• 令和6年度
  • 第3章 個別の検査結果
  • 第2節 団体別の検査結果
  • 第2 東日本高速道路株式会社、第3 中日本高速道路株式会社、第4 西日本高速道路株式会社
  • 意見を表示し又は処置を要求した事項

(1)―(3) 道路区域外危険箇所における土砂災害が発生する前の危険防止措置の実施に向けて、警戒区域を考慮するなどして改めて道路区域外危険箇所を選定した上で、当該箇所の管理者等を記載した道路区域外危険箇所調書を作成するとともに、管理者等との間で調整を行う際の方針等を定めるなどするよう改善の処置を要求したもの


会社名
(1) 東日本高速道路株式会社
(2) 中日本高速道路株式会社
(3) 西日本高速道路株式会社
科目
(1) 仕掛道路資産、管理費用、固定資産
(2) 仕掛道路資産、管理費用
(3) 仕掛道路資産、高速道路事業営業費用
部局等
(1) 本社、4支社
(2) 本社、4支社
(3) 本社、4支社
道路区域外危険箇所における土砂災害対策の概要
高速道路を災害から保護するなどのために、道路区域外危険箇所を可能な限り選定して、道路区域外危険箇所調書を作成した上で、管理者等による土砂災害が発生する前の危険防止措置の実施に向けた調整を行うなどするもの
道路区域外危険箇所の選定に成果品が活用されていなかったLP測量等業務の委託契約の件数及び契約金額
(1) 3件 20億0709万円(背景金額)(令和3、4両年度)
(2) 4件 9億4434万円(背景金額)(令和2年度~4年度)
(3) 5件 21億7505万円(背景金額)(令和3年度~5年度)
管理者等との間で調整を行っていれば、当該管理者等において危険防止措置が講じられることにより、発生を防ぎ又は被害を軽減することができた可能性がある土砂災害に係る復旧工事の契約件数及び契約金額
(1) 11件 3億4929万円(背景金額)(令和元、2、4、5各年度)
(2) 19件 67億2767万円(背景金額)(令和元年度~5年度)
(3) 13件 53億6082万円(背景金額)(令和元年度~5年度)

本院は、高速道路の道路区域外危険箇所における土砂災害対策の状況について、令和7年10月10日に、東日本高速道路株式会社(以下「東会社」という。)、中日本高速道路株式会社(以下「中会社」という。)及び西日本高速道路株式会社(以下「西会社」といい、東会社、中会社及び西会社と合わせて「3会社」という。)のそれぞれの代表取締役社長に対して、「高速道路の道路区域外危険箇所における土砂災害対策の状況について」として、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

これらの処置要求の内容は、3会社の検査結果に応じたものとなっているが、これを総括的に示すと次のとおりである。

1 高速道路の道路区域外危険箇所における土砂災害対策の概要

(1) 防災業務計画の概要

3会社が管理する高速自動車国道、自動車専用道路等(以下、これらを合わせて「高速道路」という。)は、地方公共団体が災害対策基本法(昭和36年法律第223号)等に基づき策定している地域防災計画等において、災害時の避難、救助、物資供給等の応急活動のための緊急輸送道路に位置付けられている重要な道路となっている。

そして、3会社は、高速道路を災害から保護するとともに、災害時の道路交通を確保して、災害時においても高速道路がその社会的役割を十分に果たすことを目的として、災害対策基本法等に基づき平成17年に策定した防災業務計画において、防災のハード対策及びソフト対策を総合的に講ずることにより、防災対策に万全を期すこととしている。また、3会社は、防災業務計画において、地すべり、土砂崩落、欠壊等が発生するおそれのある高速道路について、防護施設の設置等の必要な安全措置をあらかじめ講ずることとしている。

(2) 災害点検要領の概要

3会社は、異常気象が予想される場合や災害が発生した場合に迅速かつ安全な道路交通の確保及び円滑な災害応急対策の実施に資することを目的として、17年10月から18年6月までの間に災害点検要領を策定している。

