昭和５４年度決算検査報告
この事業団は、金属鉱物の探鉱に必要な資金の供給及び地質構造の調査その他金属鉱物資源の開発を促進するために必要な業務並びに金属鉱産物の備蓄に必要な資金の貸付けを行い、もって金属鉱業の国際競争力の強化と金属鉱産物の安定的かつ低廉な供給に資すること並びに金属鉱業等による鉱害の防止に必要な資金の貸付けその他の業務を行い、もって国民の健康の保護及び生活環境の保全と金属鉱業等の健全な発展とに寄与することを目的として設置されているもので、５４事業年度末現在の資本金は１８６億５２００万円（全額国の出資）となっており、同事業団の会計は、一般、精密調査、鉱害防止の３勘定に区分して経理されている。
（一般勘定）
〔この勘定は、金属鉱物の探鉱に必要な資金の貸付け等の業務に関する経理を行うものである。〕
５４事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額６２２億５８８５万余円、支出では、支出決定済額６１０億４５８６万余円、翌事業年度繰越額１１億３２４３万余円、不用額５８６億５８４９万余円となっている。
翌事業年度繰越額の主なものは海外出資及貸付金（支出予算現額２５億２３００万円）の６億円であり、不用額の主なものは、金属鉱産物備蓄資金貸付金（同４４７億円）の４４７億円、金属鉱業安定化資金貸付金（同１３５億円）の９６億３３４０万円である。
前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、金属鉱物探鉱のための国内貸付金等の貸付け４１件６０億３２６３万余円、貸付金の回収２３６億４０９９万余円で、５４事業年度末における貸付金残高３４３件３７３億８５２３万余円となっている。
なお、５４事業年度における損益についてみると、貸付金利息等の収益、事業費等の費用ともに９２億４５４９万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は３３７億９４６８万余円（資金運用部資金及び市中銀行からの借入金）となっている。
（精密調査勘定）
５４事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額１６億９１７０万余円、支出では、支出決定済額１６億９１７０万余円、翌事業年度繰越額１億９４５８万余円、不用額２０２０万余円となっている。
上記の支出に係る業務実績の主なものは、８地域について実施した地質構造の精密調査におけるボーリング１万余mのせん孔又は構造坑道３千余mの掘削である。
なお、５４事業年度における損益についてみると、補助金受入等の収益、事業費等の費用ともに１６億９１７０万余円となっている。
（鉱害防止勘定）
５４事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額３９億０４２２万余円、支出では、支出決定済額３８億９４６２万余円、翌事業年度繰越額１億２６０３万余円、不用額１２億４７７８万余円となっている。不用額の主なものは鉱害貸付金（支出予算現額３２億円）の１０億８９３８万円である。
上記の収入支出に係る業務実績の主なものは、金属鉱業等における鉱害防止のための鉱害貸付金の貸付け４４件１９億８５７２万円、貸付金の回収４億３５５１万余円で、５４事業年度末における貸付金残高２７８件７５億０９５６万円となっている。
なお、５４事業年度における損益についてみると、補助金受入等の収益、事務費等の費用ともに１４億６８７１万余円となっている。また、同事業年度末における借入金の残高は７７億２０４７万円（全額資金運用部資金からの借入金）となっている。