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  • 昭和60年度|
  • 第3章 会計事務職員に対する検定

国の現金出納職員に対する検定


第1節 国の現金出納職員に対する検定

(概況)

 昭和60年11月から61年10月までの間に、所管庁から現金出納職員の保管する現金の亡失についての通知を受理したものは906件349,010,284円である。これに繰越し分345件35,170,747円を加え、処理を要するものは1,251件384,181,031円であり、そのうち上記の期間内に処理をしたものは911件225,075,168円である。
 処理を要するもの及び処理をしたものの所管別内訳は、次表のとおりである。

国の現金出納職員に対する検定の図1

 処理をしたもののうち、現金出納職員に弁償責任があると検定したものは23件3,344,604円、現金出納職員に弁償責任がないと検定したものは14件19,446,470円である。その他の874件202,284,094円は、現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額が既に補てんされているもの868件96,212,560円、現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について国と現金出納職員との間に裁判上の和解が成立しているものなど6件106,071,534円である。

(検定したものの説明)

 弁償責任があると検定したものの概要は次のとおりである。

(1) 東京郵政局管内荒川郵便局出納員清水某が、昭和59年12月24日、局外において簡易生命保険の新規契約の申込者から全期前納保険料を受領しながら、その一部の受入手続をしただけで3,233,370円を領得したもの

(2) 近畿郵政局管内西舞鶴郵便局出納員北野某が、昭和57年1月7日、為替貯金窓口において現金の受払事務に従事中、繰替払現金30,000円を亡失したものなど、出納員が窓口等において現金の受払事務に従事中、取扱上の過誤により現金を亡失したもの22件111,234円

 次に、弁償責任がないと検定したものは、金庫が破壊されるなどして保管していた現金を窃取されたもの及び凶器等を所持した賊に脅迫され保管していた現金を強取されたもので、いずれも現金出納職員として善良な管理者の注意を怠ったことによるものでないと認めたものである。