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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第1 大蔵省|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

電子計算機の出力用紙のレイアウトについて


 電子計算機の出力用紙のレイアウトについて

 国税庁では、徴税事務の効率化を図るため、昭和41年度以降、東京、大阪、名古屋各国税局にADPセンターを設置し、電子計算機を導入して、管内税務署の所得税、法人税関係等の事務処理に活用しており、電子計算機のラインプリンターによって、出力用紙に印刷されている所得税確定申告書等の各種帳票に納税者の住所、氏名等を印字する業務(以下「印字業務」という。)を行っている。そして、印字業務が一時期に集中することから部内で実施できない分と上記ラインプリンターによる印字に対応するようレイアウトした出力用紙の印刷とを外注している。

 しかして、56年度における印字業務の外注費及び出力用紙の印刷費は計3億2883万円となっているが、この内容について検査したところ、出力用紙のレイアウトが適切でなかったため、次のとおり不経済となっている点が見受けられた。

 すなわち、前記の印字業務に使用する帳票は横寸法8.3インチ(約21.0cm)のものが多く、帳票を1列にレイアウトした出力用紙が送り孔部分を左右両側に0.5インチ(約1.2cm)ずつ付けた横寸法9.3インチ(約23.6cm)のものとなっていることもあって、印字業務を行うラインプリンターには、中央処理装置(6装置)ごとに2ないし3台(計15台)設置されている印字幅13.2インチ(約33.5cm)のラインプリンター(以下「並幅ラインプリンター」という。)を使用することとし、このほか、印字幅13.2インチ(約33.5cm)を超える広幅の部内管理資料等の印字等には、並幅ラインプリンターに印字桁拡張機構を付加した印字幅16インチ(約40.6cm)のもの(以下「広幅ラインプリンター」という。)を中央処理装置ごとに1台(計6台)設置しこれを使用することとしていた。

 ところで、他省庁等におけるこの種出力用紙のレイアウトについてみると、定形郵便物として大量に郵送する帳票の多くは横寸法が前記所得税確定申告書等と同様に8.3インチ(約21.0cm)程度であるが、この帳票を2列に並べたレイアウトの出力用紙を作成しており、印字方法としてはこれを広幅ラインプリンターで処理しているのが実情である。これは、

(1) 出力用紙として、50年に日本工業規格に横寸法45cm(約17.7インチ)の規格のものが設けられたこともあって、帳票を2列化して印刷することが一般的になったこと、すなわち、8.3インチ(約21.0cm)の帳票を2列化するに必要な16.6インチ(約42.1cm)に左右両側の送り孔の部分各0.5インチ(約1.2cm)を加えても17.6インチ(約44.7cm)であるから、この規格内で足りること

(2) 出力用紙の印刷についても、帳票を2列に並べて印刷することにより印刷版面が2倍になって版面作成経費等が若干増加するものの、印刷通し数(印刷輪転機の回転数)が半減するため、帳票1枚当たりの印刷単価は大幅に低減すること

(3) ラインプリンターによって印字する場合、帳票を2列に並べて印刷された横寸法45cm(約17.7インチ)の出力用紙には左右に余白があるので印字幅16インチ(約40.6cm)の広幅ラインプリンターで印字が可能であること、及びラインプリンターで1行を印字する速度は印字幅の長短にかかわらず差がないから、幅の広い出力用紙にしてこれを広幅ラインプリンターで印字することにより、印字に要する時間が短縮されること

という利点から、採用されることとなったものである。

 しかしながら、国税庁においては、大量に郵送している横寸法8.3インチ(約21.0cm)の所得税確定申告書等の帳票について、帳票を2列化しないまま並幅ラインプリンターで処理していた。

 したがって、所得税確定申告書など横寸法8.3インチ(約21.0cm)の帳票を2列化すれば、帳票印刷単価の低減とともに、ラインプリンター使用時間の減少に伴い外注印字業務の部内処理が可能となり、並幅ラインプリンターの広幅化による借料などの増加を考慮しても、相当額の経費の節減ができ、所得税確定申告書の印刷だけについてみても約3800万円が節減されると認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、国税庁では、57年8月以降逐次所得税確定申告書など各種帳票を2列化した出力用紙を作成するとともに、同年10月以降ラインプリンターを全面的に広幅化し賃借台数を減ずる処置を講じた。