• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第6 厚生労働省
  • 不当事項
  • 補助金

(4) 新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)(新型コロナウイルス感染症重点医療機関等設備整備事業に係る分)が過大に交付されていたもの[大阪府](98)―(104)


7件 不当と認める国庫補助金 136,196,000円

新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金(医療分)(新型コロナウイルス感染症重点医療機関等設備整備事業に係る分)は、「令和2年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の交付について」(令和2年厚生労働省発医政0430第1号・厚生労働省発健0430第5号。以下「交付要綱」という。)等に基づき、新型コロナウイルス感染症重点医療機関(注)等において、新型コロナウイルス感染症患者に高度かつ適切な医療を提供するために必要な設備整備を支援することにより、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制を整備することを目的として、国が都道府県に対して交付するものである。

(注)
新型コロナウイルス感染症重点医療機関  新型コロナウイルス感染症患者専用の病院や病棟を設定する医療機関として都道府県が指定する医療機関

交付要綱等によれば、この交付金の交付の対象は、都道府県が行う事業及び民間団体等で都道府県が適切と認める者が行う事業に対して都道府県が補助する事業に要する経費とされている。このうち、都道府県が補助する事業に係る交付金の交付額は、次のとおり算定することとされている。

① 所定の基準額と対象経費の実支出額とを比較して少ない方の額を選定する。

② ①により選定された額と総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額に交付金の交付率(10分の10)を乗じて得た額と、都道府県が補助した額とを比較して少ない方の額を交付額とする。

また、本件事業の整備対象設備は、新型コロナウイルス感染症への対応として緊急的に整備する超音波画像診断装置、血液浄化装置、気管支鏡、CT撮影装置等、生体情報モニタ、分娩監視装置及び新生児モニタとされており、整備対象設備の種類ごとに、1台当たりの補助上限額(CT撮影装置等については1台当たり66,000,000円等)が定められている。

そして、都道府県は、事業主体から提出された事業実績報告書等を審査した上で、交付金を原資とする補助金を事業主体に対して交付することとなっている。

本院が、大阪府及び1事業主体において会計実地検査を行うとともに、同府の6事業主体については関係書類の提出を受けるなどして検査したところ、7事業主体において、整備対象設備1台当たりの補助上限額を超えて交付金が算定されていたため、交付金計136,196,000円が過大に交付されており、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、7事業主体において制度の理解が十分でなかったこと、同府において事業実績報告書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

医療法人橘会東住吉森本病院(以下「東住吉森本病院」という。)は、令和3年度に、CT撮影装置等2台を購入したなどとして、大阪府から交付金を原資とする同府の補助金156,305,000円(交付金交付額同額)の交付を受けていた。

しかし、東住吉森本病院は、交付要綱等に基づき、CT撮影装置等1台ごとに対象経費の実支出額と1台当たりの補助上限額とを比較する方法によるべきであったのに、誤って、購入した2台の対象経費の実支出額143,000,000円及び7,700,000円の計150,700,000円と1台当たりの補助上限額66,000,000円に購入台数2台を乗じた額132,000,000円とを比較する方法によっていた。このため、対象経費の実支出額が143,000,000円である1台については、1台当たりの補助上限額を超えて交付金が交付される結果となっていた。

したがって、CT撮影装置等1台ごとに対象経費の実支出額と1台当たりの補助上限額とを比較すると、CT撮影装置等2台の対象経費に係る交付額は、66,000,000円及び7,700,000円の計73,700,000円となる。そして、これにより、適正な交付金の交付額を算定すると、上記の73,700,000円にCT撮影装置等以外の対象経費に係る交付額である24,305,000円を加えた98,005,000円となることから、前記交付金の交付額156,305,000円との差額58,300,000円が過大に交付されていた。

以上を事業主体別に示すと、次のとおりである。

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
(事業主体)
年度
交付金交付額
不当と認める交付金交付額
摘要
          千円 千円  
(98)
大阪府
大阪府
医療法人清翠会(牧病院)(注)
2
95,990 7,480
1台当たりの補助上限額を超えて交付金が交付されていたもの
(99)
医療法人橘会(東住吉森本病院)
3
156,305 58,300
(100)
社会医療法人同仁会(耳原総合病院)
2
121,489 1,100
(101)
独立行政法人国立病院機構近畿中央呼吸器センター
2
193,755 45,100
(102)
学校法人関西医科大学(関西医科大学総合医療センター)
2
117,632 2,805
(103)
柏原市(市立柏原病院)
2
122,869 16,500
(104)
医療法人恵生会(恵生会病院)
3
104,846 4,911
(98)―(104)の計 912,886 136,196  
  • (注) 令和6年1月1日以降は社会医療法人ONE FLAG牧病院