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  • 昭和５５年度|
  • 第４章　歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第１　歳入歳出決算|
  • ２　特別会計

農林水産省所管

（１９）　農林水産省所管　　農業共済再保険特別会計

　この特別会計は、国が経営する農業共済再保険事業に関する経理を一般会計と区分して行うため設置されているもので、再保険金支払基金、農業、家畜、果樹、園芸施設及び業務の６勘定に区分して経理されている。

(再保険金支払基金勘定)

　この勘定は、異常災害の発生に伴う農業勘定等における再保険金支払財源の不足に充てるための一般会計からの受入金に関する経理を行うものである。

　５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに２０億１４３６万余円、歳出では、支出済歳出額１５億３５００万円、不用額５億円となっている。不用額はすべて再保険金支払財源他勘定へ繰入(歳出予算現額２０億３５００万円)の分である。

(農業勘定)

　この勘定は、農業者の水稲、陸稲、麦、蚕繭又は畑作物の損害につき、農業共済組合等が支払う共済金について農業共済組合連合会が負う保険責任のうち、水稲、陸稲、麦、蚕繭については通常の災害を超える損害を再保険する事業、また、畑作物については、通常の災害を超える損害の一定の割合を再保険する事業に関する経理を行うものである。

　５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに２３０７億４４０９万余円、歳出では、支出済歳出額２３０７億１８７３万余円、不用額９億９０４３万余円となっている。不用額の主なものは農業再保険費(歳出予算現額２０７４億６７７２万余円)の９億８６３３万余円である。
　予備費使用額は農業再保険費(歳出予算額２００３億６８８４万余円)の３億２３１９万余円である。
　前記の経理の基礎となった５５年度における共済関係の実績は、水稲２１２万余ha、陸稲１万余ha、麦２１万余ha、畑作物１２万余ha等であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、水稲に係る再保険金２００８億６６９４万余円、畑作物に係る再保険金３５億１５７０万余円、麦に係る再保険金１４億８７５５万余円の支払である。
　なお、５５年度における損益についてみると、再保険料等の利益６３１億５９７７万余円、再保険金等の損失２３０９億５３１４万余円で、１６７７億９３３７万余円の損失を生じており、これから前年度からの繰越利益を差し引いた損失１３８５億００３７万余円が翌年度へ繰り越されている。

(家畜勘定)

　この勘定は、農業者が、その家畜の死亡、疾病等によって受ける損害につき、農業共済組合等が支払う共済金について農業共済組合連合会が負う保険責任のうち、伝染病等による異常事故については全額を、また、通常事故については損害の一定の割合を再保険する事業に関する経理を行うものである。

　５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに２８７億５３８４万余円、歳出では、支出済歳出額２００億０５６９万余円、不用額１２３億７８８１万余円となっている。不用額の主なものは家畜再保険費(歳出予算現額１８０億６６２９万余円)の３２億７０３５万余円である。

　上記の経理の基礎となった５５年度における共済関係の実績は牛２９４万余頭、肉豚８３万余頭等であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、死廃に係る再保険金９９億５７１０万余円、病傷に係る再保険金４８億３８８３万余円の支払である。
　なお、５５年度における損益についてみると、再保険料等の利益２８７億５３８４万余円、再保険金等の損失２７３億９１５１万余円で、１３億６２３２万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ４１億７４０２万余円が翌年度へ繰り越されている。また、５５年度末における積立金の現在額は２８億１１６９万余円となっている。

(果樹勘定)

　この勘定は、農業者の果樹の損害につき、農業共済組合等が支払う共済金について農業共済組合連合会が負う保険責任のうち、通常の災害を超える損害の一定の割合を再保険する事業に関する経理を行うものである。

　５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに１１９億４９９５万余円、歳出では、支出済歳出額８５億６７７８万余円、不用額３９億７７７０万余円となっている。不用額の主なものは果樹再保険費（歳出予算現額８３億１９８０万余円）の５億９６８６万余円である。

　上記の経理の基礎となった５５年度における共済関係の実績は、うんしゅうみかん３０３３万余本、りんご３７３万余本等であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは、うんしゅうみかんに係る再保険金４４億２５１４万余円、ぶどうに係る再保険金１５億１２７５万余円の支払である。
　なお、５５年度における損益についてみると、再保険料等の利益７０億４８１８万余円、再保険金等の損失１１８億１９６４万余円で、４７億７１４６万余円の損失を生じており、前年度からの繰越損失と合わせ３００億６７９９万余円が翌年度へ繰り越されている。

(園芸施設勘定)

　この勘定は、農業者の園芸施設の損害につき、農業共済組合等が支払う共済金について農業共済組合連合会が負う保険責任のうち、暴風等による異常事故については全額を、また、それ以外の事故については損害の一定の割合を再保険する事業に関する経理を行うものである。

　５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに２６億７３３２万余円、歳出では、支出済歳出額１０億４７１５万余円、不用額1８億２２８７万余円となっている。不用額の主なものは農業共済組合連合会交付金(歳出予算現額１７億２８７０万余円)の８億３５７９万余円である。

　上記の経理の基礎となった５５年度における共済関係の実績は園芸施設２２万余棟であり、また、前記の支出に係る業務実績の主なものは園芸施設に係る再保険金１億５４２５万余円の支払である。
　なお、５５年度における損益についてみると、再保険料等の利益２６億７３３２万余円、再保険金等の損失1６億９４４４万余円で、９億７８８８万余円の利益を生じており、前年度からの繰越利益と合わせ１４億３８９９万余円が翌年度へ繰り越されている。また、５５年度末における積立金の現在額は４億６０１０万余円となっている。

(業務勘定)

　５５年度の歳入歳出決算についてみると、歳入では、徴収決定済額、収納済歳入額ともに９億２３０５万余円、歳出では、支出済歳出額９億２３０５万余円、不用額２２８９万余円となっている。