが判明した。したがって、上記の13部隊等を除く航空自衛隊の他の部隊等における所有物品についても調査して、同自衛隊における所有物品の実態をは握し、これを物品報告書に適正に表示するよう適切な処置を講ずる要があると認められた。また、同様の事態は、陸上及び海上両自衛隊においてもあると思料され、適切な処置を講ずる要があると認められた。
 上記についての本院の指摘に基づき、防衛庁では、55年8月、各自衛隊に対して通知を発し、物品報告書に記載すべき物品についての判断基準を具体的に示し、今後このような事態が生じないよう指導した。そして各自衛隊においては、これに基づき報告対象物品を指定する品目表を追加整備するなどの処置を講ずるとともに、53年度の物品報告書の対象とすべき物品について再調査を行い、記載漏れとなっていることが判明した陸上自衛隊3,423個28,887,806,340円、海上自衛隊331個16,188,710,409円、航空自衛隊6,092個70,167,858,000円、計9,846個115,244,374,749円の物品については、54年度の物品報告書における本年度の増の欄に、また、誤計上となっていることが判明した海上自衛隊1,321個12,177,353,463円の物品については、本年度の減の欄にそれぞれ記載してその誤びゅうを調整した。

 (注)  航空自衛隊補給統制処ほか12部隊等 補給統制処、第2、第3、第5、第8各航空団、第2、第3、第5各高射群、第27、第44両警戒群、第3術科学校、第1補給処立川支処、第4補給処高蔵寺支処