ページトップ
  • 昭和63年度|
  • 第2章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第4 厚生省|
  • 昭和62年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項に対する処置状況

老人医療における特例許可外老人病院の把握について


(2) 老人医療における特例許可外老人病院の把握について

(昭和62年度決算検査報告参照)

 厚生省では、老人保健法(昭和57年法律第80号)等の規定に基づき、市町村が老人保健事業の一環として行う医療に係る費用の一部を負担しており、この医療を担当する病院の診療報酬の基準を定めた「老人保健法の規定による医療に要する費用の額の算定に関する基準」(以下「老人医療費算定基準」という。)等において、毎年の1月から3月までの間における老人収容比率の平均値が100分の60以上になっているなどの病院については、特例許可外老人病院として一般病院に比べて診療報酬を低く設定しているが、都道府県において、各病院に対する指導が十分でなく、また、老人収容比率を把握するための調査もほとんど行っていないことなどのため、老人収容比率の平均値が100分の60以上になっていて特例許可外老人病院に該当するのに一般病院についての診療報酬により医療費を過大に請求していた不適切な事態が見受けられたので、同省において、都道府県に対して各病院への老人医療費算定基準等を遵守させるための指導を一層強化させるとともに、国民健康保険団体連合会等の審査機関に提出されている診療報酬請求書記載のデータを基に調査を行うなど老人収容比率の具体的な把握の方法を定めて都道府県に示し、もって老人保健法等の適正な運用を図る要があると認め、昭和63年12月に是正改善の処置を要求した。
 これに対し、厚生省では、本院指摘の趣旨に沿い、平成元年3月に都道府県に対し通知を発して、都道府県に、各病院への老人医療費算定基準等を遵守させるための指導を一層強化させるとともに、審査機関に老人収容比率の把握に必要な情報の提供を求め、その情報を活用することにより適切な実態把握をさせるなどして、老人保健法等の適正な運用を図る処置を講じた。