昭和58年度

 第2章 所管別又は団体別の検査結果

  第2節 団体別の検査結果

   第10 住宅・都市整備公団

    本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項


長期保有に係る道路等の移管予定施設を早期に移管するよう改善させたもの

科目 (款)住宅等建設費 (項)住宅等業務諸費
(項)住宅等用地費
(款)宅地造成費 (項)宅地業務諸費
(款)宅地管理費 (項)宅地管理業務費
部局等の名称 東京、関東、関西各支社及び南多摩開発局
移管予定施設の概要 住宅建設及び都市開発事業の施行に伴い建設し、地方公共団体に移管することとなっている道路、水路、公園
長期保有となっている移管予定施設の面積
道路 水路 公園

445,883m2 29,937m2 111,620m2 587,440m2
上記に対する58事業年度の管理経費 172,538,340円

 上記の各部局において、道路、水路等地方公共団体に移管すべき公共施設(以下「移管予定施設」という。)を長期間にわたり保有しているため、移管を実施していれば負担する必要のない管理経費が昭和58事業年度では1億7253万余円に上っている。
 このように管理経費を多額に負担しているのは、住宅団地の建設等に先立って地方公共団体等と行う事前協議の際に移管予定施設についての協議指針が定められていなかったため、移管時期、範囲等についての協議が十分に行われていなかったことなどにより移管が遅れたことによるもので、速やかに適切な協議指針を定め移管予定施設の早期移管を図る要があると認められた。

上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)

 住宅・都市整備公団(以下「公団」という。)では、住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域等において集団住宅及び宅地の供給を行うため住宅建設事業等を施行しているが、これらの事業の施行に伴い建設される道路、水路及び公園については、それらが公共の用に供される施設であることから、施設の存する地方公共団体に無償で、又は事業施行地区内の旧道路、水路等と交換する方法により移管することとしている。そして、これら移管予定施設については、住宅団地の建設又は宅地の造成に先立って、住宅団地等の存する地方公共団体等と当該住宅団地の建設又は宅地の造成計画について協議する際にその移管時期、範囲等についても協議することとしている。この場合、新住宅市街地開発法(昭和38年法律第134号。以下「新住法」という。)に基づく開発事業地区内のものについては、工事完了公告の日の翌日においてその施設の存する市町村の管理に属することとなっているが、工事完了に先立ってこれら市町村と行う移管予定施設の処分計画についての協議において、移管時期を別途公団が通知する日と定めたときは、その定めた日としている。

 しかして、本院が昭和59年中に、東京ほか3支社等において保有している移管予定施設のうち、最終住棟を管理開始した住宅団地内及び新住法の規定により工事完了公告がなされた造成地区内の移管予定施設の移管状況について調査したところ、住宅団地建設前に行うこととされている地方公共団体等との移管時期、範囲等についての協議が十分でないばかりか、これら施設の完成後においても交換に供する移管予定施設に係る図書類の整備が遅延していることや、移管予定施設の面積が旧施設の面積に比べ不足していたりしていることのため交換手続が遅延していたり、移管の実施についての意見調整に日時を要している間に地方公共団体から新たな移管条件が提示されることとなって更に意見の調整がつかなかったり、新住法に基づく地区について処分計画の協議の際移管時期を別途公団が通知する日と定めたものの地方公共団体の受入体制が整わないため、この通知を行わなかったりなどしていて移管が遅延したまま1年から25年の長期間にわたって保有しているものが、牧の原住宅団地ほか16住宅団地及び光明池造成地区ほか1造成地区において道路445,883m2、水路29,937m2、公園111,620m2、計587,440m2見受けられた。そして、この間これらの施設についての固定資産税、維持管理費等の管理経費を負担しており、その額は58事業年度でみても固定資産税及び都市計画税1192万余円、維持管理費1億6061万余円、計1億7253万余円となっている。しかし、これらの施設は公共の用に供する施設として既に機能を発揮しているものであるから、公団においてこれを長期間にわたって保有し、管理経費を負担していることは適切とは認められない。

 このような事態を生じているのは、地方公共団体の受入体制が不十分であることなどのため移管の実施についての意見の調整がつかないことにもよるが、公団において、各支社等が地方公共団体等と移管についての事前協議を行う際に準拠すべき適切な協議指針が定められていないため、住宅の建設又は宅地の造成計画についての協議に重きを置き、移管予定施設の移管時期、範囲等についての協議等が不十分であったこと、公団本社において、これらの実態を把握しておらず、適宜、的確な指導監督をしていなかったことなどによるもので、速やかに協議指針を定め、早期移管に努める要があると認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、住宅・都市整備公団では、昭和59年11月、移管予定施設の円滑な移管を図るための協議指針として「住宅建設に関連する道路等の整備に係る協議について」及び「都市開発事業における公共施設の引継ぎについて」の通達を発し、同種事態の再発防止を図る処置を講じるとともに、現在未移管となっている上記施設については、各支社等に対して指導を強化し、移管業務を促進するなどの処置を講じた。

 

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