災害点検要領によれば、3会社の支社及び高速道路の管理を行う管理事務所等は、道路区域外において土石流、斜面崩壊等の発生が懸念される箇所等の高速道路に対して危険と思われる箇所(以下「道路区域外危険箇所」という。)を可能な限り選定して、危険状況、地名、当該箇所を管理する地方公共団体等(以下「管理者等」という。)を記載した道路区域外危険箇所調書を作成することとされている。そして、管理事務所等は、道路区域外危険箇所について、管理者等との間で調整を行って、管理者等により防護施設の設置等の危険防止措置が講じられるよう努めることとされている(図表1参照)。

図表1 道路区域内外の危険防止措置の概念図

図表1 道路区域内外の危険防止措置の概念図画像

(3) 警戒区域及び土砂災害に対する危険防止措置の概要

「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」(平成12年法律第57号)等によれば、都道府県知事は、傾斜度が一定以上であるなどしていて、大雨等により土石流、急傾斜地の崩壊又は地すべり(以下、これらを合わせて「土石流等」という。)が発生した場合に住民等の生命又は身体に危害が生ずるおそれがあると認められる土地の区域等について、土砂災害警戒区域又は土砂災害特別警戒区域(以下、これらを合わせて「警戒区域」という。)に指定することができるとされている。

そして、土砂災害に対する危険防止措置には、その種類に応じて図表2のようなハード対策がある。

図表2 土砂災害に対する危険防止措置等の概要

土砂災害の種類 危険防止措置 効果 実施者
土石流 砂防えん堤等の対策施設を設置 土砂の貯留、土砂の流出の抑制、発生した土石流の捕捉等 地方公共団体等
急傾斜地の崩壊 法面に法枠工、アンカー工等を施工 急傾斜地の崩壊防止 土地の所有者等(注)
地すべり 抑制工、抑止工 地すべり運動の緩和又は停止 地方公共団体等
  • (注) 当該所有者等が実施するには技術面又は予算面において困難な場合が多いため、一般的には、地方公共団体等が代わりに実施している。

(4) LP測量等業務の概要

近年、豪雨等により道路区域外で発生した土石流等が高速道路の区域内に流入するなどして長時間にわたる通行止めが生ずるなど道路交通に支障を来す事態が各地で発生している。このような状況に鑑みて、令和元年8月に開催された国土交通省の社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会において、道路の防災・減災へ向けた具体的な施策についてレーザプロファイラ(注1)等の新技術を活用した定期的な調査による危険箇所の把握や、砂防分野と連携した土砂災害対策の立案等の必要性が示された。

これを受けて、3会社は、2年度から5年度までの間に、高速道路の中心から100mまで(全幅200m)の範囲等を基本として、レーザプロファイラを用いた測量を実施することにより三次元点群データを取得し、そのデータを基に斜面防災に関する災害リスク分析を行うことなどを目的とした航空レーザ測量等の業務(以下「LP測量等業務」という。)を実施している。

(注1)
レーザプロファイラ  航空機等からレーザ光を地表に照射し、その反射光から地形を精密に測定する技術

(5) 土砂災害が発生した箇所において3会社が実施している復旧工事

3会社は、土砂災害等の発生により高速道路及び高速道路周辺が甚大な被害を受けた場合には、高速道路の被害の拡大防止を図るとともに、最低1車線分の緊急車両の通行帯を確保するための緊急復旧を実施している。そして、緊急復旧を実施した後に道路交通の確保等を図る必要がある場合等には応急復旧を実施している。また、緊急復旧又は応急復旧を実施した後、原形に復旧するなどの災害復旧を実施している(以下、緊急復旧、応急復旧及び災害復旧のために実施する工事を「復旧工事」という。)。

2 本院の検査結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

近年、我が国では豪雨災害が激甚化、頻発化しており、緊急輸送道路としての機能を担う高速道路において、道路区域外で発生した土石流等が道路区域内に流入するなどして甚大な被害が発生している。

そこで、本院は、合規性、効率性等の観点から、災害点検要領に基づき、道路区域外危険箇所の選定及び道路区域外危険箇所調書の作成が適切に行われているか、危険防止措置が講じられるよう管理者等との調整が行われているかなどに着眼して検査した。

