1件 不当と認める国庫補助金 47,147,000円
情報通信利用促進支援事業費補助金(利用者向けデジタル活用支援推進事業)は、情報通信利用促進支援事業費補助金交付要綱(平成20年総情促第28号)等に基づき、情報通信技術を用いた情報の活用(以下「デジタル活用」という。)に係る機会又は必要な能力における格差を是正するために、デジタル活用に関する支援を要する者に対し、デジタル活用による行政手続におけるサービスその他のデジタル活用による国民生活におけるサービスの利用方法に関する助言、相談その他の必要な支援を行う事業(以下「デジタル活用事業」という。)の費用を助成する事業を行う補助事業者に対して、国が交付するものである。そして、補助金の交付を受けた補助事業者は、デジタル活用事業を実施する間接補助事業者(事業主体)に対して、事業の実施に要する経費の全部又は一部を補助している。
本院が15事業主体において会計実地検査を行ったところ、1事業主体において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 |
補助事業者 |
間接補助事業 者 (事業主体) |
補助事業 |
年度 |
補助対象 事業費 |
左に対す る国庫補 助金交付 額 |
不当と認 める補助 対象事業費 |
不当と認 める国庫 補助金相 当額 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
| (34) | 総務本省 |
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社 |
株式会社HONKI |
利用者向けデジタル活用支援推進事業 |
4、5 |
274,926 | 237,527 | 83,757 | 47,147 |
株式会社HONKI(以下「会社」という。)は、デジタル活用事業であるスマートフォンを利用したオンライン行政手続等に関する助言・相談等を行う講習会として、令和4年度に36事業を事業費計51,101,834円(補助対象事業費同額、国庫補助金交付額44,958,000円)、5年度に146事業を事業費計223,825,150円(補助対象事業費同額、国庫補助金交付額192,569,000円)、両年度計182事業を事業費合計274,926,984円(補助対象事業費同額、国庫補助金交付額計237,527,000円)で実施していた。
補助事業者が定めて総務大臣の承認を受けた4、5両年度の情報通信利用促進支援事業費補助金交付規程等によれば、補助対象事業費は、人件費、委託費及びその他諸経費とされていて、スマートフォンのレンタル料等をその他諸経費として計上できることとされている。
会社は、4、5両年度の実績報告書において、講習会で使用するスマートフォンをレンタルするなどしたとして、これらに要したとする経費(4年度計13,605,420円、5年度計70,152,200円、合計83,757,620円)をそれぞれ補助対象事業費に計上した実績報告書等を補助事業者に提出し、補助事業者による審査を経て、補助金の額の確定を受け、これにより補助金の交付を受けていた。
しかし、会社は、実際には、4、5両年度に実施した182事業において、既に保有するなどしていたスマートフォンを利用して講習会を実施しており、スマートフォンをレンタルするなどしたとする虚偽の発注書等を作成するなどして、これらを証拠書類として実績報告書に添付していた。
したがって、上記の182事業について、スマートフォンのレンタル等に要したとする経費を控除して適正な補助対象事業費を算定すると計191,169,364円となり、補助対象事業費274,926,984円との差額83,757,620円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額47,147,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、会社において補助事業の適正な実施に対する認識が著しく欠けていたこと、補助事業者において実績報告書等の審査及び会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。