• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第1 内閣府(こども家庭庁)
  • 不当事項
  • 補助金

子どものための教育・保育給付交付金の経理が不当と認められるもの[2都県](18)(19)


所管、会計名及び科目
内閣府及び厚生労働省所管
年金特別会計(子ども・子育て支援勘定)(令和7年度以降は、子ども・子育て支援特別会計(子ども・子育て支援勘定))
(項)子ども・子育て支援推進費
部局等
2都県
交付の根拠
子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)
交付金事業者
(事業主体)
2市区
交付金事業
子どものための教育・保育給付交付金事業
交付金事業の概要
市町村が民間保育所等に対して支弁する施設型給付費等の支給等に要する費用の一部を交付するもの
事業費
50,254,916,540円(令和5年度)
上記に対する交付金交付額
27,617,654,096円
不当と認める事業費
48,730,517円
不当と認める交付金相当額
27,420,908円

1 交付金の概要

子どものための教育・保育給付交付金(以下「交付金」という。)は、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号。以下「法」という。)等に基づき、小学校就学前の子どもの保護者が教育・保育給付の認定を受けた場合の当該子ども(以下「給付認定子ども」という。)に対して社会福祉法人等が設置する保育所や認定こども園等(以下、これらを合わせて「民間保育所等」という。)が教育又は保育を実施する際に、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が当該民間保育所等に対して支弁する施設型給付費等の支給等に要する費用の一部について国が交付するものである。

交付金の交付額は、「子どものための教育・保育給付交付金の交付について」(令和5年こ成保第51号)等に基づき、次のとおり算定することとなっている。

  • 交付金の交付額
  • 交付対象事業費
  • ×
  • 国庫負担率
  • 交付対象事業費
  • 費用の額
  • 利用者負担額
  • (注1) 国庫負担率  令和5年度は1/2又は58.23/100

上記費用の額は、次のとおり、基本分単価や各種加算の額等に、各月の初日の給付認定子ども数を乗ずるなどして算出した年間の合計額によることとなっている。

  • 費用の額
  • 子ども1人当たりの月額単価
  • ×
  • 各月の初日の
    給付認定子ども数
  • ×
  • 12月
  • 子ども1人当たりの月額単価
  • 基本分単価
  • 各種加算の額等
  • (注2) 基本分単価  民間保育所等の所在地域、利用定員、給付認定子どもの年齢等の別に1人当たり月額で定められている単価

そして、各種加算には、建物の整備・改修に当たって施設整備費又は改修費等の国庫補助金を受けていないなどの施設等に該当する場合に計上する減価償却費加算等がある。

給付認定子どものうち、満3歳未満の保育認定を受ける子ども(満3歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある保育認定を受ける子どもを含む。以下「3号認定子ども」という。)の利用者負担額は、法等に基づき、3号認定子どもに係る保護者(その者及びその者と同一の世帯に属する者が市町村民税世帯非課税者である場合を除く。)の前年度分又は当年度分の市町村民税額等に応じて、階層別及び年齢区分別に子ども1人当たり月額で定められている上限額と内閣総理大臣が定める基準により年齢区分等別に月ごとに算定した子ども1人当たりの額のいずれか低い額により算出した額の年間の合計額によることとなっている。

また、市町村は、交付金に係る事業実績報告書を都道府県に提出し、都道府県は、その内容を審査することとなっている。

2 検査の結果

本院は、合規性等の観点から、交付対象事業費の算定は適切に行われているかなどに着眼して、22都道府県の106事業主体において、令和5年度に交付された交付金を対象として、事業実績報告書等の書類により会計実地検査を行った。

検査したところ、次のア及びイのとおり、適切とは認められない事態が見受けられた。

ア 福岡県の1事業主体において、建物の改修に当たり、施設整備費等の国庫補助金の交付を受けていて加算の要件を満たしていなかったのに、誤って減価償却費加算を計上していたことから費用の額を過大に算定していた。

イ 東京都の1事業主体において、3号認定子どもの人数を誤って実際の人数より少なく計上していたことなどから利用者負担額を過小に算定するなどしていた。

これらのため、交付対象事業費が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額計27,420,908円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、交付対象事業費の算定に当たり、1事業主体において費用の額の算定の際に加算の要件を満たしているかの確認が十分でなかったこと、1事業主体において利用者負担額の算定の際に確認が十分でなかったこと、2都県において事業実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

東京都港区は、令和5年度の3号認定子どもに係る分の交付対象事業費を2,842,265,120円と算定するなどしていた。

しかし、同区は、交付対象事業費の算定に当たり使用していた表計算ソフトに誤った計算式を入力していたため、利用児童数を実際の150人より51人少ない99人としていたことなどから、3号認定子どもに係る利用者負担額を過小に算定するなどしていた。

このため、交付対象事業費46,418,047円が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額26,175,524円が過大となっていた。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。

 
部局等
交付金事業者
(事業主体)
交付金事業
年度
事業費
左に対する交付金交付額
不当と認める事業費
不当と認める交付金相当額
摘要
          千円 千円 千円 千円  
(18)
東京都
港区
子どものための教育・保育給付交付金
5 4,384,753 2,426,295 46,418 26,175
利用者負担額の算定を誤っていたものなど
(19)
福岡県
福岡市
5 45,870,162 25,191,358 2,312 1,245
減価償却費加算を誤って計上していたもの
(18)(19)の計 50,254,916 27,617,654 48,730 27,420