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  • 昭和62年度|
  • 第3章 会計事務職員に対する検定

国の現金出納職員に対する検定


第1節 国の現金出納職員に対する検定

(概況)

 昭和62年11月から63年10月までの間に、所管庁から現金出納職員の保管する現金の亡失についての通知を受理したものは1,076件199,882,931円である。これに繰越し分553件135,259,565円を加え、処理を要するものは1,629件335,142,496円であり、そのうち上記の期間内に処理をしたものは1,046件230,676,362円である。
 処理を要するもの及び処理をしたものの所管別内訳は、次表のとおりである。

国の現金出納職員に対する検定の図1

 処理をしたもののうち、現金出納職員に弁償責任があると検定したものは2件33,374,574円、現金出納職員に弁償責任がないと検定したものは14件66,514,826円である。その他の1,030件130,786,962円は、現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額が既に補てんされているもの1,022件82,603,660円、現金出納職員が現金を亡失したことによって生じた損害の全額について国と現金出納職員との間に裁判上の和解が成立しているものなど8件48,183,302円である。

(検定したものの説明)
 弁償責任があると検定したものの概要は次のとおりである。

(1) 近畿郵政局管内平田郵便局分任繰替払等出納官吏北岸某が、昭和59年8月22日から62年2月13日までの間に、補助者が行った架空の貸付請求等について十分審査することなく支払決定をしたため、補助者に保険貸付金等20,270,346円を領得されたもの

(2) 中国郵政局管内防府郵便局出納員三芳某が、昭和59年9月25日及び62年1月19日、局外において定額郵便貯金証書を預金者から預かり、その払戻しの依頼があったように装って交付を受けた定額郵便貯金払戻金13,104,228円を領得したもの

 次に、弁償責任がないと検定したものは、夜間侵入した賊によって金庫が破壊されるなどし、保管していた現金を窃取されたもの、及び凶器を所持した賊に脅迫され、保管していた現金を強取されたもので、いずれも現金出納職員として善良な管理者の注意を怠ったことによるものでないと認めたものである。