• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第5 文部科学省
  • 不当事項
  • 補助金

(1) 認定こども園施設整備交付金が過大に交付されていたもの[熊本県](58)


1件 不当と認める国庫補助金 1,947,000円

認定こども園施設整備交付金(以下「交付金」という。)は、認定こども園施設整備交付金交付要綱(平成27年文部科学大臣裁定。以下「交付要綱」という。)等に基づき、子供を安心して育てることができる体制の整備を促進することを目的として、都道府県(間接補助事業等においては市町村(特別区を含む。以下同じ。))が行う認定こども園の施設整備事業に係る経費の一部に充てるために、国が都道府県に対して交付するものである。そして、交付要綱等によれば、交付金の交付対象事業は、学校法人等が設置する認定こども園等において教育を実施する部分の改造等を行う事業に対して、都道府県(間接補助事業等においては市町村)が補助金等を交付する事業とされている。

交付要綱等によれば、交付金の交付対象経費は、本体工事費、解体撤去工事費等とされており、このうち本体工事費は、工事請負費、工事事務費、実施設計に要する経費等とされている。ただし、外構工事(門、フェンスの設置等の防犯対策を除く。)に要する経費は、交付対象経費としないこととされている。また、工事事務費、実施設計に要する経費等については、交付金の内定額の提示(以下「内定」という。)を受ける前に契約したものは交付対象経費としないこととされている。そして、交付金の交付額は、次のとおり算定することとされている。

① 本体工事費、解体撤去工事費等ごとの基準額と各種加算額を、認定こども園等において教育を実施する部分に係る定員数に応じて定められた額を用いるなど所定の方法により算出して合計する(以下、合計した額を「交付基礎額」という。)。

② 交付対象経費の実支出額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して、いずれか少ない方の額に国の負担割合2分の1を乗ずるなどした額(以下「選定額」という。)を算出する。

③ ①の交付基礎額と②の選定額を比較して、いずれか少ない方の額を交付額とする。

本院が、10都道県、18市区町及び1学校法人において会計実地検査を行ったところ、1学校法人において次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
交付対象事業の種別
年度
交付金交付額
左のうち不当と認める額
摘要
            千円 千円  
(58)
熊本県
熊本県
八代市

学校法人八
代聖愛学園
(事業主体)
認定こども園整備
元、2 36,140 1,947
交付対象経費とならない交付金の内定前に締結した契約に係る経費等を含めて交付対象経費を算出していたもの

学校法人八代聖愛学園は、令和元、2両年度に、認定こども園の改造を行う事業を実施し、八代市に事業実績報告書等を提出して、同市による審査を経て交付金を原資とする同市の補助金の交付を受けていた。

そして、同市は、交付基礎額58,488,000円と、同法人から提出された事業実績報告書等に基づく交付対象経費の実支出額72,280,412円により算出した選定額36,140,000円とを比較して、少ない方の額である36,140,000円を交付額と算定し、同額の交付金の交付を受けていた。

しかし、同法人は、交付金の内定を受けた元年6月より前の平成31年3月に設計業者との間で締結した契約に係る実施設計に要する経費1,453,950円及び工事事務費739,382円並びに防犯対策に該当しない外構工事に要する経費1,701,069円が交付対象経費とならないのに、これらを含めて事業実績報告書等を提出していた。

したがって、上記の交付対象経費とならない経費計3,894,401円を除いた適正な交付対象経費の実支出額68,386,011円により交付金の交付額を算定すると34,193,000円となることから、前記の交付額との差額1,947,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同法人において交付金の交付対象経費についての理解が十分でなかったこと、同市において同法人から提出された事業実績報告書等の審査及び同法人に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。