検査に当たっては、3会社が、土砂災害対策の一環として2年度から5年度までの間に実施したLP測量等業務の委託契約計12件、契約金額計51億2648万余円(東会社3件20億0709万余円、中会社4件9億4434万余円、西会社5件21億7505万余円)及び元年度から5年度までの間に実施した復旧工事に係る契約計43件、契約金額計124億3779万余円(東会社11件3億4929万余円、中会社19件67億2767万余円、西会社13件53億6082万余円)を対象とした。

そして、3会社の本社及び12支社(注2)において、LP測量等業務の成果品等の関係書類を確認するとともに、72管理事務所等において、道路区域外危険箇所調書等の関係書類及び現地の状況を確認するなどして会計実地検査を行った。また、上記の72管理事務所等を含む92管理事務所等から道路区域外危険箇所の選定状況等に関する調書の提出を受けて、その内容を確認するなどして検査した。

(注2)
12支社  東会社北海道、東北、関東、新潟各支社、中会社東京、名古屋、八王子、金沢各支社、西会社関西、中国、四国、九州各支社

(検査の結果)

検査したところ、次のような事態が見受けられた。

(1) 道路区域外危険箇所の選定、道路区域外危険箇所調書の作成等の状況

豪雨等により道路区域外で発生した土石流等が高速道路の区域内に流入するなどの土砂災害の発生状況を確認したところ、元年度から5年度までの間に、3会社の13管理事務所等の管内で計13件発生しており、長時間にわたる通行止めが生ずるなど道路交通に支障を来していた。

このため、道路区域外において発生した土石流等の土砂災害による高速道路への影響を防ぐには、道路区域外危険箇所の選定及び道路区域外危険箇所調書の作成を適切に行い、管理者等との間で土砂災害が発生する前に危険防止措置の実施に向けた調整を行うことが重要である。

ア 道路区域外危険箇所調書の作成状況等

管理者等との間で調整を行うに当たっては、その前提として管理者等を把握しておく必要がある。そこで、92管理事務所等において、災害点検要領に基づき管理者等を記載した道路区域外危険箇所調書が適切に作成されているか確認したところ、60管理事務所等は道路区域外危険箇所調書を作成していなかった。そして、これらの管理事務所等が道路区域外危険箇所調書を作成していない理由等を確認したところ、次の①又は②のとおりとなっていた(図表3参照)。

① 19管理事務所等は、「道路防災総点検について」(平成8年8月建設省道路局長通知)等に基づく防災カルテ(注3)等を作成している箇所がないことをもって道路区域外危険箇所に該当する箇所がないと判断して、道路区域外危険箇所調書を作成していなかった。

② 41管理事務所等は、防災カルテ等を作成している箇所があり、当該箇所を道路区域外危険箇所とみなしていたため、防災カルテ等があれば特段の支障はないと認識していて道路区域外危険箇所調書を作成していなかった。そして、防災カルテ等には管理者等の情報を記載することとなっていないため、防災カルテ等では管理者等を把握することができない状況となっていた。

また、残りの32管理事務所等は道路区域外危険箇所調書を作成しており、その記載内容等をみたところ、次の③、④又は⑤のような状況となっていた(図表3参照)。

③ 22管理事務所等は、道路区域外危険箇所調書を作成していたが、管理者等を記載していなかった。

④ 9管理事務所等は、管理者等を記載した道路区域外危険箇所調書を作成していた。

⑤ 1管理事務所等は、道路区域外危険箇所に該当する箇所がないとする道路区域外危険箇所調書を作成していた。

そして、道路区域外危険箇所があるなどとしていた②、③及び④の72管理事務所等が管理者等との間で調整を行っているか確認したところ、いずれの管理事務所等も土砂災害が発生する前の危険防止措置の実施に向けた調整を行っていなかった。

