• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第6 厚生労働省
  • 不当事項
  • 補助金

(8) 保育対策総合支援事業費補助金(保育補助者雇上強化事業に係る分)が過大に交付されていたもの[厚生労働本省](122)


1件 不当と認める国庫補助金 1,746,000円

保育対策総合支援事業費補助金(以下「国庫補助金」という。)は、地域の実情に応じた多様な保育需要に対応するために、小規模保育の設置等による保育の受皿の確保や保育の担い手となる保育人材の確保に必要な措置を総合的に講ずることで、待機児童の解消を図るとともに、子どもを安心して育てることができる環境整備を行うことを目的として、都道府県や市町村(特別区を含む。以下同じ。)が実施する保育対策総合支援事業に要する費用の一部について国が補助するものである。

「保育対策総合支援事業費補助金の国庫補助について」(平成30年厚生労働省発子1017第5号。以下「交付要綱」という。)によると、国庫補助金の交付対象事業には、保育補助者雇上強化事業、保育体制強化事業等がある。

このうち、保育補助者雇上強化事業は、「保育人材確保事業の実施について」(平成29年雇児発0417第2号)に定める「保育補助者雇上強化事業実施要綱」に基づき、保育士資格を持たない保育所等に勤務する保育士の補助を行う者(以下「保育補助者」という。)を雇い上げることにより、保育士の業務負担を軽減し、保育士の離職防止を図り、保育人材の確保を行うことを目的として、保育士の勤務環境改善に取り組んでいる保育事業者に対して、保育補助者の雇上げに必要な費用の一部を市町村等が補助するものである。そして、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」(昭和23年厚生省令第63号。以下「運営基準」という。)等に基づき都道府県知事が保育士と同等の知識及び経験を有すると認めて保育士として従事する者については、国庫補助金の対象とならないこととなっている。

交付要綱によれば、保育補助者雇上強化事業に係る国庫補助金の交付対象事業は、①民間団体等が行う事業に対して市町村が補助する事業、②①の事業(指定都市及び中核市を除く。)に対して都道府県が補助する事業等とされている。そして、②の事業は、保育事業者が行う保育補助者の雇上げに必要な費用を対象経費として、その一部を市町村が補助する事業に対して、都道府県が補助する事業として実施されており、国から都道府県に交付される保育補助者雇上強化事業に係る国庫補助金の交付額は、保育事業者の施設ごとに次のとおり算定した額の合計額とされている。

国庫補助金交付額
(e)と(f)を比較して少ない方の額
(国庫補助基本額)
×
補助率
(6/7)
(c)と(d)を比較して少ない方の額
(選定額)×(7/8)(e)
都道府県が補助した額(f)
(a)と(b)を比較して少ない方の額
(c)
総事業費から寄附金その他の収入
額を控除した額(差引額)(d)
利用定員等に応じて定められた基
準額(a)
対象経費の実支出額(b)

交付要綱等によれば、都道府県は、事業が完了したときは、保育補助者雇上強化事業に係る事業実績報告書等を国に提出し、国は、その内容を審査することとされている。

本院が、佐賀県及び同県佐賀市において会計実地検査を行ったところ、同市において、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
(事業主体)
補助事業
年度
総事業費
左に対する国庫補助金交付額
不当と認める事業費
不当と認める国庫補助金相当額
            千円 千円 千円 千円
(122)
厚生労働本省(注)
佐賀県
佐賀市
保育対策総合支援事業費補助金(保育補助者雇上強化)
4
173,239 123,904 2,385 1,746
  • (注) 令和5年4月1日以降はこども家庭庁

佐賀市は、令和4年度に実施した保育補助者雇上強化事業に係る対象経費の実支出額について、A保育園が行った保育補助者Bの雇上げに必要な費用を2,385,733円であったとして佐賀県に報告し、同県は、交付要綱等に基づき、A保育園に係る費用を国庫補助金の対象経費の実支出額に含めて173,239,696円と算定して、国に事業実績報告書を提出し、国庫補助金123,904,000円の交付を受けていた。

しかし、A保育園の保育補助者Bは、実際には、保育補助者の業務に従事しておらず、放課後児童支援員として又は運営基準等に基づき保育士として従事していたことから、Bの雇上げに係る費用は補助の対象とならないものであった。

したがって、Bの雇上げに必要な費用2,385,733円は、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額1,746,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において交付要綱等に定められた対象経費についての確認が十分でなかったこと、同県において同市から提出された報告の確認が十分でなかったこと、5年4月に国庫補助金に係る事務が移管されたこども家庭庁において事業実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。