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  • 昭和56年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第13 日本中央競馬会|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

開催制服の貸付けについて


 開催制服の貸付けについて

 日本中央競馬会では、競馬の開催執務に従事する職員が着用する開催制服を毎年調達しており、昭和55事業年度には695着を、56事業年度には3,087着をそれぞれ3117万余円及び1億4598万余円で購入し職員に貸し付けているが、この貸付状況について検査したところ、次のとおり、開催制服の着用の実態からみて貸付期間の設定が適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、同会では、職員全員が競馬開催執務に従事する機会があるとして「日本中央競馬会被服貸付規程」(昭和34年理事長達第6号)により職員全員(55事業年度1,850名、56事業年度1,861名)に対し、夏用・冬用各1着の開催制服を貸し付けており、その貸付期間は2年としている。そして、55事業年度は夏服473着、冬服222着(オールウールの素材で単価38,500円ないし49,000円)、56事業年度は夏服1,432着、冬服1,655着(同単価40,000円ないし49,900円)を購入しているものである。

 しかして、開催制服は、競馬開催の当日に開催競馬場等において、顧客に対するサービスや公正確保上からの識別機能の観点から制度化されたもので、開催執務に従事する職員にその着用が義務付けられ、かつ、開催執務以外の平常業務での着用は禁止されており、貸付期間を2年としたのは、他団体等の制服の貸付期間等を参考として定めたとしている。

 しかしながら、同会の競馬開催は、ほとんどが土曜日、日曜日だけであるため、開催制服の着用日数は、他団体等のそれに比べ大幅に少ないものであり、その年間の着用の実態をみても、夏服で最高35日、平均約18日、冬服で最高70日、平均約36日程度にすぎず、同会本部等の一部の管理職や女子職員など、開催執務に従事する機会がほとんどないため着用日数が10日以下と極端に少ない者が、55事業年度361名、56事業年度362名と多数おり、なかには、両事業年度にわたり全く着用しなかった職員が234名もいる状況となっている。また、職員が競馬開催当日に行う執務内容も、勝馬投票券発売及び払戻状況の監視業務等が主であって、制服を著しく損耗させるようなものとは認められない。なお、本院が、2年間使用した後の開催制服について国の検査機関に依頼して調査した結果によれば、更に1年ないし2年は良好な状態で着用可能なものであるとしている。

 したがって、同会の開催制服についての現行の貸付期間2年は短かすぎるもので、適切な期間に延伸の必要があり、また、着用日数が著しく少ないものについても延伸を行う措置を執るべきであり、全く着用しなかった職員に係る開催制服については貸付期間が終了しても更新の要はないと認められ、仮に開催制服の貸付期間を3年に延伸したとすれば55、56両事業年度だけで約5900万円が節減できたと認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、日本中央競馬会では、57年10月に「日本中央競馬会被服貸付規程」を改め開催制服の貸付期間2年を3年にするとともに、各所属長に対し、著しく着用日数の少ないものについては、貸付期間を延伸するなど適切な措置を行うよう通達を発し、同月以降適用することとする処置を講じた。