(2件 不当と認める国庫補助金 9,000,000円)
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部局等
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補助事業者等
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間接補助事業者等
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補助事業等
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年度
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事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額
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不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額
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| 千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
| (165) |
農林水産本省
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一般社団法人全国農業会議所等
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福岡県
(事業主体) |
担い手育成・確保等対策事業費補助金等
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25、26
29、30 |
368,875 (368,875) |
368,875 | 6,000 (6,000) |
6,000 |
| (166) | 同 |
全国農業会議所
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長崎県
公益財団法人長崎県農林水産業担い手育成基金 (事業主体) |
農業経営対策事業費補助金
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25、26
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107,875 (107,875) |
107,875 | 3,000 (3,000) |
3,000 |
| (165)(166)の計 | 476,750 (476,750) |
476,750 | 9,000 (9,000) |
9,000 | |||||
農業次世代人材投資資金(平成28年度以前は青年就農給付金。以下「農業次世代資金」という。)に係るこれらの補助金は、持続可能な力強い農業の実現に必要な人材力の強化を図ることなどを目的として、国が一般社団法人全国農業会議所(28年3月31日以前は全国農業会議所。以下「会議所」という。)に対して交付し、都道府県又は青年農業者等育成センター(注)が事業主体となる場合には会議所を通じて都道府県等に対して交付するものである。補助金の交付を受けた事業主体は、就農に向けて研修を受ける者(以下「研修生」という。)に対して、原則として年間1,500,000円の農業次世代資金を交付している。
福岡県、及び長崎県の青年農業者等育成センターである公益財団法人長崎県農林水産業担い手育成基金(以下「長崎県基金」といい、福岡県と合わせて「2事業主体」という。)のうち、福岡県は、本件事業を事業費計368,875,000円で実施したとして、会議所を通じて同額の国庫補助金の交付を受け、九州農政局に実績報告書を提出していた。また、長崎県基金は、本件事業を事業費計107,875,000円で実施したとして、会議所及び長崎県を通じて同額の国庫補助金の交付を受けるなどして、九州農政局に実績報告書を提出していた。
2事業主体等における国庫補助金等の流れを示すと、図のとおりである。
農業人材力強化総合支援事業実施要綱(平成24年23経営第3543号農林水産事務次官依命通知。28年度以前は新規就農・経営継承総合支援事業実施要綱)等によれば、農業次世代資金の交付を受けた研修生は、研修終了後1年以内に就農する必要があり、就農しなかった場合は、農業次世代資金の全額を返還しなければならないこととされている。また、農業次世代資金の交付を受けた研修生は、農業次世代資金の交付対象となった期間の1.5倍又は2年間のいずれか長い期間(以下「要就農継続期間」という。)にわたり就農を継続しなかった場合には、農業次世代資金の全額を返還しなければならないこととされている。
しかし、福岡県における研修生2名は、研修終了後1年以内に就農していなかった。また、同県における研修生1名及び長崎県基金における研修生1名は、要就農継続期間にわたり就農を継続していなかった。
そして、2事業主体は、研修生計4名について、返還事由に該当していたのに、農業次世代資金計9,000,000円を返還させていなかった。
したがって、2事業主体が上記の4名に交付した農業次世代資金9,000,000円は補助の対象とは認められず、これらに係る国庫補助金相当額計9,000,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、福岡県及び長崎県基金において返還手続を進めることの重要性についての認識が欠けていたこと、長崎県において長崎県基金に対する指導が十分でなかったこと、九州農政局において両県に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
福岡県は、平成25、26、29、30各年度に、研修生3名に農業次世代資金計6,000,000円を交付していた。
そして、3名のうち、25年7月3日から27年6月30日までの研修期間に係る農業次世代資金計3,000,000円の交付を受けた研修生Aについては、研修終了後の28年2月1日に同県内において就農したものの、30年6月に離農しており、同県は令和元年6月までにその事実を把握していた。同人の要就農継続期間は、交付期間が24か月であることから、就農日となる平成28年2月1日から3年(36か月)後の31年1月31日までとなり、同人が離農したのはこの期間内であるため、要就農継続期間にわたり就農を継続していなかった。
また、29年4月11日から30年5月29日までの研修期間に係る農業次世代資金計1,500,000円の交付を受けた研修生B及び30年4月11日から31年4月10日までの研修期間に係る農業次世代資金計1,500,000円の交付を受けた研修生Cについては、就農することが困難であるなどとして、農業次世代資金を返還する意向である旨を研修生Bは遅くとも31年1月までに、研修生Cは令和元年8月に同県に示していた。そして、両人は、研修終了後1年以内(研修生Bは同年5月29日、研修生Cは2年4月10日まで)に就農していなかった。
これらのことから、研修生3名については、返還事由に該当していて、同県が交付した農業次世代資金を返還する必要があると認められた。
しかし、同県は、返還手続を進めることの重要性についての認識が欠けていたことから、研修生3名に交付した農業次世代資金6,000,000円について、具体的な返還に係る手続等を進めておらず、交付した農業次世代資金を返還させていなかった。