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  • 平成25年7月

本州四国連絡道路に係る債務の返済等の状況及び本州四国連絡高速道路株式会社の経営状況について


3 検査の状況

(1) 本四道路に係る債務の返済等の状況

ア 国の財政支援と民営化

(ア) 国への債務承継等による本四公団の損益改善

本四公団は、前記のとおり、多額の欠損金を計上していたが、国による多額の財政支援という処置が講じられた結果、表3のとおり、15年度に欠損金が解消されて、以後、業務外費用(債券利息及び借入金利息)が減少するなどして損益は大幅に改善された。

表3 本四公団の損益の状況(平成13年度~17年度)

(単位:百万円)
区分 平成13年度 14年度 15年度 16年度 17年度
経常利益 99,004 95,565 91,576 89,296 46,884
 (道路料金収入) 83,347 82,672 78,975 77,068 40,175
経常費用 164,549 142,402 334,040 89,296 45,842
 引当金等繰入
  償還準備金繰入 241,628 11,263 9,643
 業務外費用 125,519 108,738 60,428 47,306 20,938
  (債券利息) 112,559 95,640 49,106 38,939 17,121
  (借入金利息) 8,922 10,068 6,655 5,881 2,829
特別利益 1,793
 債務免除益 1,353,544
特別損失 1,469 1,041
当期利益金(△当期損失金) △65,545 △46,511 1,111,080 - -
欠損金 1,064,568 1,111,080 - - -
業務外費用に対する
道路料金収入の割合
66.4% 76.0% 130.7% 162.9% 191.9%
注(1)
平成17年度は、17年4月1日から17年9月30日までの半期分を計上している。
注(2)
債務免除益には、国に承継された債務1兆3439億円に係る利息を含んでいる。
(イ) 民営化に当たっての本四公団から機構及び本四会社への資産、負債等の承継

機構及び本四会社が承継する資産、負債等に関する基本的な事項については、施行法等により定められており、高速道路に係る固定資産等については原則として機構が、本四会社の事業を適切かつ円滑に運営する上で必要な料金徴収施設、道路休憩施設等の固定資産等は本四会社が、それぞれ承継することとされた。また、高速道路に係る負債については、機構及び本四会社がそれぞれ承継した資産に対応する有利子負債等が承継された。なお、承継する道路資産及びこれに係る負債の額については、機構及び本四会社の設立時における時価を基準とした価額とすることとされ、その評価方法については、原則として再調達原価方式を採用することなどとされた。一方、鉄道に係る資産及び負債は機構に承継されたが、有利子負債は、前記のとおり、償還が完了していた。これにより、本四公団の解散時の資産総額3兆9794億余円は、機構に3兆0464億余円が、本四会社に322億余円がそれぞれ承継されて、負債総額2兆8539億余円のうち有利子負債2兆0001億余円は、1兆9946億余円が機構に、会社資産に対応する有利子負債50億余円及び将来機構に承継される建設中の道路資産に係る長期借入金4億余円の計55億余円が本四会社にそれぞれ承継された。また、無利子借入金2605億余円(阪神・淡路大震災により必要を生じた追加事業に係る道路開発資金借入金等残高5億余円を含む。)は全て機構に承継された。このように、本四道路に係る有利子負債等の債務については機構が返済することとなった。

そして、本四公団の解散時の資本金(国及び10府県市からの出資金)計1兆1255億余円のうち、80億円が資本金及び資本剰余金として本四会社に、残余の1兆1175億余円が機構にそれぞれ承継された。なお、機構に承継された資本金の中には、鉄道に係る国からの出資金208億余円が含まれている。

また、機構が承継する資産の価額から負債の金額及び承継された出資金の合計額を差し引いた機構全体の資本剰余金のうち本四公団に係る分は、マイナス6570億余円となっている。

以上について、本四公団の最終貸借対照表(17年9月30日現在)と機構及び本四会社の開始貸借対照表(17年10月1日現在)の概要として整理すると、図4-1から図4-3までのとおりとなっている。

本四公団の最終貸借対照表(平成17年9月30日現在) / 機構(本四公団分)の開始貸借対照表(平成17年10月1日現在) / 本四会社の開始貸借対照表(平成17年10月1日現在)

イ 本四道路に係る債務の返済等の状況

(ア) 本四公団における償還計画

本四公団が作成した償還計画は、各ルートにおいて一部が供用開始されるなどの際に、その都度変更されてきた。

このうち、9年償還計画は、3ルートの概成及び全線供用を契機として交通量が大きく伸びて料金収入についてもほぼ同様の伸び率で推移することを前提としており、図5のとおり、48年度(2036年度)には有利子債務の償還が、57年度(2045年度)には出資金の償還がそれぞれ完了することとされていた。

