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  • 昭和55年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第2 日本国有鉄道|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

特急寝台列車の寝台用リネンの取扱いについて


(3) 特急寝台列車の寝台用リネンの取扱いについて

 日本国有鉄道(以下「国鉄」という。)では、旅客車整備基準規程(昭和45年旅運達1号)等を定め、寝台車等のリネンサプライ(注1) を実施している。

 しかして、東京南鉄道管理局ほか4鉄道管理局(注2) が、昭和55年度分のリネンサプライ請負業務費として支払った27億8012万円のうち寝台用リネン料(毛布カバー、枕(まくら)カバー、敷布、浴衣(以下「リネン」という。)の用品償却費、洗濯加工費、輸送費等の経費)9億4159万円(1665万余枚分)について検査したところ、次のとおり、リネンの取扱方法が適切でないと認められる点が見受けられた。
 すなわち、国鉄では、寝台用リネンの積込み、取付け、取外し及び取卸しは、列車の発着地における車両基地において行うこととしており、また、列車ごとのリネンについては、受持局を定めていて、この受持局は管内の業者に、前記規程に基づき旅客が使用した都度洗濯させることとして提供させているものである。そして、従来、この受持局と車両の所属局を一致させていたが、ダイヤ改正に伴い列車削減のため、リネンの提供業者ごとの取扱量に差が生ずるとして「旅客車用品の運用方指定について」(昭和50年旅総第647号、53年同第78号等)の通達を各関係鉄道管理局に発し、リネンの受持局を変更したため、ほとんどの寝台列車は車両の運用の周期(5日〜13日)中にリネンの提供業者が変わることとなった。そして、国鉄では、業者間のリネンが混同する事態を避けるため、車両に備え付けられている枕及び毛布から枕カバー及び毛布カバーを取り外す際に、これらカバーと組になっている敷布、浴衣まで含めて他の業者が一括袋詰めし、そのリネンの提供業者に返送する取扱方法によることとしたなどのため、「さくら」ほか9列車(注3) のリネンは使用、未使用を問わず全量取卸しのうえ洗濯させている状況であった。

 しかし、近年寝台利用客が減少しているため、敷布(二段式寝台用)及び浴衣は、未使用のものが相当数あり、いずれも折りたたんだまま寝台席に置いているので、これを取り卸す際に使用、未使用の別に区分して整理すれば、未使用のものはそのまま使用に供することができるものであり、現行のリネンの取扱いは適切でないと認められた。
 いま、仮に本件未使用の敷布、浴衣をそのまま使用する取扱方法によったとすれば、55年度中において、東京南鉄道管理局ほか4鉄道管理局が支払の対象としたリネン料9億4159万余円のうち、約4600万円(51万余枚分)程度が節減できたものと認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、日本国有鉄道では、56年11月に「寝台車用リネンの未使用品の取扱い方について」の通達を発し、同月以降各関係鉄道管理局において、未使用の敷布、浴衣は、そのまま使用することとする処置を講じた。

 (注1)  寝台車等のリネンサプライ 寝台車の毛布、枕、布団等(国鉄用品)の配備、枕カバー、毛布カバー、敷布、浴衣等(業者用品)の提供及び座席車のもたれカバー、肘(ひじ)カバー等(業者用品)の提供並びにこれら用品の取付け、取外し等の作業

 (注2)  東京南鉄道管理局ほか4鉄道管理局 東京南、大阪、門司、熊本、鹿児島各鉄道管理局

 (注3)  「さくら」ほか9列車 〔1〕 上りさくら(長崎・佐世保〜東京)、〔2〕 上り彗星2号(都城・大分〜新大阪)、〔3〕上りみずほ(長崎・熊本〜東京)、〔4〕 上り明星6号(西鹿児島・熊本〜新大阪)、〔5〕 下り日本海3号(大阪〜青森)、〔6〕 下り彗星1号(新大阪〜宮崎)、〔7〕 上り彗星4号(宮崎〜新大阪)、〔8〕 上りなは(西鹿児島〜新大阪)、〔9〕 下りなは(新大阪〜西鹿児島)、〔10〕 下り金星(名古屋〜博多)