1件 不当と認める国庫補助金 4,245,087円
生活基盤施設耐震化等交付金は、地方公共団体等が行う水道施設及び保健衛生施設等の耐震化の取組や老朽化対策、水道事業の広域化の取組を支援することにより、国民生活の基盤を強化し、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与することを目的として、国が地方公共団体等に対して交付するものである。
本院が、18都道府県の120事業主体において会計実地検査を行ったところ、1県の1事業主体において、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 |
補助事業者等 |
間接補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 |
年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額 |
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
| (121) | 福岡県 |
福岡県 |
宗像地区事務組合 |
生活基盤施設耐震化等交付金 |
3、4 |
37,075 (36,762) |
12,254 | 12,735 (12,735) |
4,245 |
宗像地区事務組合は、宗像市池田地内において、水道施設の老朽化した通水管等を更新及び耐震化するために、水管橋工、管路の埋設工等を実施していた。
このうち水管橋工は、下部構造として重力式橋台2基の築造、上部構造としてステンレス製の通水管(内径200㎜、橋長14.05m)の製作、架設等を実施したものである(参考図1参照)。
同組合は、本件水管橋の設計を「水管橋設計基準(耐震設計編)」(日本水道鋼管協会編。以下「設計基準」という。)等に基づき行うこととしている。そして、本件工事の設計業務を設計コンサルタントに委託し、設計図面、設計計算書等の成果品を検査して受領した上で、この成果品に基づき施工することとしていた。
設計基準によれば、水管橋の設計に当たっては、落橋防止システムとして、支承縁端距離(注1)を確保するとともに、落橋防止構造及び横変位拘束構造(注2)を設けることとされている。このうち、落橋防止構造は、鋼材を用いて上部構造と下部構造を連結するもので、通水管が接続されている伸縮可とう管からの漏水を防止し通水管の通水機能を確保するとともに、上部構造が容易に落下しないようにするために設置するものである(参考図2参照)。
しかし、同組合は、本件水管橋の設計に当たり、落橋防止システムが必要とされる右岸側橋台において、支承縁端距離を確保するとともに、橋座部に横変位拘束構造を設置していたものの、落橋防止構造を設置していなかった(参考図1参照)。
したがって、本件水管橋の通水管等(工事費相当額12,735,263円、交付対象事業費同額)は、設計が適切でなかったため、地震時における所要の安全度が確保されていない状態となっており、これに係る交付金相当額4,245,087円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同組合において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのにこれに対する検査が十分でなかったことなどによると認められる。
水管橋の概念図
落橋防止構造の概念図