• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第1節 省庁別の検査結果
  • 第7 農林水産省
  • 不当事項
  • 補助金
  • (6) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(施設整備事業)の実施に当たり、補助金の算定が適切でなかったもの[東海農政局](175)


(1件 不当と認める国庫補助金 4,729,245円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(175)
東海農政局
三重県
三重郡菰野町
(注)四日市ポーククラスター協議会
(事業主体)
畜産・酪農収益力強化整備等特別対策
5 1,270,060
(1,090,614)
535,134 29,805
(29,805)
4,729
(注)
地域の関係者が連携し、地域一体となって畜産の収益性の向上を図るために、養豚事業者、配合飼料製造業者、三重県畜産事業協同組合等が参画する協議会

四日市ポーククラスター協議会(以下「協議会」という。)は、家畜の飼養規模の拡大等を目的として、菰野町内において、協議会の構成員である養豚事業者を収益性の向上に取り組む主体(以下「取組主体」という。)として、取組主体の家畜飼養管理施設等である一般豚舎、分娩豚舎等8施設の整備を事業費1,270,060,000円(補助対象事業費1,090,614,627円)で実施している。

畜産・酪農収益力強化総合対策基金等事業実施要領(平成28年27生畜第1621号農林水産省生産局長通知。以下「実施要領」という。)等によれば、国は、家畜飼養管理施設等の整備について、施設本体の建設に要する経費(以下「施設本体経費」という。)及び施設と一体的に整備する設備の整備に要する経費(以下「附帯設備経費」という。)を補助対象事業費として、その一部を補助することとされている。そして、一般豚舎等の一部の施設の施設本体経費については、施設の種類等ごとに、原則として1m2当たりの単価を定めた基準事業費に当該施設の面積を乗じた額を補助対象事業費の上限額(以下「補助対象上限額」という。)として、施設本体経費と補助対象上限額のいずれか低い方の額を補助対象事業費とすることとされている。

また、実施要領等によれば、補助対象上限額と比較する施設本体経費の算定に当たっては、共通仮設費、電気設備工事費等(以下、これらを「共通費等」という。)を含めないことなどとされている。このため、共通費等は附帯設備経費に含めることになる。

三重県は、本件補助事業に係る補助対象事業費の算定用に、表計算ソフトを用いて計算式を設定したシート(以下「計算シート」という。)を作成して取組主体に提供しており、取組主体は、計算シートを使用するなどして補助対象事業費を計1,090,614,627円と算定した上で、当該計算シート等を協議会に提出していた。そして、協議会は、菰野町を通じて、実績報告書、当該計算シート等を同県に提出し、同県から同町を通じて国庫補助金535,134,000円の交付を受けて、同額を取組主体に交付していた。

取組主体は、本件補助事業で整備した8施設のうち5施設に係る補助対象事業費について、施設本体経費と補助対象上限額を比較して算定しており、その結果、1施設については施設本体経費が補助対象上限額を上回るとして補助対象上限額を補助対象事業費とし、残りの4施設については施設本体経費が補助対象上限額を下回るとして施設本体経費を補助対象事業費としていた。

しかし、上記の4施設に係る補助対象上限額の算定に当たり、取組主体が同県から提供を受けて使用した計算シートには、基準事業費と当該施設の面積を入力すれば各施設の補助対象上限額が自動的に算定される計算式が設定されていたものの、基準事業費に当該施設の面積を乗じた額に、誤って更に2を乗じて補助対象上限額を算定する計算式が設定されていた。そして、取組主体は、この誤りに気付かないまま補助対象上限額を過大に算定していた。

また、取組主体は、計算シートを使用したことにより、前記の5施設に係る施設本体経費については共通費等を含めて算定する一方で、5施設に係る附帯設備経費についてはその分の共通費等を含めずに算定するなどしていた。

したがって、前記の施設本体経費を補助対象事業費としていた4施設のうち、適切に算定すると施設本体経費が補助対象上限額を上回ることとなる3施設については、当該補助対象上限額を補助対象事業費とするとともに、上記の5施設については施設本体経費に含めていた共通費等を附帯設備経費に含めて算定するなどして、本件補助事業で整備した8施設の適正な補助対象事業費を算定すると計1,060,809,511円となり、前記の補助対象事業費1,090,614,627円との差額29,805,116円が過大となっていて、これに係る国庫補助金相当額4,729,245円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、協議会において補助対象事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、同町において実績報告書等の内容についての確認が十分でなかったこと、同県において誤った計算シートを取組主体に提供するなどしていて、同町、協議会及び取組主体に対する指導が適切でなかったことなどによると認められる。