(注3)
防災カルテ  「道路防災総点検について」(平成8年8月建設省道路局長通知)に基づき、国、地方公共団体、3会社等が実施した道路防災総点検の結果、対策が必要と判断された箇所等について、所在地、着目すべき変状、点検の時期、想定される災害形態等を記載したもの。なお、「道路における災害危険箇所の再確認について」(平成18年9月国土交通省道路局事務連絡)に基づく点検等の結果を踏まえて、防災カルテの作成箇所が追加されるなどするとともに、防災カルテの更新が行われている。
会社名
検査の対象とした管理事務所等
作成していなかった
作成していた
道路区域外危険箇所に該当する箇所がないと判断していた
防災カルテ等があれば特段の支障はないと認識していた
道路区域外危険箇所に該当する箇所があるとしていた
道路区域外危険箇所に該当する箇所がないとしていた
管理者等の記載
管理者等との調整
あり なし
東会社 34
(100.0%)
32
(94.1%)
14 18 2
(5.9%)
1 あり 1
なし 1 1
中会社 24
(100.0%)
1
(4.2%)
1 23
(95.8%)
23 あり 2 2
なし 21 注(1)
21
西会社 34
(100.0%)
27
(79.4%)
4 23 7
(20.6%)
7 あり 7 注(1)
7
なし
92
(100.0%)
60
(65.2%)
① 19 ② 41 32
(34.8%)
31 あり ④ 9 9 ⑤ 1
なし ③ 22 22
  • 注(1) このうち、中会社の5管理事務所等及び西会社の2管理事務所等においては、土砂災害の被災後に危険防止措置の実施に向けた調整等は行われていた。
  • 注(2) 図表中の①から⑤までは、本文中の①から⑤までに対応している。

イ 重複区域の道路区域外危険箇所への該当状況等

警戒区域は土砂災害が発生するおそれがある区域であり、高速道路と重複する区域を含む警戒区域(以下「重複区域」という。)については、道路区域外危険箇所に該当する可能性があると考えられる(図表4参照)。

図表4 重複区域の概念図

図表4 重複区域の概念図画像

(ア) 重複区域の道路区域外危険箇所への該当状況

92管理事務所等において重複区域が道路区域外危険箇所に選定されているか確認したところ、7年6月末時点において、重複区域がなかった2管理事務所等を除いた90管理事務所等の管内の計5,603か所が重複区域となっており、このうち167か所は道路区域外危険箇所に選定されていたが、残りの5,436か所は選定されていなかった(図表5参照)。

そして、当該5,436か所に係る高速道路を管理している89管理事務所等に対して、5,436か所が道路区域外危険箇所に該当するか確認したところ、2,270か所については、土石流等の影響を受けない橋りょう区間であることなどから道路区域外危険箇所に該当しないとしていた。一方、36管理事務所等の管内の計290か所については、土砂災害が発生した場合に高速道路に対して危険が及ぶと判断される区域であり、道路区域外危険箇所に該当するとしていた。

また、88管理事務所等の管内の計2,876か所については、土砂災害が発生した場合に、高速道路の形状や土石流等の挙動等により高速道路に与える被害の程度を把握するための詳細な調査(以下「詳細調査」という。)が必要であり、現時点では当該箇所が道路区域外危険箇所に該当するかどうかを判断できないとしていた。

(イ) 道路区域外危険箇所調書の作成状況の分類別にみた重複区域の道路区域外危険箇所への該当状況

(ア)の重複区域の道路区域外危険箇所への該当状況を踏まえて、各管理事務所等における道路区域外危険箇所調書の作成状況(アの①から⑤まで)の分類別に、重複区域について、道路区域外危険箇所に該当する箇所又は詳細調査が必要な箇所があるかなどを確認したところ、次のとおりとなっていた(図表5参照)。

防災カルテ等を作成している箇所がないことをもって道路区域外危険箇所に該当する箇所がないと判断して道路区域外危険箇所調書を作成していなかった19管理事務所等(アの①)のうち、重複区域がなかった2管理事務所等を除いた17管理事務所等の管内においては、詳細調査が必要な箇所は計286か所となっていた。

