昭和58年度

 第2章 所管別又は団体別の検査結果

  第2節 団体別の検査結果

   第2 日本国有鉄道

    不当事項

     工事


(126) 排水処理設備新設工事の施行に当たり、設計が適切でなかったため、工事費が不経済になったもの

科目 (工事勘定) (項)一般施設取替改良費
部局等の名称 大阪鉄道管理局
工事名 梅小路車両基地排水処理設備新設他2
工事の概要 梅小路車両基地内で発生する作業排水等の処理設備新設工事の一環として、貯留槽等を新設する工事
工事費 23,992,992円(当初契約額24,000,000円)
請負人 鉄建建設株式会社
契約 昭和58年7月 指名競争契約
しゅん功検査 昭和58年11月
支払 昭和58年12月

 この工事は、排水処理設備新設工事の施行に当たり、既設の集水槽及び排水溝の貯留能力を活用した設計により施行すべきであったのに、その配慮を欠いたため、工事費約1120万円が不経済になったと認められる。

(説明)

 この工事は、梅小路車両基地において、車両検修庫等で発生する作業排水並びに車両の洗浄に使用する洗浄線及び車両の燃料補給に使用する給油線の雨水(以下「雨水等」という。)を水質基準値(下水道法(昭和33年法律第79号)の規定に基づき、公共下水道へ放流する下水の水質については、鉱油類含有量5PPM以内に規制されている。)以内に処理するための排水処理装置設備新設工事の一環として、原水槽と貯留槽が一体構造となっている鉄筋コンクリート槽等の新設及び雨水等を流入させる既設排水溝の一部改築工事等を施行するものである。

 しかして、本件設備の排水処理方法についてみると、通常は、雨水等を既設集水槽に集め、ポンプによって浮遊油分等を一次処理するために原水槽に送り、さらに、加圧浮上装置で油分等を水質基準値以内まで除去して、公共下水道に放流するものであるが、集中豪雨時には、雨水等を一時に処理することができないため、原水槽と一体構造となっている貯留槽でいったん貯留した後、逐次原水槽に送り込むことにより処理することとしていた。
 そして、貯留槽の設計に当たって、その貯留能力については、本社制定の「排出水処理装置設備の指針」に基づき、5年確率の4時間連続最大降雨量等128m3から4時間処理水量40m3を差し引いて貯留すべき水量を88m3と算定したうえ、貯留能力を90m3(縦6.9m、横6.2m、高さ2.4m)と決定し、また、貯留槽の設置については、敷地の制約から既設の排水溝の一部が支障となるため、同排水溝のうち26.3m区間を撤去し、これに代わる排水溝22.8mを築造することとしている。

 しかしながら、本件貯留槽に雨水等を送り込む既設の集水槽及び排水溝についてみる
と、集水槽は、縦、横とも3.6m、高さ4.4m(平均有効水深2.36m)で、その貯留能力は30m3であり、また、排水溝は、平均幅0.74m、平均高さ1.64m(平均有効水深0.88m)、延長115mで、その貯留能力は75m3もあり、これらを合わせた貯留能力は計105m3となるので、集中豪雨時の雨水等を貯留するのには十分であるから、これらの設備を貯留設備として利用することとした経済的な設計とすべきであったのに、このような配慮を欠いて本件貯留槽を設置することとしたばかりでなく、上記のように、貯留槽を設置するため、既設排水溝の一部を撤去し、築造する工事までも行うこととしたのは適切とは認められない。

 いま、仮に本件排水処理設備の設置に当たり、既設の集水槽及び排水溝の貯留能力を活用することとした設計により施行したとすれば、工事費は12,730,677円となり、本件工事費は約1120万円が不経済になったと認められる。

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