(1件 不当と認める国庫補助金 7,661,562円)
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部局等
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補助事業者
(所在地) |
間接補助事業者
(所在地) |
補助事業等
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年度
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事業費
補助対象事業費
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左に対する国庫補助金交付額
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不当と認める補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金相当額
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| 千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
| (189) | 資源エネルギー庁 |
一般社団法人環境共創イニシアチブ (東京都中央区) |
株式会社心瑛 (滋賀県近江八幡市) <事業主体> |
省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金 |
5 | 89,346 (79,419) |
52,946 | 11,492 | 7,661 |
この補助金は、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金交付要綱(20221122財資第7号)に基づき、内外の経済的社会環境に応じた安定的かつ適切なエネルギー需給構造の構築を図ることを目的として、一般社団法人環境共創イニシアチブ(以下「法人」という。)に対して交付するものである。そして、補助金の交付を受けた法人は、省エネルギー性能の高い設備等の導入(以下「設備等導入事業」という。)を実施する者に対して、これに要する経費の一部を補助している。
「令和4年度補正予算省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金公募要領」等によれば、設備等導入事業を実施する者が導入された省エネルギー設備等の検収を行うなどすることにより、設備等導入事業が完了することとされている。そして、検収に当たっては、検収チェックリストを作成して、設備及び工事に対して確実に図面との整合性等を確認し、実績報告書と共に検収チェックリスト等を法人に提出しなければならないこととされている。
また、法人は、設備等導入事業を実施する者から実績報告書等の提出を受けて、設備等導入事業の実施内容の詳細、実際に設置された設備が見積書及び発注書どおりのものであるかなどについて書面等により確定検査を行った上で、交付すべき補助金の額を確定することとされている。
事業主体は、近江八幡市内の温浴施設において、重油を燃料とする温水ボイラーを、薪を燃料とするバイオマスガス化燃焼ボイラー等(以下「本件設備」という。)で構成される省エネルギー性能の高いシステムに交換するなどのために、本件設備の設置、本件設備により加熱された水を温浴施設内の貯湯タンク等の設備に供給するための配管工事等を事業費89,346,114円(補助対象事業費79,419,299円)で実施している。
事業主体から本件設備、配管工事等の設計及び施工を請け負った業者(以下「請負人」という。)は、本件設備等の設計に当たり、建築基準法(昭和25年法律第201号)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)に基づいて工事関係図書を作成している。
そして、同施行令に基づく告示「建築設備の構造耐力上安全な構造方法を定める件」(平成12年建設省告示第1388号。以下「告示」という。)によれば、建築物に設ける給水、排水その他の配管設備は、地震等に対して安全上支障のない構造とすること、管の伸縮その他の変形により当該管に損傷が生ずるおそれがある場合において、伸縮継手等を設けるなどの有効な損傷防止のための措置を講ずることなどとされている。
また、「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」(令和4年版。国土交通省大臣官房官庁営繕部監修。以下「標準仕様書」という。)によれば、建築物導入部の配管工事に当たり、不等沈下のおそれがある場合にはフレキシブルジョイント(注)(以下「フレキシブル管」という。)を使用した方法で施工することとされている。
請負人は、本件設備に係る配管の設計に当たり、本件設備が温浴施設の基礎とは異なる基礎の上に設置されることにより地震等の発生時に各基礎が異なる挙動をする可能性があること、水平器により複数箇所を計測したところ温浴施設の基礎が低下しているように見受けられて不等沈下する可能性があることなどから、配管の損傷防止のための措置を講じなければ、地震等に対して安全上支障があり、管の伸縮その他の変形により配管が損傷するおそれがあると判断した。そこで、告示に基づく配管の損傷防止のための措置として、標準仕様書を参照の上、本件設備と温浴施設内の設備を接続する配管の建築物導入部等の2か所に伸縮継手等としてフレキシブル管を設置することとする工事関係図書を作成し、これにより施工することとしていた。
しかし、実際に温浴施設の基礎が不等沈下する可能性があることなどから、本件設備に係る配管について、損傷防止のための措置を講じなければ、地震等に対して安全上支障があり、損傷するおそれがある状況において、請負人から本件設備に係る配管工事の施工を請け負った業者が工事関係図書において設置することとなっていたフレキシブル管を設置していなかったのに、請負人は、工事関係図書どおりに施工されているかの確認を十分に行っていなかった。また、事業主体は、工事完了後に検収を行ったものの、検収チェックリストにおいて工事関係図書との整合性を確認するとしていたのに、その確認が十分でなく、フレキシブル管が設置されていないことを把握していなかった。
このように、本件設備に係る配管にはフレキシブル管が設置されておらず、告示において定められた伸縮継手等を設けるなどの有効な損傷防止のための措置が講じられていなかった(参考図参照)。
したがって、本件設備に係る配管(工事費相当額11,492,343円、補助対象事業費同額)は、施工が適切でなかったため、地震等の発生時には管の伸縮その他の変形により損傷し、本件設備により加熱した水を温浴施設内の貯湯タンク等の設備に供給できなくなるおそれがある状態となっていて、これに係る国庫補助金相当額7,661,562円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において適切に検収を行うことの重要性についての理解が十分でなかったこと、法人において適切に検収を行うことに関する事業主体への指導が十分でなかったことなどによると認められる。
本件設備に係る配管の概念図