(1件 不当と認める国庫補助金 1,257,000円)
放課後児童健全育成事業は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)、「「放課後児童健全育成事業」の実施について」(平成27年雇児発0521第8号。以下「実施要綱」という。)等に基づき、市町村(特別区を含む。以下同じ。)及び一部事務組合が実施主体となり、小学校に就学している児童であって、その保護者が労働等により昼間家庭にいない者に、放課後等に安心して生活できる居場所を確保するとともに、次代を担う児童の健全な育成を支援することを目的とするものである。放課後児童健全育成事業については、実施要綱において事業の種類が複数定められており、そのうち本件事業と同じ名称である放課後児童健全育成事業(以下「健全育成事業」という。)は、放課後児童クラブにおいて児童に適切な遊び及び生活の場を与えるものである。
そして、国は、市町村に対して、子ども・子育て支援交付金(放課後児童健全育成事業に係る分)(以下「交付金」という。)を交付して、放課後児童健全育成事業に要する費用の一部を補助している。
実施要綱等によれば、健全育成事業における支援の提供が同時に1人又は複数の利用者に対して一体的に行われるものを一の支援の単位(以下、この単位を「支援単位」という。)とすることとされている。そして、開所する日数については、原則として年間250日以上開所することとされ、開所する時間については、小学校の授業の休業日(以下「長期休暇等」という。)に行う場合は1日8時間以上とすることなどとされている。
「子ども・子育て支援交付金の交付について」(平成28年府子本第474号内閣総理大臣通知)等によれば、交付金の交付額は、次のとおり算定することとされている。
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そして、基準額のうち、健全育成事業に係る基準額は、支援単位ごとに次の額等を合算して算定することとされている。
① 支援単位を構成する児童の数により算出される一の支援単位当たりの年額
② 年間開所日数により算出される開所日数加算額
③ 一定の開所時間を超える時間の年間平均時間数により算出される長時間開所加算額
また、③の長時間開所加算額のうち長期休暇等に係る分については、次のとおり算出することとなっている。
市町村は、交付金に係る事業実績報告書を都道府県に提出し、都道府県は、その内容を審査することとされている。
本院が、東京都の1区において会計実地検査を行ったところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 |
交付金事業者 (事業主体) |
交付金事業 |
年度 |
事業費 |
左に対する交付金交付額 |
不当と認める事業費 |
不当と認める交付金相当額 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
| (13) | 東京都 |
葛飾区 |
子ども・子育て支援交付金(放課後児童健全育成) |
3 | 800,665 | 266,887 | 3,770 | 1,257 |
葛飾区は、令和3年度に、89支援単位において、健全育成事業等を実施したとして、放課後児童健全育成事業に係る基本額を計800,665,775円として東京都に事業実績報告書を提出して、これにより交付金計266,887,000円の交付を受けていた。
しかし、同区は、交付金の交付額の算定に当たり、健全育成事業に係る基準額のうち長期休暇等に係る長時間開所加算額の算定について、実際に開所していた土曜日及び長期休暇期間の開所時間数及び開所日数を基にして1日当たりの平均開所時間数を算出する必要があったのに、89支援単位全てにおいて、土曜日の開所時間数及び開所日数を含めることなく、長期休暇期間の開所時間数及び開所日数のみにより算出するなどしていた。そして、このうち61支援単位においては、土曜日及び長期休暇期間の1日当たりの開所時間数が同じであったため、1日当たりの平均開所時間数の算出に影響がなかった。一方、28支援単位においては、長期休暇期間の1日当たりの開所時間数よりも土曜日の1日当たりの開所時間数が短かったことから1日当たりの平均開所時間数が過大に算出されており、長時間開所加算額が過大に計上されていた。
その結果、3年度の適正な基本額を算定すると計796,895,125円となることから、前記の基本額800,665,775円との差額3,770,650円が過大となっており、これに係る交付金1,257,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同区において実施要綱等の理解が十分でなかったこと、東京都において事業実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。