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  • 昭和58年度|
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身体障害者職業訓練校の運営委託に当たり、委託費の精算が適切でなかったため、支払額が過大になったもの


(103) 身体障害者職業訓練校の運営委託に当たり、委託費の精算が適切でなかったため、支払額が過大になったもの

会計名及び科目 一般会計 (組織)労働本省 (項)職業訓練費
部局等の名称 労働本省
契約名 広島身体障害者職業訓練校運営委託契約
契約の概要 広島身体障害者職業訓練校の運営
契約の相手方 広島県
契約年月日 昭和57年4月5日
契約期間 昭和57年4月1日〜昭和58年3月31日
支払 昭和57年7月〜昭和58年3月 8回
委託費 137,029,000円

 上記の委託契約において、委託費の精算が適切でなかったため、5,156,452円が過大に支払われていた。

(説明)

 この委託契約は、職業訓練法(昭和44年法律第64号)第15条の規定に基づいて国が設置した広島身体障害者職業訓練校の運営を広島県に委託し、身体障害者に対し職業に必要な技能、知識を習得させるため職業訓練を行わせるものである。そして国が支払う委託費の対象となる経費(以下「委託費対象額」という。)は、人件費については、正規職員給等の経費ごと、事業費については、実習経費等の経費ごとに職員数、訓練生数等を基に労働省が定めた身体障害者職業訓練校運営委託費算定基準により算定した額(以下「交付基準額」という。)を委託契約書で明らかにして概算交付し、事業終了後精算に当たっては、経費ごとに交付基準額と実支出済額(ただし、事業費のうち「実習経費」は実支出済額から実習収入を控除した額)とを比較していずれか少ない方の額、さらに、正規職員給、実習経費等一部の経費については交付基準額、実支出済額並びに委託期間中の職員数の実数及び訓練生の平均在校生数等を基に算定基準によって算定した額(以下「確定基準額」という。)とを比較して最も少ない額によって精算することとしている。

 しかして、昭和57年度の精算についてみると、広島県では、実績報告書において交付基準額として人件費104,390,600円、事業費32,638,400円計137,029,000円の交付を受け、これに対する実支出済額は人件費139,293,058円、事業費38,310,530円計177,603,588円とし、各経費において交付基準額が実支出済額又は確定基準額を下回るので国への返還額はないとして委託費を精算していた。

 しかしながら、上記実績報告書においては、国への返還額が生じないように委託契約書に示された交付基準額を適宜変更して記入していたり、実支出済額を過大に計上していたり、確定基準額の計算を誤っていたりしていた。この結果、人件費の交付基準額は112,459,400円、実支出済額は139,318,818円、確定基準額は108,015,000円となるので委託費対象額は108,015,000円となり、交付基準額との間に4,444,400円の差額を生ずるなど本件委託費の精算額は5,156,452円が過大になっていた。