また、防災カルテ等があれば特段の支障はないと認識していて道路区域外危険箇所調書を作成していなかった41管理事務所等(アの②)の管内においては、道路区域外危険箇所に該当する箇所が計171か所、詳細調査が必要な箇所が計1,820か所あり、防災カルテ等が作成されている箇所以外にも道路区域外危険箇所に該当する箇所又は詳細調査が必要な箇所が見受けられた。

このほか、道路区域外危険箇所調書を作成している32管理事務所等(アの③、④及び⑤)のうち重複区域の全てが道路区域外危険箇所に選定されていた1管理事務所等を除いた31管理事務所等の管内においても、道路区域外危険箇所に選定している箇所以外に道路区域外危険箇所に該当する箇所又は詳細調査が必要な箇所が見受けられた。

図表5 重複区域の道路区域外危険箇所への該当状況

(東会社)

(単位:か所)



管理事務所等名









土砂災害の種類 計 注(1)











うち道路区域外危険箇所に選定されていた箇所
うち道路区域外危険箇所に選定されていなかった箇所
道路区域外危険箇所に該当するかどうかの確認結果
該当する
詳細調査が必要
該当しない


1 室蘭管理事務所 13 13 (3) 13 8 5
2 北広島管理事務所 7 2 9 (―) 9 6 3
3 札幌管理事務所 24 8 6 38 (6) 38 26 12
4 旭川管理事務所 11 2 13 (―) 13 9 4
5 帯広管理事務所 5 1 6 (―) 6 5 1
6 青森管理事務所 30 8 2 40 (8) 40 1 37 2
7 盛岡管理事務所 20 3 1 24 (8) 24 22 2
8 北上管理事務所 9 15 2 26 (3) 26 24 2
9 仙台管理事務所 23 14 4 41 (11) 41 40 1
10 福島管理事務所 21 1 1 23 (6) 23 19 4
11 郡山管理事務所 5 5 (1) 5 1 4
12 八戸管理事務所 13 1 3 17 (7) 17 3 14
13 秋田管理事務所 11 4 1 16 (4) 16 12 4
14 仙台東管理事務所 16 16 (5) 16 15 1
15 山形管理事務所 34 5 39 (8) 39 28 11
16 鶴岡管理事務所 1 4 5 (―) 5 5
17 いわき管理事務所 15 3 2 20 (5) 20 17 3
18 会津若松管理事務所 5 5 (1) 5 5
19 京浜管理事務所 10 115 2 127 (49) 127 85 42
20 宇都宮管理事務所 21 16 37 (―) 37 32 5
21 加須管理事務所 (―)
22 三郷管理事務所 1 1 (1) 1 1
23 千葉管理事務所 2 2 (―) 2 1 1
24 市原管理事務所 10 10 (2) 10 6 4
25 東京湾アクアライン管理事務所 4 16 1 21 (1) 21 1 18 2
26 谷和原管理事務所 3 3 (―) 3 3
27 水戸管理事務所 5 1 6 (2) 6 6
28 所沢管理事務所 4 5 2 11 (5) 11 2 9
29 高崎管理事務所 19 9 1 29 (4) 29 5 20 4
30 長野管理事務所 84 30 15 129 (39) 129 1 85 43
31 湯沢管理事務所 65 43 6 114 (27) 114 2 102 10
32 新潟管理事務所 13 3 16 (1) 16 15 1
33 長岡管理事務所 29 27 3 59 (17) 59 55 4
34 上越管理事務所 61 30 21 112 (22) 112 1 81 30
小計 578 368 87 1,033 (246) 1,033 16 812 205

(中会社)

(単位:か所)



管理事務所等名









土砂災害の種類 計 注(1)











うち道路区域外危険箇所に選定されていた箇所
うち道路区域外危険箇所に選定されていなかった箇所
道路区域外危険箇所に該当するかどうかの確認結果
該当する
詳細調査が必要
該当しない


