• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第5 文部科学省
  • 不当事項
  • 補助金

(5) 学校施設環境改善交付金が過大に交付されていたもの[東京都](74)(75)


2件 不当と認める国庫補助金 24,511,000円

学校施設環境改善交付金(以下「交付金」という。)は、義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律(昭和33年法律第81号)等に基づき、地方公共団体が作成する公立の義務教育諸学校等の施設の整備に関する施設整備計画によって実施される施設整備事業に要する経費に充てるために、国が地方公共団体に対して交付するものである。

学校施設環境改善交付金交付要綱(平成23年文部科学大臣裁定。以下「交付要綱」という。)等によれば、施設整備計画に記載された事業のうち交付金の算定の対象となる事業(以下「交付対象事業」という。)の種別は、学校給食の開設又は改善充実に必要な施設設備の新築又は増築を行う事業(以下「学校給食施設新増築事業」という。)、学校給食の実施に必要な施設設備で構造上危険な状態にあるものなどの改築を行う事業(以下「学校給食施設改築事業」といい、これらの事業を合わせて「学校給食施設整備事業」という。)、ラグビー競技を実施できるスポーツ施設の整備に関する事業(以下「ラグビー場整備事業」という。)等とされている。

交付金の交付額は、交付要綱等に基づき、交付対象事業ごとに文部科学大臣が定める方法により算出した配分基礎額に交付対象事業の種別に応じて同大臣が定める割合(以下「算定割合」という。)を乗ずるなどして得た額と、交付対象事業に要する経費の額(以下「交付対象工事費」という。)に算定割合を乗じて得た額のうち、少ない方の額の合計額を基礎として算定することとなっている。このうち、配分基礎額については、配分基礎額を算定する際の基礎となる面積(以下「配分基礎面積」という。)を算定して、これに交付対象事業の種別に応じて定められた単価を乗ずるなどの方法により算定することとなっている(参照)。

図 交付額の算定方法

図 交付額の算定方法画像

そして、「学校施設環境改善交付金の配分基礎額の算定方法等について」(令和2年文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部施設助成課長通知)等によれば、学校給食施設整備事業に係る配分基礎面積は、学校給食の実施に必要な施設の床面積であって、原則として、当該施設の整備を行う年度(複数年度にわたって整備を行う場合は事業実施初年度)の5月1日現在において、当該学校給食を実施する学校に在学する児童又は生徒の数(以下「生徒数」という。)に応じて定められた面積(以下「基準面積」という。)を限度とすることとされている。

また、ラグビー場整備事業については、配分基礎額と交付対象工事費は同額とすることとなっており、このうち交付対象工事費については、1施設当たりの上限額が人工芝新築工事230,000,000円、防球ネット新築工事50,000,000円等と対象工事ごとに定められていて、これらの対象工事ごとに工事費と上限額とを比較して少ない方の額を合計した額とすることとなっている。

そして、市町村(特別区を含む。)等は、実績報告書等を都道府県等に提出し、都道府県等は、その内容を審査することとなっている。

本院が、20都道府県及び114市区町村において会計実地検査を行ったところ、東京都の1区において、実際の生徒数を上回る生徒数を用いて配分基礎面積等を算定していたため、配分基礎額等が過大に算定されていた。また、東京都の1区において、工事費を上回る上限額により交付対象工事費を算定していたため、交付対象工事費が過大に算定されていた。これらの結果、交付金計24,511,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2区において交付金の交付額の算定方法についての理解が十分でなかったこと、東京都において2区から提出された実績報告書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事業主体別に示すと次のとおりである。

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
交付対象事業
の種別
年度
交付金の
交付額
不当と認
める交付
金の交付額
摘要
          千円 千円  
(74)
東京都
江東区
学校給食施設新増築事業、学校給食施設改築事業
2~4
483,590 6,830
実際の生徒数を上回る生徒数を用いて配分基礎面積等を算定していたもの

江東区は、令和2年度から4年度までの間に、第二大島中学校の学校給食施設整備事業等31事業を実施して、交付金計483,590,000円の交付を受けていた。

同区は、同中学校の学校給食施設整備事業の実施に当たり、元年度に実施した生徒数の推計に基づき、事業実施初年度である2年度の生徒数を239人とし、基準面積を213㎡としていた。

しかし、2年5月1日現在における実際の生徒数は184人であったため、基準面積を170㎡とすべきであった。

したがって、基準面積を170㎡とした適正な配分基礎面積に基づくなどした配分基礎額等により交付金の交付額を算定すると計476,760,000円となることから、交付金計6,830,000円が過大に交付されていた。

(75)
東京都
江戸川区
ラグビー場整備事業
2、3
124,566 17,681
工事費を上回る上限額により交付対象工事費を算定していたもの

江戸川区は、令和2、3両年度に、葛西ラグビースポーツパークの人工芝新築工事等4工事を行うラグビー場整備事業を実施して、交付金124,566,000円の交付を受けていた。

同区は、本件事業の実施に当たり、実績報告において、対象工事ごとに工事費と上限額とを比較することなく、対象工事の工事費の合計額を基に算出した401,841,000円が、対象工事ごとの上限額の合計額370,000,000円を上回っていることから、上限額の合計額に基づいて交付対象工事費を算定していた。

しかし、対象工事ごとに工事費を確認したところ、人工芝新築工事では工事費が177,481,700円となっていて、当該工事に係る上限額230,000,000円を下回っていた。

したがって、対象工事ごとに工事費と上限額とを比較して、少ない方の額を合計した適正な交付対象工事費317,481,000円により交付金の交付額を算定すると106,885,000円となることから、交付金17,681,000円が過大に交付されていた。

(74)(75)の計 608,156 24,511