• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第1 内閣府(消費者庁)
  • 不当事項
  • 補助金

地方消費者行政強化交付金により実施した事業の交付対象経費を過大に精算していたもの[消費者庁](16)


会計名及び科目
一般会計 (組織)消費者庁 (項)消費者政策費
部局等
消費者庁
補助の根拠
予算補助
交付金事業者
(事業主体)
大阪府
交付金事業
地方消費者行政強化交付金事業
交付金事業の概要
地域の消費者の安全で安心な消費生活の実現及び地域の活性化に資することを目的として、都道府県等の消費者行政の推進等のために必要な経費を対象として交付金を交付するもの
事業費
44,400,000円(令和元年度~6年度)
上記に対する交付金交付額
44,400,000円
不当と認める事業費
13,587,239円(令和元年度~6年度)
不当と認める交付金相当額
13,587,239円

1 交付金の概要

地方消費者行政強化交付金(以下「交付金」という。)は、地方消費者行政強化交付金交付要綱(平成30年消教地第73号。以下「交付要綱」という。)等に基づき、消費者問題解決力の高い地域社会作りなどによる消費者行政推進に向けた地方公共団体の取組等を支援することにより、地域の消費者の安全で安心な消費生活の実現及び地域の活性化に資することを目的として、国が、都道府県等の消費者行政の推進等のために必要な経費を対象として交付するものである。

交付要綱等によれば、上記地方公共団体の取組のうち「地域社会における消費者問題解決力の強化に関する事業」の交付対象経費は、消費生活相談員等の雇入れ等の経常的な経費を除いた事業の実施に必要な経費とされている。

大阪府は、「地域社会における消費者問題解決力強化に関する事業」として、高齢者を見守る家族等を対象とした啓発のために、同府の主要施策等を紹介する広報紙(以下「広報紙」という。)に高齢者がだまされやすい最新の手口の紹介等の啓発記事を掲載する事業(以下「本件事業」という。)を実施している。

同府は、各年度に、広報紙の制作、広告の掲載等の業務に係る委託契約を民間事業者との間で締結している。当該民間事業者は、広告の掲載を希望する者に広告枠の販売を行い、広告の掲載数に応じた額を広告掲載料として同府へ納付することになっている。そして、同府は、広告掲載料について、広報紙の発行に要する費用の一部を賄うために徴するものとしており、同府の各年度の予算書等において、同費用に充てるものとして計上している。

また、同府においては、広報紙に記事の掲載を希望する部署は、広報紙の発行担当部署に対して、記事の掲載に係る予算の所属替えを行うことになっており(以下、所属替えに係る予算額を「予算所属替額」という。)、予算所属替額は、平成24年度の広報紙の発行に要した費用等を基に設定された単価により算出されたものとなっている。

2 検査の結果

本院は、合規性等の観点から、交付対象経費の算定が適切に行われているかなどに着眼して、消費者庁及び同府において、実績報告書等の関係書類を確認するなどして会計実地検査を行った。

検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

同府は、本件事業の担当部署から広報紙の発行担当部署に対して、本件事業の啓発記事の掲載に係る予算の所属替えを行って、令和元年度から6年度までの本件事業に係る交付対象経費が当該予算所属替額の計44,400,000円であったなどとして、各年度の実績報告書を同庁に提出し、同庁による審査を経て、同額で交付金の額の確定を受けていた。

しかし、同府が各年度の本件事業に係る交付対象経費として計上した額は、本件事業の啓発記事が掲載された広報紙の広告掲載料の額を控除したものとなっておらず、また、平成24年度の広報紙の発行に要した費用等を基に設定された単価により算出された予算所属替額であったことから、実際に事業の実施に必要な経費の額となっていなかった。

したがって、本件事業の啓発記事が掲載された広報紙の発行に実際に要した費用の額から、広告掲載料の額を控除した上で、実際の紙面の利用割合を乗じて各年度の適正な交付対象経費を算定すると計30,812,761円となり、前記の交付対象経費44,400,000円との差額13,587,239円が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額13,587,239円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同府において交付対象経費についての理解が十分でなかったこと、同庁において交付金の額の確定時の審査が十分でなかったことなどによると認められる。