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  • 平成15年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • 保険給付(17)−(19)

雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの


(19)雇用保険の特定求職者雇用開発助成金の支給が適正でなかったもの

会計名及び科目 労働保険特別会計(雇用勘定) (項)雇用安定等事業費
部局等の名称 北海道労働局ほか16労働局
支給の相手方 59事業主
不適正な支給となっていた特定求職者雇用開発助成金 特定就職困難者雇用開発助成金
特定就職困難者雇用開発助成金の支給額の合計 46,445,409円 (平成14年度〜16年度)
不適正支給額 27,680,954円 (平成14年度〜16年度)

1 保険給付の概要

(特定求職者雇用開発助成金)

 特定求職者雇用開発助成金は、雇用保険(「雇用保険の失業等給付金の支給が適正でなかったもの」参照) で行う事業のうちの雇用安定事業の一環として、特定求職者(60歳以上65歳未満の高年齢者など就職が特に困難な者(以下「就職困難者」という。)及び雇用に関する状況が全国的に悪化した場合等に就職支援が必要な者)の雇用機会の増大を図るため、特定求職者を雇い入れた事業主に対して、当該雇用労働者の賃金の一部を助成するもので、特定就職困難者雇用開発助成金(以下「就職困難者助成金」という。)及び緊急就職支援者雇用開発助成金の2つがある。

(就職困難者助成金の支給)

 就職困難者助成金は、事業主が就職困難者を公共職業安定所等の紹介により新たに常用労働者として雇い入れたことなどが支給要件となっている。そして、支給額は、支給対象期間(雇入れ後1年、重度身体障害者等については1年6箇月)内に当該雇用労働者に支払った賃金に相当するものとして厚生労働大臣が定める方法により算定した額(注1) に所定の支給率(注2) を乗じて得た額となっている。
 就職困難者助成金の支給を受けようとする事業主は、当該助成金に係る支給申請書を公共職業安定所を通じて都道府県労働局に、また、当該雇用労働者に係る出勤簿等の添付書類を公共職業安定所に提出することとなっている。そして、公共職業安定所は支給申請書等に記載されている当該雇用労働者の氏名、生年月日、雇用年月日、支払賃金額等を審査する。さらに、都道府県労働局は、不正受給を行った事業主でないことなどを審査した上支給を決定し、これに基づいて就職困難者助成金を支給することとなっている。

(注1) 厚生労働大臣が定める方法により算定した額 当該事業主に係る労働保険の確定保険料算定の基礎となった賃金総額から計算される年間一人当たりの平均賃金額などから算定される額
(注2) 所定の支給率 支給率は、次表のとおりである。

 

企業区分
区分
中小企業事業主以外の事業主 中小企業事業主
60歳以上65歳未満の高年齢者等 1/4 1/3
重度身体障害者等 1/3 1/2

2 検査の結果

(検査の対象)

 北海道労働局ほか24労働局の札幌公共職業安定所ほか238公共職業安定所において、平成14年度から16年度までに就職困難者助成金の支給を受けた事業主のうち1,707事業主について、支給申請書等の記載内容が事実でかつ支給要件に合致するかに着眼して、上記の25労働局における支給決定の適否を検査した。

(不適正支給の事態)

 検査したところ、北海道労働局ほか16労働局で、59事業主に対する就職困難者助成金の支給(支給額46,445,409円)について27,680,954円が適正に支給されていなかった。
 上記の不適正支給となっていたものの主な態様は、次のとおりである。
(ア)既に雇い入れている者を新たに雇い入れたこととして申請した事業主に対して支給していたもの
(イ)既に事実上雇入れが決定している者に形式的に公共職業安定所の紹介を受けさせ、その紹介により雇い入れたこととして申請した事業主に対して支給していたもの
 このような事態が生じていたのは、事業主が誠実でなかったなどのため支給申請書等の記載内容が事実と相違するなどしていたのに、旭川公共職業安定所ほか50公共職業安定所において、これに対する調査確認が十分でないまま、前記の17労働局において支給の決定を行っていたことによると認められる。
 なお、これらの不適正支給額については、本院の指摘により、すべて返還の処置が執られた。
 これらの不適正支給額を都道府県労働局ごとに示すと次のとおりである。

労働局名 公共職業安定所 本院が調査した事業主数 不適正受給事業主数 左の事業主に支給した就職困難者助成金 左のうち不適正就職困難者助成金
        千円 千円
北海道労働局 旭川ほか4 39 6 2,490 1,496
青森労働局 弘前ほか1 11 2 953 953
宮城労働局 仙台ほか2 22 3 3,286 703
群馬労働局 伊勢崎ほか2 15 3 1,667 1,346
埼玉労働局 川口ほか2 42 5 4,447 2,102
千葉労働局 市川ほか4 69 7 6,543 3,487
東京労働局 飯田橋ほか6 89 7 6,170 4,067
神奈川労働局 鶴見ほか3 23 4 3,013 1,542
石川労働局 小松ほか1 23 2 1,429 982
岐阜労働局 岐阜ほか1 15 3 3,174 1,438
愛知労働局 豊橋ほか1 8 2 1,055 1,055
京都労働局 宇治ほか1 23 2 2,000 687
大阪労働局 梅田ほか5 27 6 5,733 3,358
香川労働局 坂出ほか1 16 3 1,070 1,049
高知労働局 高知 22 2 1,479 1,479
福岡労働局 福岡西 5 1 1,222 1,222
鹿児島労働局 国分 8 1 707 707
51箇所 457 59 46,445 27,680