図5 9年償還計画

9年償還計画

その後、15年償還計画は、1兆3439億円の国への債務承継、2600億円の国からの無利子借入れ及び出資金受入れの34年度までの延長による有利子債務の減少等が反映されているものの、9年償還計画で見込んでいた交通量の伸びについては、15年当初からほとんど増加しないとして、これに伴って料金収入も一定の水準のまま推移するとした。このため、図6のとおり、有利子債務の償還完了は57年度(2045年度)に、出資金の償還完了は104年度(2092年度)に、いずれも相当程度先送りされることとなった。

図6 15年償還計画

15年償還計画
(イ) 出資の状況

前記のとおり、民営化前は、本四公団が、国及び10府県市からの出資を毎年度受けていた。そして、それまでの出資金は民営化の際に本四会社の資本金等80億円を除いて機構に承継されて、以降、機構が国及び10府県市からの出資を毎年度受けている。

出資金の累計額は、表4のとおり、25年4月末現在で1兆6854億余円(国1兆1232億余円、10府県市5622億余円)となっている。

表4 本四道路に係る出資の状況(平成25年4月末現在)

(単位:百万円)
区分 10府県市/th>
民営化前の受入額 736,018 368,607 1,104,625
民営化後の受入額 387,197 193,603 580,800
1,123,215 562,210 1,685,425
(ウ) 民営化後の債務の返済等の状況
a 機構の収支

機構の債務返済計画(本四道路分。以下同じ。)における収支(注2)の推移は表5のとおりであり、各年度の収支差についてみると、19年度をピークに減少傾向となっている。

また、収入に占める出資金の払込額の割合についてみると、各年度とも50%を超えており、出資金の払込額の規模が収支差に影響を与えている。

(注2)
機構の債務返済計画における収支 決算上の収支から、債務返済計画に適合するよう、消費税を含めるなどの補正を行った収支

表5 機構の債務返済計画における収支状況

(単位:百万円)
区分 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
収入 貸付料 27,077 60,703 60,307 56,415 37,630 38,519 45,129 48,010
占有料等 22 167 167 134 171 157 137 140
出資金 40,000 80.000 80,000 80,000 80,000 80,000 80,000 60,253
収入に占める
出資金の割合
59.6% 56.8% 56.9% 58.6% 67.9% 67.4% 63.9% 55.6%
67,099 140,870 140,475 135,549 117,802 118,677 125,266 108,404
支出 管理費等 1,235 2,952 2,777 2,597 1,614 1,662 8,717 2,197
支払利息 19,486 35,337 30,022 29,695 27,794 24,992 23,671 22,719
20,722 38,289 32,800 32,292 29,409 26,655 32,389 24,916
収支差 46,376 102,580 107,675 104,257 88,392 92,022 92,877 83,487
注(1)
平成17年度は、17年10月1日から18年3月31日までの半期分を計上している。
注(2)
管理費等の主なものは納付消費税である。
注(3)
平成24年度の出資金は、一部が25年4月に払い込まれたため、26年度まで継続することとされた国及び10府県市の出資金608億円とは一致しない。

出資金の払込額は、機構の債務返済計画において、収入の大半を占めており、債務の返済の原資となっている。このため、出資金が債務の返済に大きく影響する構造となっている。

b 債務返済計画と実績

民営化後の債務残高の推移をみると、表6のとおり、現在のところ計画に比べて債務の返済が進んでいる。

表6 機構の債務返済計画上の債務残高と実績

(単位:百万円)
区分 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度
債務
残高
計画 2,192,664 2,111,587 2,018,391 1,849,161 1,777,864 1,705,084 1,582,797 1,457,947
実績 2,191,901 2,090,455 1,987,289 1,808,199 1,725,472 1,638,887 1,562,022 1,437,769
(エ) 最新の債務返済計画

機構の債務返済計画は、18年3月の当初協定締結時に定められたが、その後の利便増進事業の導入等による協定変更に伴い変更されており、最新の債務返済計画は10府県市からの申入れによる24、25両年度の出資金の減額等を反映した24年3月の協定変更時に定められたものである(図7参照)。そして、この債務返済計画は、26年度から34年度まで年800億円の出資金を見込んだままとしており、有利子債務の返済完了時における出資金は計2兆4582億余円に上るとされているが、その取扱いは、機構が解散するときまでに検討することとされている。

図7 最新の債務返済計画(平成24年3月)

最新の債務返済計画(平成24年3月)

