• 国会及び内閣に対する報告(随時報告)
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書
  • 令和7年6月

国内開発された固定翼哨戒機(P-1)の運用等の状況について


2 検査の観点、着眼点、対象及び方法

(1) 検査の観点及び着眼点

P-1は、我が国の領海等における国益や我が国の重要なシーレーンの安定的利用の確保等のために重要な役割を担っており、我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面していることを踏まえると、その可動を十分に維持することが求められる。一方で、令和5年版防衛白書によると、各自衛隊の部隊において部品不足による非可動が発生している例としてP-1が取り上げられている。

そして、国内開発されたP-1には、これまでに多額の国費が投じられている。

そこで、会計検査院は、有効性等の観点から、P-1の運用等の状況について、次のような点に着眼して検査した。

ア P-1の開発、運用等にはどの程度の経費を要しているか。

イ P-1の可動状況はどのようになっているか。

ウ F7-10エンジンや搭載電子機器等の運用等の状況はどのようになっているか。P-1の可動状況に影響を及ぼす不具合は発生していないか。

エ 機体用交換部品の調達等の状況はどのようになっているか。P-1の可動状況に影響を及ぼしている機体用交換部品の不足の要因はどのようなものか。

(2) 検査の対象及び方法

会計検査院は、次期固定翼哨戒機の調査研究等が開始されてから令和5年度までの間にP-1の開発、運用等に要した経費、及び海上自衛隊が同年度末時点で保有しているP-1計35機(国有財産台帳価格計1320億8304万余円)を対象として検査した。

検査に当たっては、内部部局、統合幕僚監部、海幕、補給本部、空補処、海上自衛隊鹿屋、厚木、下総各航空基地、装備庁及び3会社(注8)において、P-1の可動状況に関する資料、機体用交換部品の請求に関する資料及び契約書類、開発時の提案要求書、技術・実用試験の報告書、LCCに関する資料等の関係書類を確認して説明を聴取するなどして会計実地検査を行った。

以上の検査に当たり確認した関係書類には、P-1の可動状況や、技術・実用試験の実施方法、試験結果等についての詳細な情報が記載されていた。防衛省は、これらのP-1の運用や開発の細部にわたる情報が公開された場合、装備品の機能、性能、特性等が推察されることになり、警戒監視活動等の任務の遂行に支障を来し、国家の安全が害されるなどのおそれがあるため、同省として公開することはできないとしている。

上記を踏まえて、これらの情報については、本報告書に記述しないこととした。

(注8)
3会社  川崎重工、IHI及び搭載電子機器Aの製造業者