1 横浜保全・サービスセンター 3 34 37 (15) 1 36 32 4
2 伊勢原保全・サービスセンター 8 18 26 (12) 1 25 25
3 御殿場保全・サービスセンター 18 23 41 (22) 2 39 22 17
4 富士保全・サービスセンター 33 51 5 89 (36) 2 87 51 36
5 静岡保全・サービスセンター 4 12 16 (5) 1 15 1 14
6 浜松保全・サービスセンター 17 23 6 46 (11) 46 14 32
7 津高速道路事務所 21 11 1 33 (11) 3 30 18 12
8 豊田保全・サービスセンター 30 13 43 (15) 5 38 33 5
9 名古屋保全・サービスセンター (―)
10 飯田保全・サービスセンター 17 4 3 24 (―) 24 24
11 多治見保全・サービスセンター 69 51 2 122 (75) 25 97 66 31
12 羽島保全・サービスセンター 6 1 7 (7) 3 4 3 1
13 彦根保全・サービスセンター 18 4 22 (11) 22 21 1
14 岐阜保全・サービスセンター 18 21 39 (19) 2 37 3 17 17
15 高山保全・サービスセンター 28 25 53 (―) 6 47 12 35
16 桑名保全・サービスセンター 8 18 26 (21) 1 25 17 8
17 八王子保全・サービスセンター 34 67 101 (62) 11 90 55 35
18 大月保全・サービスセンター 28 24 6 58 (33) 5 53 46 7
19 甲府保全・サービスセンター 7 3 4 14 (3) 2 12 6 6
20 松本保全・サービスセンター 33 12 2 47 (23) 3 44 37 7
21 富山保全・サービスセンター 3 1 3 7 (3) 7
22 金沢保全・サービスセンター 1 2 2 5 (1) 5 5
23 福井保全・サービスセンター 14 1 15 (14) 10 5 1 4
24 敦賀保全・サービスセンター 79 24 103 (49) 33 70 30 40
小計 497 443 34 974 (448) 123 851 5 552 294

(西会社)

(単位:か所)



管理事務所等名









土砂災害の種類 計 注(1)











うち道路区域外危険箇所に選定されていた箇所
うち道路区域外危険箇所に選定されていなかった箇所
道路区域外危険箇所に該当するかどうかの確認結果
該当する
詳細調査が必要
該当しない
西

1 滋賀高速道路事務所 27 7 34 (19) 34 8 12 14
2 京都高速道路事務所 23 22 45 (37) 45 26 19
3 大阪高速道路事務所 9 14 23 (21) 23 2 9 12
4 阪奈高速道路事務所 29 23 1 53 (48) 53 1 15 37
5 和歌山高速道路事務所 49 52 3 104 (90) 104 11 71 22
6 福知山高速道路事務所 63 29 2 注(2) 93 (47) 93 49 44
7 神戸高速道路事務所 12 15 4 31 (10) 31 15 16
8 福崎高速道路事務所 34 29 5 68 (52) 68 51 17
9 姫路高速道路事務所 129 11 140 (32) 5 135 82 15 38
10 第二神明道路事務所 6 6 (1) 6 1 5
11 亀岡高速道路事務所 55 42 1 98 (88) 98 3 61 34
12 津山高速道路事務所 76 64 2 142 (78) 142 4 40 98
13 三次高速道路事務所 69 27 1 97 (91) 97 1 15 81
14 千代田高速道路事務所 182 87 1 270 (246) 270 15 119 136
15 岡山高速道路事務所 71 44 2 117 (46) 117 6 23 88
16 福山高速道路事務所 61 52 1 114 (40) 114 4 51 59
17 広島高速道路事務所 280 206 486 (423) 486 25 222 239
18 山口高速道路事務所 184 77 1 262 (249) 262 3 161 98
19 周南高速道路事務所 72 58 1 131 (131) 131 9 34 88
20 松江高速道路事務所 54 54 4 112 (81) 112 87 25
21 米子高速道路事務所 31 22 53 (35) 53 7 4 42
22 徳島高速道路事務所 48 6 54 (42) 54 5 49
23 香川高速道路事務所 123 10 4 137 (109) 137 8 84 45
24 愛媛高速道路事務所 200 6 7 213 (183) 213 3 97 113
25 高知高速道路事務所 51 44 4 99 (98) 99 25 74
26 北九州高速道路事務所 63 24 6 93 (70) 2 91 19 23 49
27 久留米高速道路事務所 33 33 (32) 3 30 4 2 24
28 熊本高速道路事務所 60 34 94 (94) 10 84 8 49 27
29 鹿児島高速道路事務所 11 78 89 (77) 89 13 76
30 宮崎高速道路事務所 32 20 52 (24) 52 28 7 17
31 長崎高速道路事務所 27 46 6 79 (76) 8 71 24 47
32 佐賀高速道路事務所 57 17 11 85 (82) 15 70 13 57
33 大分高速道路事務所 64 16 80 (71) 80 3 21 56
34 沖縄高速道路事務所 2 7 9 (2) 1 8 1 6 1
小計 2,279 1,244 74 3,596 (2,825) 44 3,552 269 1,512 1,771

