• 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 令和7年12月|

国庫補助金等により独立行政法人、基金法人及び都道府県に設置造成された基金の状況に関する会計検査の結果について


別図表2 「国庫補助金等により都道府県等に設置造成された基金について」(平成23年10月)等における所見の概要

(1) 「国庫補助金等により都道府県等に設置造成された基金について」(平成23年10月)

ア 国庫補助金等の配分方法について

基金の設置造成のために国庫補助金等を交付するに当たっては、事前の検討が重要であり、準備期間中に行う要望調査等を十分に行う必要がある。単に全国一律の配分方法により国庫補助金等を配分することなく、また、事前の要望調査等を行ったものについても、各基金事業団体における当該事業の実施状況に見合った配分等を行う必要がある。このようにして、適切な基金規模となるように国庫補助金等を配分する必要がある。

イ 20・21補正基金の執行状況について

20・21補正基金は、緊急経済対策等の一環として、基金を取り崩して執行することで、早期に事業効果を発現させることを目的としており、基金の取崩しが進まないと効果が限定的になってしまうおそれがあることから、事業期間内での執行に留意する必要がある。また、執行残が多額に生ずると見込まれる場合は、基金保有額が過大とならないよう基金規模の見直しを行う必要がある。このようにして、資金を有効に活用する必要がある。

ウ 使途別及び運営形態別の基金の状況について

回転型及び保有型の基金は、事業実績が低調であることから、今後の各事業の需要を踏まえて基金の必要性、基金規模等について検討する必要がある。また、運用型基金は、近年の低金利の状況の下、基金保有額に比べ運用益は少なく、事業実績額は低位のまま推移しており、基金の必要性、基金規模等について更に検討する必要がある。このような検討を行い、資金の効率を高めるよう努める必要がある。

エ 基金の運用状況について

基金の運用については、確実かつ効率的な運用に努める必要がある。そして、外国債等で運用しているものは、今後の基金事業の動向を注視しながら運用管理していくことが必要である。

オ 個別基金の状況について

  • (ア)執行率の低い基金は、基金規模が過大とならないよう国庫補助金等の配分について十分に留意して適切な基金規模とする必要があり、また、基金事業の執行方法についても十分に検討し、資金の有効活用を図る必要がある。
  • (イ)基金の取崩しについては、受託者から提出される実績報告書の内容を十分調査確認するなどして、基金の設置目的に沿って適切に行う必要がある。
  • (ウ)基金事業の期間中に使用見込みのない余剰額が生ずると認められる場合に、当該余剰額のうち国庫補助金等相当額を速やかに国庫に返還させたり、多額の余剰額が滞留している基金は、余剰額の解消に向けた具体的な方法等を示したりするなどして、適切な基金規模となるよう努める必要がある。

カ 基金事業に係る基準の策定等の状況について

基金事業団体において、基金基準を参考として、基金事業継続の要否の判断等に資する基準等を作成するなどして主体的に基金事業の見直しに努める必要がある。

基金事業の目標達成度について評価等が行われていない基金については、目標達成度に関する基準等を作成するなどして、適切に基金事業が行われているかなどの評価等の実施に努める必要がある。また、基金の保有割合について検証が行われていない基金については、適切な基金規模となっているか検証に努める必要がある。

また、国庫補助金等の交付元府省においても、国庫補助金等の交付要綱等において基金事業の見直しの基準等を明記したり、使用見込みのない余剰額がある場合に国庫補助金等相当額を国に返還する旨の規定を定めたりなどして、国庫補助金等によって設置造成された基金が適切な基金規模となるよう努める必要がある。

(注)
イの「20・21補正基金」は、平成20、21両年度の補正予算により新規に設置造成された、単年度では完結しないが2か年から3か年の短期間の事業実施を前提とした基金をいう。

(2) 「国庫補助金等により基金法人に設置造成された基金の状況について」(平成25年10月)

ア 所管府省は、基金の設置造成に当たっては、基金廃止時に多額の国庫返納が生ずることのないように、設置造成時に基金事業に必要となる額を精査するとともに、基金の執行途中であっても、適時適切に見直しを行い、基金規模が適切となるようにすること

