繭糸価格安定制度について

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繭糸価格安定制度について

　蚕糸砂糖類価格安定事業団（以下「事業団」という。）は、農林水産省の監督の下に、生糸の売買等を通じて繭及び生糸の価格安定の制度を実施するための業務を行っている。
　しかして、近年、いわゆる着物離れの傾向などから絹の国内需要は減少を続け、一方、供給面で、繭の生産調整等が需要の減退に見合うまでにならなかったことから、生糸は供給過剰基調が続き、糸価の低迷が続いて、事業団は国産生糸の買入れを行うだけとなり、在庫量は増大し、在庫期間も長期化している。その結果、多額の支払利息、保管料等が生じ、事業団の繭糸価格中間安定等勘定の昭和５８事業年度末の損失額累計は１３８億０４５５万余円の多額に上っていて、事業団の財政の現状は危機的様相を呈しており、このまま放置すると、過剰在庫の整理は困難となるばかりでなく、今後更に在庫量は増大し、損失は著増することになる。
　そこで、本制度の問題点及び事業団の財政の現状について、農林水産省の項に「特に掲記を要すると認めた事項」 として掲記した。