(集計)



アの①から⑤までの分類






土砂災害の種類 計 注(1)











うち道路区域外危険箇所に選定されていた箇所
うち道路区域外危険箇所に選定されていなかった箇所
道路区域外危険箇所に該当するかどうかの確認結果
該当する
詳細調査が必要
該当しない
3

19 284 172 29 485 (240) 485 286 199
41 2,189 1,191 100 3,479 (2,393) 3,479 171 1,820 1,488
22 477 402 28 907 (426) 122 785 5 514 266
9 394 175 36 605 (411) 45 560 114 171 275
1 10 115 2 127 (49) 127 85 42
3会社計 管理事務所等数 92 84 81 52 90 81 26 注(3)89 36 88 76
箇所数 3,354 2,055 195 5,603 (3,519) 167 5,436 290 2,876 2,270
  • 注(1) 重複区域に土砂災害特別警戒区域が含まれている箇所数を括弧書きで記載している。
  • 注(2) 急傾斜地の崩壊と地すべりの両方に指定されている箇所が1か所あるため、土砂災害の種類ごとの箇所数を集計しても計欄と一致しない。
  • 注(3) 89管理事務所等は36管理事務所等、88管理事務所等及び76管理事務所等の純計である。

ウ LP測量等業務の成果品の活用状況

高速道路周辺には、住居等がないなどのため警戒区域に指定されていないものの、土石流等が発生する可能性がある箇所がある。

そこで、3会社において、高速道路全線に対する災害リスクをどのように把握しているか確認したところ、3会社は、高速道路周辺の危険箇所等を把握するなどのために、LP測量等業務を外部に委託して実施しており、3年11月から5年8月までの間に成果品を受領していた。成果品の内容を確認したところ、重複区域以外の区域も含めた高速道路全線において測量を行うとともに、測量結果を基に高速道路沿線の斜面災害リスクのある箇所の抽出を行った上で、抽出箇所の各地点のリスク分析が行われていた。そして、成果品には、管理事務所等が、土砂災害が発生する可能性のある箇所を比較的容易に抽出し、当該箇所が道路区域外危険箇所に該当するかを判定するのに資する微地形表現図(注4)が含まれていた。

一方で、3会社においては、LP測量等業務は、三次元点群データを取得して災害リスク分析を行うことなどを目的としたものであり、管理事務所等における道路区域外危険箇所の選定に用いる目的で発注したものではなく、3会社が5年10月から7年4月までの間に発注した土石流対策優先渓流抽出業務等において、LP測量等業務の成果品を利用して地質の把握や地形判読により高速道路に影響のある傾斜地等を抽出し、土石流による影響度及び対策優先度を整理しているところであるとして、成果品を管理事務所等に示していなかった。

このように、LP測量等業務の成果品の微地形表現図は、管理事務所等が道路区域外危険箇所に該当するかを判定するのにも資するものであるが、3会社は速やかに成果品を管理事務所等に示していなかったため、LP測量等業務(委託契約計12件、契約金額計51億2648万余円、うち東会社3件20億0709万余円、中会社4件9億4434万余円、西会社5件21億7505万余円)の成果が、道路区域外危険箇所の選定に活用されていない状況となっていた。