イ 所管府省及び基金法人は、適切な基金規模になるよう毎年度の基金の見直しを実施し、結果を公表すること

ウ 所管府省は、新規に設置造成する基金のために交付する国庫補助金等の補助金交付要綱等において基金基準に基づき指導監督を行うことを明記し、また、基金基準に定める基準が明記されていない基金の補助金交付要綱等において基金基準に定める基準を盛り込むよう努めるとともに、基金法人に対して基金基準の周知を図ること。また、所管府省及び基金法人は、基金事業を実施するに当たり、基金基準に定める基準を遵守すること

エ 内閣官房は、基金基準に定める基準の趣旨を踏まえ、基金シートにより実施する所管府省による基金の執行状況、保有割合等の公表が適切に実施されるよう基金シートの公表内容等について検討するなど必要な取りまとめを行うこと

オ 所管府省及び基金法人は、検討すべき事態が見受けられた基金のうち、事態が解消していないものについて、早急に実効性のある見直しを行うとともに、所要の措置を講ずること。また、これら以外の基金についても、同様の事態が発生することのないようにすること

(3) 「国庫補助金等により地方公共団体等に設置造成された基金について」(平成30年12月)

ア 改正適正化令の適用状況等

  • (ア)基金事業としての性質の該当性の状況等

    各府省は、今後も改正適正化令の趣旨を踏まえて、基金事業として実施されている事業が基金事業の性質に該当しているか、事業ごとに又は国庫補助金等ごとに確認するなどして、基金により事業を実施する必要があるか不断に検討すること。農林水産省は、2補助金の基金事業について、基金によることなく事業を実施することの可否について十分に検討すること

  • (イ)基金の基本的事項の公表に係る規定の整備状況等

    各府省は、適用対象補助金について、交付要綱等に基本的事項の公表を定めることについて十分に留意すること。適用対象外補助金についても、基金の透明性を高めて、国民への説明責任を果たすために、基本的事項の公表を定めることについて検討すること。また、交付要綱等において基本的事項等の公表が定められているのに、公表されていなかったなどの基金について、地方公共団体等に対して、基本的事項を適時適切に公表するよう周知徹底するとともに、各府省においても公表対象を十分に把握するなどして基金に関する情報を適時適切に公表するよう留意すること

  • (ウ)保有割合等の報告に係る規定の整備状況等

    各府省は、適用対象補助金はもとより、適用対象外補助金であっても、地方公共団体等と協議を行い、保有割合等を報告させるなどして基金規模を客観的に把握し、基金規模の妥当性を適切に確認すること。また、各府省は、保有割合等の報告に係る規定がある基金について、地方公共団体等が報告していないことの事情等を十分に把握した上で、保有割合等を報告させるよう周知徹底すること。文部科学、厚生労働両省は、所管別に区分して経理が行われている安心こども基金について、基金規模の妥当性を適切に確認できるようにするために、所管別に保有割合等を算定するようにすること

  • (エ)国庫返納に係る規定の整備状況等

    厚生労働省は、適用対象補助金であるが終期前返納規定が定められていない1補助金について、国費の適正かつ効率的な使用の観点等から、基金規模が過大であると認められる場合に、速やかに国庫補助金等相当額の国庫返納が行われるようにするために、終期前返納規定を整備することについて、適切に検討すること。また、各府省は、適用対象外補助金についても、基金の見直しにより基金規模を適正化するために、終期前返納規定を整備していない場合は、終期前返納規定を整備することについて検討すること

イ 基金規模等の状況

各府省は、基金の実際の使用実績や具体的な根拠資料等により今後の使用見込みを十分に把握したり、基金規模を客観的に把握できるよう保有割合等を報告させたりするなどして、引き続き基金を保有することの妥当性及び基金規模の妥当性を十分に確認等すること

注(1)
「適用対象補助金」は、改正政令の施行後に補助事業者等が基金を設置するため及び既存の基金に積増しを行うために交付される国庫補助金等をいう。
注(2)
ア(エ)の「終期前返納規定」は、基金の額が基金事業の実施状況その他の事情に照らして過大であると各省各庁の長が認めた場合に係る国庫返納規定をいう。