• 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書
  • 令和7年5月

官民ファンドにおける業務運営の状況に関する会計検査の結果について


別図表7 A-FIVE検証報告の概要

検査項目 1 産業投資に係る予算規模や前提とした投資規模は適正だったのか
2 対象とする投資分野や投資手法は適切だったのか
3 サブファンド方式は適切だったのか
4 A-FIVEによる直接投資への取組は有効に機能したのか
5 投資決定に至る手続等は適切だったのか
6 モニタリングは適切だったのか
7 A-FIVEによる経営支援は適切だったのか
8 EXITの方法は適切だったのか
9 A-FIVEの組織体制やガバナンスは適切だったのか
10 投資判断は適切に行われていたのか
検査結果
(概要)
1 投資規模、投資収益等に見合わない高コストな組織体制であったこと
  • 6次産業化事業の成長性、投資規模、投資収益等を過大に見込み、これを前提とした高コストな組織体制等を整備
  • その結果、投資自体の収益は21億円を見込みつつも、それを上回る管理費が必要となり、最終累積損失は120億円を見込む。
2 投資対象が限定され、投資手続が重層的であったこと
  • 当初、投資対象を高い成長率が見込み難い6次産業化事業に限定
  • 農林漁業者による出資の過半要件により投資対象が大幅に限定されたこと、計画認定が投資の前提とされたことにより投資手続きも重層的で煩雑
  • 一方で、著しく不合理な投資判断は行われていなかった。
3 EXIT収益の最大化が図れていなかったこと
  • 投資先事業者による自社株買いを優先したこと、EXITの時期が投資先事業者の意向を尊重したことで、EXIT収益の最大化を阻害
4 サブファンドが十分に機能しなかったこと
  • 投資案件の組成や経営支援等に十分対応できるサブファンドが少なく、A-FIVEがサブファンドの経営支援等を代替
  • 一部の能力の高いサブファンドの投資決定にもA-FIVEの事前同意を求め、サブファンドの主体的な取組を阻害
5 その他
  • A-FIVEによる経営支援は、業績回復、企業価値の向上に一定の効果を発揮
  • 地銀等にとって、農林漁業分野における投資に係る知見を広める結果につながった。
  • 農林漁業の生産の高度化、輸出・海外展開、フードテック等の分野において、出資による資金調達のニーズは存在しており、これら分野への十分な投資を確保していくこと自体は必要であること