(注4)
微地形表現図  レーザプロファイラ等を活用した測量により取得した地形の三次元点群データを処理するなどして、斜面上の細かな地形を視覚的に分かりやすく表現したもの。なお、国土交通省が令和3年10月に策定した「三次元点群データを活用した道路斜面災害リスク箇所の抽出要領(案)」によれば、比較的容易に災害要因に関する地形を抽出することができるとされている。

(2) 土砂災害が発生した箇所における管理者等との調整の状況

土砂災害に対する危険防止措置として実施する工事は、規模が大きく多額の費用や期間を要し、また、高速道路の通行止めにより社会経済活動に大きな影響を与えることが想定されるため、管理事務所等は、管理者等との調整を効率的かつ効果的に行うことが重要である。

道路区域外で発生した土石流等が道路区域内に流入するなどの土砂災害は、前記のとおり、元年度から5年度までの間に計13件発生しており、これに係る復旧工事計43件に要した費用は計124億3779万余円(東会社11件3億4929万余円、中会社19件67億2767万余円、西会社13件53億6082万余円)となっていた。また、これらの土砂災害が発生するなどしたことによる通行止めは、解除までに最長で23日を要していた。

当該土砂災害13件のうち、重複区域で発生したものは4件、重複区域以外で発生したものは9件となっていた。そして、重複区域以外で発生した1件を除く12件の発生箇所については、土砂災害が発生した時点において道路区域外危険箇所に選定されていなかった。また、13件の発生箇所を管理する管理事務所等が管理者等との間で調整を行っているか確認したところ、いずれの管理事務所等も土砂災害が発生する前の危険防止措置の実施に向けた調整を行っていなかった。

しかし、警戒区域を考慮し、また、LP測量等業務の成果品を活用するなどして、これらの箇所を道路区域外危険箇所に選定して道路区域外危険箇所調書を作成した上で、管理者等との間で調整を行っていれば、当該管理者等において危険防止措置が講じられることにより、土砂災害の発生を防ぎ又は被害を軽減することができた可能性があると認められる。

(改善を必要とする事態)

3会社において、重複区域の道路区域外危険箇所に該当する箇所が道路区域外危険箇所として選定されていない事態、道路区域外危険箇所に該当するかを判定するのに資するLP測量等業務の成果品が道路区域外危険箇所の選定に活用されていない事態、及び道路区域外危険箇所調書が適切に作成されていないなどしていて、道路区域外危険箇所において土砂災害が発生する前に、管理者等との間で危険防止措置の実施に向けた調整が行われていない事態は適切ではなく、改善を図る要があると認められる。

(発生原因)

このような事態が生じているのは、3会社において、道路区域外危険箇所の選定及び道路区域外危険箇所調書の作成を適切に行い、道路区域外危険箇所における土砂災害が発生する前の危険防止措置の実施に向けて、管理者等との間で調整を行うことの重要性に対する認識が欠けていたことなどによると認められる。

3 本院が要求する改善の処置

我が国では、豪雨災害が激甚化、頻発化しており、各地で甚大な被害が発生していることなどから、3会社は、災害に強い高速道路等を形成するために、防災に対する機能維持及び防災運用の強化を総合的に講ずることにより、引き続き防災対策に万全を期すなどとしている。

ついては、3会社において、道路区域外危険箇所の選定及び道路区域外危険箇所調書の作成並びに管理者等との調整が適切に行われ、道路区域外危険箇所において土砂災害が発生する前に危険防止措置が講じられるよう、次のとおり改善の処置を要求する。

ア 管理事務所等において、警戒区域を考慮するとともに、LP測量等業務の成果品を活用して詳細調査を行うなどして、改めて道路区域外危険箇所を選定した上で、管理者等を記載した道路区域外危険箇所調書を作成すること

イ 3会社の本社において、管理事務所等が管理者等との間で調整を行う際の方針を定めるとともに、当該調整を効率的かつ効果的に行うことができるよう、各管理事務所等が管理する高速道路の重要度や災害リスクに応じた優先順位の決定方法、管理者等との調整状況を記録して保管する方法等を定めて、これらを支社、管理事務所等に周知すること