1件 不当と認める国庫補助金 2,225,000円
保育所等整備交付金(以下「交付金」という。)は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)等に基づき、保育所等待機児童の解消を図ることを目的として、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が作成する保育所等の整備に関する計画(以下「整備計画」という。)に基づく事業等の実施に要する経費の一部に充てるために、国が市町村に対して交付するものである。そして、保育所等整備交付金交付要綱(平成30年厚生労働省発子0508第1号。以下「交付要綱」という。)等によれば、交付金の交付対象事業は、整備計画に基づき学校法人等が設置する認定こども園等において保育を実施する部分の改造等を行う事業等に対して、市町村が行う補助事業とされている。
交付要綱等によれば、交付金の交付対象経費は、本体工事費、解体撤去工事費等とされている。そして、交付金の交付額は、次のとおり算定することとされている。
① 本体工事費、解体撤去工事費等ごとの基準額と、設計料に係る加算(以下「設計料加算」という。)等の各種加算額を、認定こども園等において保育を実施する部分に係る定員数に応じて定められた額を用いるなど所定の方法により算出して合計する(以下、合計した額を「交付基礎額」という。)。各種加算額については、認定こども園等のうち、幼保連携型認定こども園等を対象として設定されているものであり、幼稚園型認定こども園については設定されていないことから、幼稚園型認定こども園の改造等を行う場合には、設計料加算を計上することができない。
② 交付対象経費の実支出額と、総事業費から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して、いずれか少ない方の額に国の負担割合2分の1を乗ずるなどした額(以下「選定額」という。)を算出する。
③ ①の交付基礎額と②の選定額を比較して、いずれか少ない方の額を交付額とする。
そして、市町村は、事業実績報告書等を都道府県に提出し、都道府県は、その内容を審査することとなっている。
本院が、熊本県、同県八代市及び1団体において会計実地検査を行ったところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。
部局等 |
補助事業者等 (事業主体) |
年度 |
交付金交付額 |
左のうち不当と認める額 |
摘要 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|
| 千円 | 千円 | |||||
| (123) | 熊本県 |
八代市 |
元、2 |
47,610 | 2,225 | 交付基礎額の算出に当たり計上することができない設計料加算を計上していたもの |
八代市は、令和元、2両年度に、八代市内の学校法人が設置する幼稚園型認定こども園の改造を行う事業に対して補助金を交付する事業を実施していた。
そして、同市は、交付基礎額47,610,000円と、当該法人から提出された事業実績報告書等に基づき算出した選定額65,859,000円とを比較して、少ない方の額である交付基礎額47,610,000円を交付額と算定し、同額の交付金の交付を受けていた。
しかし、同市は、交付基礎額の算出に当たり、幼稚園型認定こども園の改造等を行う場合には設計料加算を計上することができないのに、設計料加算2,225,000円を計上していた。
したがって、上記の設計料加算を除いた適正な交付基礎額により交付金の交付額を算定すると45,385,000円となることから、前記の交付額との差額2,225,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において交付基礎額の算出についての理解が十分でなかったこと、熊本県において同市から提出された事業実績報告書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。