(2) 本四会社の経営状況

ア 本四会社の事業の概要

本四会社は、機構から借り受けた本四道路について、高速道路会社法第5条に規定する事業として料金収受、交通管理、維持修繕を行う高速道路事業と、サービスの充実と収益の向上を図るための道路休憩施設の管理等を行う関連事業を実施している。そして、本四会社は、これらの事業の一部については子会社に委託して実施している。

イ 本四会社の財務状況

(ア) 連結及び単体の決算

本四会社の連結及び単体の24年度決算をみると、表7のとおりとなっている。

表7 本四会社の連結及び単体の平成24年度決算

①貸借対照表(24年度末現在)

(単位:百万円)
資産の部 負債及び純資産の部
科目 金額 科目 金額
連結 単体 連結 単体
流動資産 31,708 29,571 流動負債 15,971 15,083
固定資産 22,472 18,817 固定負債 22,779 20,165
 有形固定資産 20,547 16,987 (負債計) 38,751 35,248
 無形固定資産 183 167
 投資その他の資産 1,740 1,662 資本金 4,000 4,000
資本剰余金 4,000 4,000
利益余剰金 7,429 5,140
(純資産計) 15,429 13,140
資産 計 54,181 48,388 負債及び純資産 計 54,181 48,388

②損益計算書(24年度)

(単位:百万円)
区分 連結 単体
高速道路事業営業損益 180 280
 営業収益 67,727 67,666
  料金収入 63,951 63,951
  道路資産完成高 3,556 3,556
  その他の売上高 219 157
 営業費用 67,547 67,385
  道路資産賃借料 45,724 45,724
  道路資産完成原価 3,556 3,556
  管理費用 18,266 18,104
関連事業営業損益 724 127
 営業収益 3,527 1,788
  休憩所等事業収入 1,553 379
  鉄道管理受託業務収入等 1,973 1,408
 営業費用 2,802 1,660
  休憩所等事業費 942 257
  鉄道管理受託業務事業費等 1,860 1,402
営業外収益 354 249
営業外費用 22 8
法人税、住民税及び事業税 355 181
過年度法人税、住民税及び事業税 54 54
法人税等調整額 20 -
当期純利益 807 413

損益計算書についてみると、高速道路事業の営業損益は連結決算と単体決算でほとんど差異は見られないが、関連事業の営業損益は、子会社の損益の影響もあり、単体1億2766万余円に対して連結7億2488万余円となっている。

(イ) 決算(単体)の年度比較
a 資産、負債及び純資産

資産及び負債の状況を、本四会社の発足時(17年10月1日現在)と24年度末現在で比較すると、表8のとおりとなっている。

表8 資産及び負債の状況

(単位:百万円、%)
資産の部 負債及び純資産の部
科目 金額 比較増
減率
(B)-(A)
(A)
科目 金額 比較増
減率
(B)-(A)
(A)
発足時
(A)
平成
24年度末
(B)
発足時
(A)
24年度末
(B)
流動資産 10,928 29,571 170.6 流動負債 7,589 15,083 98.8
うち仕掛道路資産 776 3,046 292.3 固定負債 16,641 20,165 21.1
固定資産 21,301 18,817 △11.7 うち道路建設関係
長期借入金
435 5,233 1103.0
うち高速道路事
業固定資産
9,833 7,145 △27.3
うち退職給付引当金 11,954 13,670 14.4
うち関連事業固
定資産
5,487 5,610 2.2 (負債計) 24,230 35,248 45.5
うち各事業共用
固定資産
5,790 4,399 △24.0 資本金 4,000 4,000 0.0
資本剰余金 4,000 4,000 0.0
うち投資その他
の資産
190 1,662 774.4 利益剰余金 - 5,140 皆増
(純資産計) 8,000 13,140 64.3
資産 計 32,230 48,388 50.1 負債及び純資産 計 32,230 48,388 50.1

固定資産のうち、高速道路事業固定資産の減少は料金徴収施設等の減価償却が進んだことなどによるもので、各事業共用固定資産の減少は不要となった社員宿舎等に係る土地を売却したことなどによるものである。

また、固定負債のうち道路建設関係長期借入金の増加は、神戸淡路鳴門自動車道及び西瀬戸自動車道が全線開通から10年程度経過して橋りょうの塗装の塗り替えなどが必要となり、これに係る借入れを新たに行ったことによるものである。このような資本的支出となる維持修繕費用に係る債務は、完成した道路資産とともに機構法等により機構に引き渡されることとなっている。また、退職給付引当金の増加は、職員の平均年齢の上昇によるものである。なお、本四公団から承継された有利子負債50億余円はそのほとんどが返済されている。

