本院は、国立研究開発法人物質・材料研究機構(以下「機構」という。)本部(以下「本部」という。)における不正行為について、会計検査院法第27条の規定に基づく機構理事長からの報告を受けるとともに、本部において、合規性等の観点から不正行為の内容がどのようなものであるかなどに着眼して会計実地検査を行った。
本件は、本部において、広報室長であった小林某が、次のように広告宣伝費等計27,248,500円を架空の事業者名義の預金口座に不正に振り込ませて領得したものであり、機構に同額の損害が生じていて、不当と認められる。
ア 分任契約担当役として広報等の契約に関する事務に従事中、平成28年4月から令和4年3月までの間に、42回にわたり、広報室が発注する動画等の作成について上記架空の事業者に発注する手続を行った上、自ら作成した動画等を当該事業者が作成したように装って納品して、代金計19,717,200円を振り込ませた。
イ 広報等に関する事務に従事中、平成28年6月から令和3年7月までの間に、27回にわたり、広報室以外の部署等が発注する動画等の作成について上記架空の事業者を紹介して発注する手続を行わせた上、自ら作成した動画等を当該事業者が作成したように装って納品して、代金計7,531,300円を振り込ませた。
なお、本件損害額については、7年9月末現在で補塡が全くされていない。