• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第1 内閣府(内閣府本府)
  • 不当事項
  • 補助金
  • (2)補助の対象とならないもの

デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装タイプTYPE1)及びデジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE1)により実施した事業の交付対象事業費に対象とならない費用を含めていたもの[内閣府本府、3県](7)―(10)


(4件 不当と認める国庫補助金 29,350,316円)

デジタル田園都市国家構想推進交付金及びデジタル田園都市国家構想交付金(以下、これらを合わせて「交付金」という。)は、地方からデジタルの実装を進めることなどで、新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくことなどを目的として、「デジタル田園都市国家構想推進交付金制度要綱」(令和4年府地創第63号)、「デジタル田園都市国家構想交付金制度要綱」(令和5年府地創第414号等。以下、これらを合わせて「制度要綱」という。)等に基づき、地方公共団体が作成したデジタル田園都市国家構想推進交付金実施計画、デジタル実装タイプ実施計画(以下、これらを合わせて「実施計画」という。)等に基づく事業の実施に要する費用に充てるために、国が地方公共団体に対して交付するものである。

制度要綱等によれば、交付対象事業は、デジタルを活用した地域の課題解決や魅力向上に向けて、他の地域等で既に確立されている優良モデル・サービスを活用した実装の取組を行う事業(以下「デジタル実装タイプTYPE1」という。)等とされており、交付金の補助率は2分の1等とされている。

「令和3年度補正予算デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装タイプTYPE1)の取扱いについて」(令和4年内閣府地方創生推進室・デジタル庁事務連絡別添)等によれば、デジタル実装タイプTYPE1における交付対象事業費は、地域の個性を活かしたサービスを地域・暮らしに実装する事業の立ち上げに要する経費とされており、サービス利用者のシステムの操作を補助するための支援員の人件費や委託費も対象経費として認められるとされている。また、サービスの実装について、内閣府本府は、交付対象事業に係る事業実施年度中にシステムを導入するなどして、デジタルを活用したサービスを提供するものであるとしている。そして、交付決定日より前に、地方公共団体と事業者等との間で契約を締結することはできないこととされている。さらに、地方公共団体は、交付対象事業に係る事業実施年度末までの期間及び事業実施年度後の2か年の期間(以下、これらを合わせて「実施計画期間」という。)について実施計画を作成することとされており、実施計画期間を超えた期間に係る費用は、交付金の交付の対象とならないこととされている。

そして、事業主体が都道府県である場合、内閣府本府は都道府県から実績報告書等の提出を受け、また、事業主体が市町村(特別区を含む。以下同じ。)である場合、都道府県は市町村から実績報告書等の提出を受け、それぞれ交付金の額の確定に当たってその内容を審査することとなっている。

本院が、19道県及び254市町村において会計実地検査を行ったところ、1県、3市、計4事業主体において、サービス利用者のシステムの操作を補助するためのものではない費用、交付対象事業に係る事業実施年度中に導入されていないシステムの運用に要する費用、交付決定日より前に締結した委託契約に係る費用、又は実施計画期間を超えた期間に係る費用を交付対象事業費に含めていた。これらのため、交付金相当額計29,350,316円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、3事業主体(注1)において交付金の制度に対する理解が十分でなかったこと、1事業主体(注2)において交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、内閣府本府及び3県において交付金の額の確定時の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

(注1)
3事業主体  宮城県、小郡、熊本両市
(注2)
1事業主体  秦野市

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

福岡県小郡市は、令和5年度から7年度までを実施計画期間として、「書かない窓口」を実現するためのシステムを構築し、同システムの操作を補助するための窓口業務のアウトソーシングを行うことで住民サービスの向上、滞在時間の短縮等を図ることを目的とする「異動受付支援事業」に係る実施計画を作成している。そして、同市は、5年度に、当該実施計画に基づくシステムの構築、窓口業務のアウトソーシング等を事業費61,510,623円(交付対象事業費同額)で実施したとして福岡県に実績報告書等を提出し、同県による審査を経て、交付金の額の確定を受け、これにより交付金30,755,311円の交付を受けていた。

しかし、同市は、窓口業務のアウトソーシングに係る委託契約において、同システムの運用が開始される前である5年8月から6年2月までの間、従前は職員が担当していた来庁者対応等の窓口業務を実施させるなどしていた。このため、事業費のうち当該業務に係る費用21,904,477円は、同システムの操作を補助するためのものではない費用であった。

したがって、上記の21,904,477円を除いて適正な交付対象事業費を算定すると、39,606,146円となり、これに係る交付金相当額は19,803,073円となることから、交付金交付額30,755,311円との差額10,952,238円が過大に交付されていた。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
摘要
          千円 千円 千円 千円  
(7)
内閣府本府
宮城県
デジタル田園都市国家構想推進交付金
4
11,222 5,611 5,045 2,522
実施計画期間を超えた期間に係る費用を交付対象事業費に含めていたもの
(8)
神奈川県
秦野市
4
41,745 20,872 10,376 5,188
交付決定日より前に締結した委託契約に係る費用を交付対象事業費に含めていたもの
(9)
福岡県
小郡市
デジタル田園都市国家構想交付金
5
61,510 30,755 21,904 10,952
サービス利用者のシステムの操作を補助するためのものではない費用を交付対象事業費に含めていたもの
(10)
熊本県
熊本市
デジタル田園都市国家構想推進交付金
4
36,831 18,415 21,374 10,687
交付対象事業に係る事業実施年度中に導入されていないシステムの運用に要する費用を交付対象事業費に含めていたものなど
(7)―(10)の計
151,309 75,654 58,700 29,350