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  • 昭和60年度|
  • 第2章 所管別又は団体別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第13 日本電信電話株式会社|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

料金収納消込作業の請負契約に当たり、証票の様式を工夫するなどして経費を節減するよう改善させたもの


(2) 料金収納消込作業の請負契約に当たり、証票の様式を工夫するなどして経費を節減するよう改善させたもの

科目 昭和59年度(注) (損益勘定) (項)営業費
昭和60年度 営業費用
部局等の名称 昭和59年度(注) 浦和、横浜、長野、京都、大阪、松山、福岡、札幌各電信電話料金局
昭和60年度 浦和、横浜、信越各料金事務センタ、京都、大阪、四国、九州、北海道各料金センタ
契約名 料金収納消込作業請負契約16件
契約の概要 各金融機関等から送付される電話料金等の領収済通知書、振替通知書、振替不能伝票の受入れ、開封、検査及び光学文字読取装置で読み取りできない領収済通知書等の数字を書き写す作業を請け負わせるもの
契約の相手方 財団法人電気通信共済会、九州資料計算株式会社、北海道通信ビジネス株式会社
契約 昭和59年3月及び4月(注) 随意契約(単価契約)
昭和60年3月及び4月(注) 同 (同) 
支払額 昭和59年度(注) 380,737,719円
昭和60年度 412,340,722円

793,078,441円
(注) 旧日本電信電話公社に係るもの

 上記の各部局では、各料金収納消込作業の請負契約に当たり、領収済通知書等の様式に対する配慮が十分でなかったため、これらに記載された領収額等を用紙に書き写す作業に係る経費約6240万円が不経済になっていた。
 このような事態になっているのは、領収済通知書等に記載された領収額等をパンチャーが処理するためにはいったん用紙に書き写さなければパンチできないと考えて、上記の請負契約に係る仕様書でこの書き写しの作業を行うことにしていたことによるもので、領収済通知書等の様式を適切なものに改め、直接これらからパンチすることにより経費の節減を図る要があると認められた。

 上記に関し当局に指摘したところ、改善の処置が執られた。

(説明)

 日本電信電話株式会社(旧日本電信電話公社)では、関東ほか5総支社(旧電気通信局)(注1) 管内の料金センタ及び料金事務センタ(旧電信電話料金局、以下これらを「料金センタ」という。)に料金収納消込システムを設置して電話料金等の入金処理を集中的に行うことにしており、各金融機関等から送付される領収済通知書、振替通知書及び振替不能伝票(以下「証票」という。)は、光学文字読取装置(以下「読取装置」という。)で自動的に処理し入力することとしている。そして、この入金処理のうち、各金融機関等から送付される証票の受入れ、開封及び検査の作業並びに読取装置で読み取りできない証票について加入者の電話番号、料金月及び領収額の数字を手書きで用紙に書き写す作業(以下「コーディング」という。)を請負により実施している。 なお、このコーディングしたものをパンチヤーがパンチして磁気テープに記録する作業は別途請負契約により行わせている。
 しかして、昭和59、60両年度中に実施している上記料金収納消込作業の請負契約16件(積算額59年度3億8479万余円、60年度4億2657万余円、計8億1136万余円)について検査したところ、次のとおり請負作業の工程に適切でないと認められる点が見受けられた。

 すなわち、各総支社で定めた証票の様式をみると、加入者の電話番号、料金月及び領収額が表示されているばかりでなく、更に読取装置で読み取りできる数字で表示されているが、料金センタでは、用紙の折れなどのため読取装置で読み取りできない証票については、コーディングをしなければパンチできないものと考え、証票に記載されている領収額等を作業員がコーディングを行うよう上記の請負契約に係る仕様書に明記していた。
 しかしながら、証票からコーディングを行うのは加入者の電話番号、料金月及び領収額だけであるから、パンチを必要とする箇所をあらかじめ着色するなど証票の様式を工夫し、その内容をパンチヤーに分かりやすいようにすれば、殊更コーディングを行うことなく、証票から直接パンチさせることができたと認められる。
 したがって、上記の方法により処理することとすれば、料金センタで受け入れた証票の数量、59年度3731万余枚、60年度4088万余枚のうち、読取装置で読み取りできないもの59年度171万余枚、60年度218万余枚についてはコーディングを行う必要はなく、コーディングに係る経費59年度約2720万円、60年度約3520万円、計約6240万円が節減できたと認められる。

 上記についての本院の指摘に基づき、関東ほか5総支社では、証票の様式を直接パンチしやすいように工夫し、料金センタ(注2) 等では、これによりコーディングを省くよう仕様書を変更し、61年9月、10月又は11月以降実施することとする処置を講じた。

 (注1)  関東ほか5総支社(旧電気通信局) 関東、信越、関西(旧近畿)、四国、九州、北海道各総支社(旧電気通信局)

 (注2)  料金センタ等  浦和、横浜両料金事務センタにおける料金収納消込作業の請負契約は、61年4月以降関東料金総合センタが行っており、これを含む。