• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第1 内閣府(内閣府本府)
  • 不当事項
  • 補助金
  • (2)補助の対象とならないもの

地域就職氷河期世代支援加速化交付金により実施した事業の交付対象事業費に対象とならない費用を含めていたもの[内閣府本府](11)


(1件 不当と認める国庫補助金 2,340,000円)

地域就職氷河期世代支援加速化交付金(以下「交付金」という。)は、先進的・積極的に就職氷河期世代への支援に取り組む地方公共団体等を支援することなどを目的として、「地域就職氷河期世代支援加速化事業実施要綱」(令和2年府政経運第43号)等に基づき、就職氷河期世代に特化した相談支援等を行う地域就職氷河期世代支援加速化事業(以下「交付対象事業」という。)の実施に要する費用(以下「交付対象事業費」という。)の一部を国が都道府県等に対して交付するものである。

地域就職氷河期世代支援加速化交付金交付要綱(令和2年府政経運第44号)によれば、都道府県等は交付金の交付決定通知を受ける前(以下「交付決定前」という。)に交付対象事業に着手する必要がある場合には、あらかじめ内閣総理大臣に対して地域就職氷河期世代支援加速化交付金交付決定前着手申請書等(以下「交付決定前着手申請書等」という。)を提出し、その承認を受けて着手することができることとされている。また、「地域就職氷河期世代支援加速化交付金に関するQ&A(第6版)」(令和2年地域就職氷河期世代支援加速化事業推進室事務連絡)等によれば、交付決定前の事業着手に関して、委託事業者との契約については事業着手に当たるとされている。

本院が、17都道府県及び19市区において会計実地検査を行ったところ、1市において、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
交付金事業者
(事業主体)
交付金事業
年度
交付対象事業費
左に対する交付金交付額
不当と認める交付対象事業費
不当と認める交付金相当額
          千円 千円 千円 千円
(11)
内閣府本府
堺市
地域就職氷河期世代支援加速化交付金
3、4 3,120 2,340 3,120 2,340

堺市は、令和3年度及び4年度に、職業的な自立に向けた就労支援を目的とする「堺市ユースサポートセンター(堺サポステ)事業」を実施するとして、交付申請書を3年度分は3年3月23日に、4年度分は4年3月18日にそれぞれ内閣府本府に提出し、同府の審査を経て、これらにより3年4月1日及び4年4月1日にそれぞれ同府から交付金の交付決定を受けていた。そして、同市は、就職氷河期世代の相談支援に係る経費として3年度1,560,000円(交付対象事業費同額)、4年度1,560,000円(交付対象事業費同額)をそれぞれ要したとして同府に実績報告書を提出し、同府の審査を経て、交付金の額の確定を受け、これにより計2,340,000円の交付金の交付を受けていた。

しかし、同市は、交付決定日である3年4月1日及び4年4月1日より前の2年3月24日に委託契約を締結して交付対象事業に着手していた。そして、当該契約は、2年4月1日から5年3月31日までの3か年を履行期間とした契約となっていて、その事業費のうち、3、4両年度における就職氷河期世代の相談支援に係る経費を3、4両年度の交付対象事業費として計上していた。また、同市は、同府に対して交付金の交付決定前着手申請書等を提出しておらず、その承認を受けていなかった。

したがって、3、4両年度におけるそれぞれの交付対象事業費1,560,000円の計3,120,000円は全額が交付金の交付の対象とは認められず、これに係る交付金計2,340,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、同府において交付金の交付申請時等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。