平成15年度
第3章 個別の検査結果
第1節 省庁別の検査結果
第6 財務省
本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項
合同宿舎の維持管理業務の委託において、管理人が実際に管理する宿舎の戸数を委託費の積算に的確に反映させるよう改善させたもの
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1 契約の概要
(合同宿舎の維持管理業務の概要)
財務省では、国家公務員宿舎法(昭和24年法律第117号)に基づき、国が国家公務員等に貸与する宿舎のうち二以上の府省等の職員に貸与する目的で設置される合同宿舎の維持及び管理を行うこととされており、この維持及び管理に関する業務(以下「維持管理業務」という。)を行わせるため、従来から非常勤職員として採用した専任の管理人などを配置している。この専任の管理人は、昭和44年に改正された国家公務員宿舎法施行規則(昭和34年大蔵省令第10号。以下「施行規則」という。)第27条第2項により、おおむね200戸以上の宿舎をとりまとめて維持管理業務を行わせるため置くことができるとされているものである。そして、近年における国の行政組織等の減量、効率化等の一環として、財務(支)局等では、非常勤職員に代えて、順次、外部への委託契約により、入居時及び退去時の点検等、鍵の保管、貸与及び回収、敷地内の巡視等の維持管理業務を行わせるようにしており、平成15年度には、北海道財務局ほか10財務(支)局等(注1)において、563箇所の合同宿舎の維持管理業務について計106件の委託契約を締結している。
(委託費の積算)
財務本省では、11年度に、維持管理業務に係る委託費の積算方法(以下「積算基準」という。)を財務(支)局等に示している。これによれば、委託費は、維持管理業務を委託する宿舎の戸数を施行規則第27条第2項を参考に定めた基準戸数200戸で除して管理人の数を計算し、これに非常勤職員単価などを乗じて直接人件費を算出し、更に直接物品費、業務管理費、一般管理費等を加えて積算することとされている。
2 検査の結果
(検査の着眼点及び対象)
近年、維持管理業務に係る委託契約が増加していること、また、積算基準における基準戸数は昭和44年に改正された施行規則の規定を参考にしており、その後合同宿舎の集約・立体化が進展していることなどから、基準戸数は管理人が実際に管理している宿舎の戸数(以下「管理戸数」という。)を的確に反映したものとなっているかなどに着眼し、北海道財務局ほか7財務(支)局(注2)における506箇所の合同宿舎に係る94件の委託契約(積算額計5億0034万余円)を対象として検査した。
(検査の結果)
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
すなわち、上記の各財務(支)局の94契約に係る委託費の積算において、積算基準に基づき計算した管理人の数は計220人となっていた。
そして、契約相手方の業務日誌、従事職員名簿等により確認したところ、契約に定められたとおりの維持管理業務が行われていた。しかし、実際に業務に従事している管理人の数は計159人となっており、この159人に係る1人当たりの管理戸数は129戸から507戸で、82契約において基準戸数の200戸を上回り、平均では270戸となっていた。
したがって、積算基準における基準戸数は管理戸数を的確に反映したものとなっておらず、委託費は過大に積算されており、改善の要があると認められた。
(低減できた積算額)
上記により、本件維持管理業務に係る委託費について、管理戸数の平均(270戸)を基準戸数として修正計算すると、積算額は計4億3296万余円となり、前記の積算額計5億0034万余円を約6730万円低減できたと認められた。
(発生原因)
このような事態が生じていたのは、財務本省において、維持管理業務に係る委託契約が増加するとともに合同宿舎の集約・立体化の進展により管理戸数が基準戸数を上回っているにもかかわらず、その状況を十分に把握して積算基準に的確に反映させていなかったことによると認められた。
3 当局が講じた改善の処置
上記についての本院の指摘に基づき、財務省では、平成16年度における管理戸数を改めて調査し、同年9月に積算基準を改正するとともに、各財務(支)局等に対して事務連絡を発し、17年1月以降に締結する契約から改正された積算基準を適用することとする処置を講じた。
| (注1) | 北海道財務局ほか10財務(支)局等 北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州各財務局、福岡財務支局、沖縄総合事務局 |
| (注2) | 北海道財務局ほか7財務(支)局 北海道、東北、関東、北陸、東海、近畿、中国各財務局、福岡財務支局 |