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  • 昭和59年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第1節 所管別の検査結果|
  • 第6 運輸省|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

自動車損害賠償責任再保険事業に関する統計表の作成に必要なデータを損害保険会社等から磁気テープで受領するよう改善させたもの


(2) 自動車損害賠償責任再保険事業に関する統計表の作成に必要なデータを損害保険会社等から磁気テープで受領するよう改善させたもの

会計名及び科目 自動車損害賠償責任再保険特別会計(業務勘定)  (項)業務取扱費
部局等の名称 運輸本省
契約名 自動車損害賠償責任再保険統計業務
契約の概要 損害保険会社等から提出された再保険金請求明細書等に記載されている特定項目について入力データを作成し、電子計算機により処理して、各種統計表を作成する業務を部外に委託するもの
委託費 33,350,000円
契約の相手方 日本電子計算株式会社
契約 昭和59年4月 随意契約
支払 昭和60年4月

 上記の業務委託に当たり、損害保険会社等から所要のデータを磁気テープで受領することとすれば、これを統計表作成のための入力データとして使用することができるのに、この方法によらなかったため、委託費が約990万円不経済になっていた。
 このような不経済な事態を生じたのは、業務を経済的に行う配慮が十分でなかったことなどによるもので、損害保険会社等の協力を得て、所要のデータを磁気テープで受領して電子計算機で処理することにより、業務の合理化を図る要があると認められた。

 上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)
 運輸省では、損害保険会社及び全国共済農業協同組合連合会(以下「損保会社等」という。)から自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済の契約成立の通知、再保険金の支払請求等のために提出された保険契約通知総括表、再保険金請求明細書等に記載されている特定項目について、磁気テープを媒体として入力データを作成し、電子計算機で処理して、会社別集計表、車種別集計表、性別年齢別支払保険金集計表等の統計表を作成する業務を、日本電子計算株式会社に委託しており、その委託費として昭和59年度に33,350,000円を支払っている。

 しかして、上記の業務のうち、再保険金の支払請求合計93万余件の入力データの作成業務(委託費相当額2096万余円)について調査したところ、再保険金請求明細書を提出している損保会社等の多くは損害保険業務を電算化していて、この明細書に記載されている上記再保険金支払諸求に係るデータのほとんどすべては、損保会社等において既に電子計算機に記録されているものであるから、上記の業務委託に当たって、損保会社等が保有しているこれらのデータを、所定のコード、形式等に従って記録された磁気テープで受領して入力データとして使用することとしたとすれば、本件の業務委託において、新たに磁気テープを媒体として入力データを作成する要はなかったと認められた。

 いま、仮に本件の業務委託に当たり、電算化している損保会社等から所要のデータを記録した磁気テープを受領して統計表を作成することとしたとすれば、これに伴い損保会社等において必要と見込まれるプログラム変換のための初度経費約600万円及び毎年度の運営経費約500万円を同省が負担することとしたとしても、委託費を59年度は約990万円(60年度以降は毎年度約1590万円)節減することができたと認められた。

 上記についての本院の指摘に基づき、運輸省では、60年11月に、損保会社等と折衝を行って、所要のデータを磁気テープで受領することに関して基本的合意に達し、61年4月からこれらの磁気テープに記録されたデータを電子計算機により処理することとする処置を講じた。