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  • 昭和55年度|
  • 第4章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 4 公団、事業団その他6団体の決算

日本蚕糸事業団


(9) 日本蚕糸事業団

 この事業団は、繭及び生糸の価格について、安定価格帯を超える異常な変動を防止するとともに、この安定価格帯の中の一定の幅の中にこれらの価格を安定させるため、生糸の買入れ、輸入、売りもどし及び売渡し、繭の保管に要する経費の助成、委託による乾繭の売渡し等の業務を行うことを目的として設置されているもので、55事業年度末現在の資本金は60億3030万円(うち国の出資50億3030万円)となっており、同事業団の会計は、異常変動防止及び中間安定等の2勘定に区分して経理されている。

(異常変動防止勘定)

 この勘定は、異常変動の防止のための生糸売買、繭価維持補助及び共同保管繭売買の各事業の経理を行うものである。

 55事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額3億8527万余円、支出では、支出決定済額1億4604万余円、不用額192億1898万余円となっている。不用額の主なものは、生糸買入費(支出予算現額158億4000万円)の158億4000万円及び借入金償還(同21億3600万余円)の21億3600万余円である。
 なお、55事業年度における損益についてみると、有価証券利息等の収益3億9219万余円、一般管理費等の費用1億4619万余円で、2億4600万余円の利益金を生じており、同事業年度末における積立金と合わせて26億3676万余円が翌事業年度に積立金として積み立てられている。

(中間安定等勘定)

 この勘定は、生糸価格中間安定、受託乾繭、生糸短期保管、輸出用生糸売買及び繭糸生産流通合理化助成の各事業の経理を行うものである。

 55事業年度の収入支出決算についてみると、収入では収入決定済額1935億4936万余円、支出では、支出決定済額1915億4777万余円、翌事業年度繰越額14億6616万余円、不用額566億4358万余円となっている。
 翌事業年度繰越額の主なものは、繭糸生産流通合理化等助成対象事業に係る繭生産流通合理化事業費(支出予算現額15億8805万余円)の9億6326万余円であり、また、不用額の主なものは、生糸価格中間安定事業に係る生糸買入費(同795億1731万余円)の256億7512万余円、生糸短期保管事業に係る生糸買入費(同206億4000万円)の206億4000万円である。
 前記の収入支出に係る業務実績の主なものは、国産生糸の買入26,424俵、外国産生糸の輸入39,020俵及び売渡し8,053俵である。
 なお、55事業年度における損益についてみると、長期保管生糸期末たな卸高等の収益、長期保管生糸期首たな卸高等の費用ともに1362億4375万余円となっている。また、同事業年度末における蚕糸業振興資金の残高は40億4058万余円、積立金の残高は53億2472万余円となっている。