• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第6 厚生労働省
  • 不当事項
  • 補助金

(12) 障害者自立支援給付費国庫負担金が過大に交付されていたもの[2府県](138)(139)


2件 不当と認める国庫補助金 32,253,151円

障害者自立支援給付費国庫負担金(以下「負担金」という。)は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(平成17年法律第123号)に基づき、障害者及び障害児の福祉の増進を図ることなどを目的として、市町村(特別区を含む。以下同じ。)が、都道府県知事等の指定する障害福祉サービス事業者等から居宅介護等の障害福祉サービス等を受けた障害者又は障害児の保護者に対して、介護給付費、訓練等給付費等(以下、これらを合わせて「自立支援給付費」という。)を支給した場合に、その支給に要する費用の一部を国が負担するものである。

負担金の交付額は、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行令」(平成18年政令第10号。以下「施行令」という。)、「障害者自立支援給付費国庫負担金交付要綱」(平成21年厚生労働省発障第0511002号)等に基づき、次のとおり算定することとなっている。

  • 負担金の交付額
  • 国庫負担対象事業費
  • ×
  • 国の負担割合(50/100)
  • ア 所定の方式によって算定した基準額
    (基準額)
  • 自立支援給付
    費の支給に要
    した費用の額
    (実支出額)
  • 寄附金その
    他の収入額
  • イ 差引額
アとイを比較して少ない方の額
(国庫負担対象事業費)

そして、上記の基準額及び実支出額は、自立支援給付費のうち、①居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援等に係る給付費(以下「居宅介護等給付費」という。)及び②居宅介護等給付費以外の給付費等(以下「その他給付費」という。)の別に、それぞれ次のとおり算定することとなっている。

① 居宅介護等給付費

居宅介護等給付費に係る基準額は、対象年度の前年度の3月から対象年度の2月までを1年度として、月ごとに所定の方式で算定した単位数を合計した数に、地域区分に応じて定められている単価等を乗ずるなどして算定した額となっており、実支出額は、負担金に係る事業実績報告書において、居宅介護等給付費に係る支出済額を計上することとなっている。そして、実支出額からは、障害者又は障害児の保護者の家計の負担能力その他の事情をしんしゃくして施行令で定める負担額等(以下「利用者負担額」という。)を控除することとなっている。

② その他給付費

その他給付費に係る基準額は、その他給付費の支給に要した費用の額等となっており、実支出額と同額が計上されることになる。そして、実支出額は、負担金に係る事業実績報告書において、その他給付費に係る支出済額を計上することとなっており、実支出額からは、利用者負担額を控除することとなっている。

なお、居宅介護等給付費及びその他給付費については、障害福祉サービス等の提供から実績額の確定までに要する期間があることから、対象年度における支出済額は、前年度の3月から当該年度の2月までの障害福祉サービス等の提供に係る額の合計額等とすることになっている。

そして、市町村は、負担金に係る事業実績報告書を都道府県に提出し、都道府県は、その内容を審査することとなっている。

本院が23都道府県の164事業主体において会計実地検査を行ったところ、負担金の交付額の算定に当たり、大阪府吹田市において、令和5年度の居宅介護等給付費及びその他給付費に係る実支出額について、5年4月から6年3月までの障害福祉サービス等の提供に係る額を基に算定するなどしていたため、実支出額が過大に計上されていた事態、及び神戸市において、4、5両年度のその他給付費に係る基準額及び実支出額について、誤って利用者負担額を控除していなかったため、基準額及び実支出額が過大に計上されていた事態が見受けられた。このため、国庫負担対象事業費が計64,506,303円過大に算定されており、これに係る負担金計32,253,151円が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、吹田市において負担金の交付額の算定についての理解が十分でなかったこと、神戸市において国庫負担対象事業費の額の確認が十分でなかったこと、大阪府及び兵庫県において事業実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

大阪府吹田市は、令和5年度の負担金の交付額の算定に当たり、同年度の居宅介護等給付費及びその他給付費に係る実支出額について、事業実績報告書の提出時点で実績額が確定していた5年3月から6年2月までの障害福祉サービス等の提供に係る額の合計額を計上すべきところ、5年4月から6年3月までの障害福祉サービス等の提供に係る額の合計額を計上していた。そして、6年3月分の額について、事業実績報告書の作成時点で実績額が確定していなかったとして、各障害福祉サービス等における5年4月分から6年2月分までの費用の額から最大値を抽出するなどして合算し、これを6年3月分の額であるとして計上していたため、実支出額が過大に計上されていた。

この結果、国庫負担対象事業費が59,040,703円過大に算定されており、これに係る負担金29,520,351円が過大に交付されていた。

以上を部局等別に示すと、次のとおりである。

 
部局等
補助事業者等(事業主体)
年度
国庫負担対象事業費
左に対する国庫負担金交付額
不当と認める国庫負担対象事業費
不当と認める国庫負担金交付額
       
千円
千円
千円
千円
(138)
大阪府
吹田市
5
10,633,971
5,316,985
59,040
29,520
(139)
兵庫県
神戸市
4、5
74,023,156
37,011,578
5,465
2,732
(138)(139)の計
84,657,127
42,328,563
64,506
32,253