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  • 昭和59年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第1 日本国有鉄道|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

工業用水供給契約の基本使用水量を適切なものに改善させたもの


(3) 工業用水供給契約の基本使用水量を適切なものに改善させたもの

科目 (損益勘定) (項)保守費
部局等の名称 (1) 新幹線総局博多総合車両部
(2) 仙台鉄道管理局仙台工場
(3) 大阪鉄道管理局吹田工場
契約の概要 車両の検査、修繕及び清掃の際に使用するため工業用水の供給を受けるもの
契約の相手方 (1) 福岡市水道事業管理者
(2) 宮城県公営企業管理者
(3) 大阪府水道企業管理者
支払額 (1) 63,480,000円(昭和58、59両年度)
(2) 43,713,800円(同)
(3) 26,290,626円(同)
計 133,484,426円

 上記の各部局において、工業用水供給契約の基本使用水量が適切でなかったため、工業用水に係る支払額が約6900万円過大になっていた。
 このように支払額が過大になっていたのは、工業用水の供給を受けるに当たり、基本使用水量を見直しする配慮が足りなかったことによるもので、適切な指針を示して基本使用水量を使用実績に即した適切なものに改める要があると認められた。
 上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)

 日本国有鉄道では、総合車両部、車両工場等において、新幹線又は在来線電車等の検査、修繕及び清掃の際に使用する工業用水の供給を受けているが、この工業用水の供給については、工業用水道事業法(昭和33年法律第84号)に基づき地方公共団体である工業用水道事業者が定めている工業用水の供給規程等により、給水を受けようとする者(以下「使用者」という。)は、工業用水道事業の管理者(以下「管理者」という。)に1日当たりの予定使用水量を定めて給水の申込みをし、管理者はこれに基づいて基本使用水量を決定することとなっており、その料金については、使用者が1日に使用した水量が基本使用水量に満たない場合であっても、基本使用水量を使用したものとして、基本使用水量に1m3 当たりの料金を乗じて支払うこととなっている。
 しかして、博多総合車両部、仙台工場及び吹田工場で契約している工業用水の昭和58、59両年度における基本使用水量と使用実績について、本院が管理者の給水記録によって調査したところ、次のとおり工業用水の基本使用水量が適切とは認められない点が見受けられた。

(1) 博多総合車両部では、基本使用水量を1,920m3 とし、構内に設置した容量2,106m3 の受水槽で1時間当たり70m3 程度で工業用水の供給を受け、必要に応じて同総合車両部内の車両の修繕職場、新幹線電車の検査庫等へ給水している。そして、同総合車両部の使用実績についてみると、1日当たり使用水量は最低108m3 から最高1,377m3 で、58、59両年度別の1日当たり平均使用水量はそれぞれ906m3 、986m3 となっていて、基本使用水量との間に相当な開差が見受けられる状況である。

(2) 仙台工場では、基本使用水量を2,600m3 とし、構内に設置した容量3,000m3 の受水槽で1時間当たり100m3 程度で工業用水の供給を受け、必要に応じて同工場内の車両の修繕職場、運転所内の新幹線電車の検査庫等へ給水している。そして、同工場の使用実績についてみると、1日当たり使用水量は最低23m3 から最高920m3 で、58、59両年度別の1日当たり平均使用水量はそれれぞれ323m3 、469m3 となっていて、基本使用水量との間に相当な開差が見受けられる状況である。

(3) 吹田工場では、基本使用水量を1,560m3 とし、構内に設置した容量600m3 の地下受水槽で1時間当たり35m3 で工業用水の供給を受け、必要に応じて同工場内の車両の修繕職場へ給水している。そして、同工場の使用実績についてみると、1日当たり使用水量は最低45m3 から最高1,258m3 で、58、59両年度別の1日当たり平均使用水量はそれぞれ689m3 、556m3 となっていて、基本使用水量との間に相当な開差が見受けられる状況である。

 したがって、上記各部局において工業用水の供給を受けるに当たっては、工業用水の使用実績を十分に把握するとともに、一時的な使用水量の増こうに対しては受水槽の貯留水の利用を図るなどして、基本使用水量を適切なものに改定すべきであったと認められる。

 いま、仮に、上記各部局の58、59両年度における月別の1日平均使用水量のうちの最大使用水量に若干の余裕を見込んで基本使用水量を設定したとすれば、博多総合車両部は1,150m3 、仙台工場は600m3 、吹田工場は960m3 となり、これにより工業用水の供給を受けたとして料金を計算すると、支払額を約6900万円(博多総合車両部2530万円、仙台工場3360万円、吹田工場1000万円)節減できたと認められる。

 上記についての本院の指摘に基づき、日本国有鉄道では、60年11月に「工業用水の供給について」の通達を発して、工業用水供給契約の基本使用水量を使用水量の実績に基づいて適切なものにするよう新幹線総局及び各工場等へ連絡するとともに、上記各部局では管理者と協議し、博多総合車両部では61年4月以降の基本使用水量を1,150m3 に、仙台工場では61年4月以降の基本使用水量を東北、上越両新幹線電車の検査、修繕両数の増加を見込んで770m3 に、吹田工場では60年9月以降の基本使用水量を960m3 にそれぞれ変更することとする処置を講じた。