さらに、24年度末の純資産の状況をみると、利益剰余金が51億4004万余円計上されていて、その内訳は、別途積立金(高速道路事業分)が43億3850万余円及び繰越利益剰余金(関連事業分)が8億0154万余円となっている。なお、民営化以降、株主への配当や当期純損失により利益剰余金を取り崩したことはない。

b 営業損益

17年度以降の営業損益の推移をみると、表9のとおり、高速道路事業及び関連事業ともに毎年度利益を計上している。そして、営業利益の大半を占めている高速道路事業は、収益の91%から98%までを料金収入が占めている。

また、料金収入の推移をみると、21年度に大幅に減少しているが、これは、20年10月以降、高速道路利便増進事業(以下「利便増進事業」という。)等により、通行料金の引下げを行ったことによるものである。なお、23年度に増加に転じているのは、23年6月に、利便増進事業による休日終日割引の上限1,000円を廃止したことなどによるものであるが、20年度以前の水準には戻っていない。しかし、利便増進事業による通行料金の引下げによって料金収入が減少した場合には、機構へ支払う貸付料である道路資産賃借料の額が減額されることとなっていることなどから、利益が確保できている状況である。

(注3)
高速道路利便増進事業 道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律(昭和33年法律第34号)に基づき、高速道路の利用者に対して、負担の軽減を図るための高速道路の料金引下げ措置の実施や、利便の増進のためにスマートインターチェンジの追加整備を実施する事業

表9 本四会社の営業損益の推移(平成17年度~24年度)

(単位:百万円)
区分 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度





営業収益 37,723 78,746 82,085 77,937 59,112 61,002 65,346 67,666
料金収入 36,075 77,535 77,095 72,896 53,576 55,702 61,201 63,951
道路資産完成高 1,563 1,080 4,294 4,130 5,395 5,178 4,012 3,556
その他の売上高 84 130 695 911 141 121 131 157
営業費用 35,630 76,388 80,457 76,553 58,784 60,633 65,141 67,385
道路資産賃借料 25,787 57,812 57,435 53,728 35,838 36,685 42,980 45,724
道路資産完成原価 1,563 1,080 4,294 4,130 5,395 5,178 4,012 3,556
管理費用 8,279 17,494 18,727 18,694 17,550 18,769 18,149 18,104
営業利益 2,092 2,358 1,627 1,384 328 369 204 280
関連
事業
営業収益 2,025 1,403 2,444 2,033 2,107 1,574 1,753 1,788
営業費用 1,957 1,266 2,305 1,899 2,002 1,474 1,664 1,660
営業利益 68 136 138 133 104 100 88 127
(注)
平成17年度は、17年10月1日から18年3月31日までの半期分を計上している。

ウ 本四道路の通行料金、交通量等の状況

(ア) 通行料金の推移

本四道路の通行料金の推移は、図8のとおりとなっている。

図8 本四道路の通行料金(神戸淡路鳴門自動車道、普通車全線利用の例)

本四道路の通行料金(神戸淡路鳴門自動車道、普通車全線利用の例)
(注)
平成21年3月以降の割引は、利便増進事業等によるものである。

10年4月からの特別料金は、基本料金を当面5年間引き下げるもので、24年度まで毎年度800億円の国及び10府県市からの出資金の受入れを前提に行うこととされていた。また、15年7月以降の新特別料金は、特別料金並みの通行料金の引下げを継続するもので、24年度までの出資を34年度までの10年間延長することによる10府県市の出資分による経営改善効果等の範囲内で行うこととされている。

このように、通行料金の引下げは、出資金の受入れが前提となっている。

(イ) 実績交通量の推移

本四道路の10年度以降(西瀬戸自動車道は全線開通の11年5月以降)の交通量の推移を県境断面交通量(注4)でみると、図9のとおりとなっている。

(注)
県境断面交通量 県境の橋上における交通量

図9 各ルートの県境断面交通量 (単位:台/日)

各ルートの県境断面交通量 単位:台/日
(ウ) 推定交通量の見直しと実績交通量の推移

10年度から15年度までの間の実績交通量を、9年償還計画における推定交通量と比較すると、表10のとおり、西瀬戸自動車道については、全線開通した11年度は推定交通量を上回ったものの12年度以降は下回り、他の2ルートについては10年度当初から推定交通量を下回ったまま推移し、実績率(推定交通量に対する実績交通量の比率)は53.4%から95.7%までとなっていた。

表10 推定交通量(9年償還計画)と実績交通量

ア 神戸淡路鳴門自動車道(大鳴門橋)

(単位:百万円)
区分 平成10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
推定交通量 24,100 25,220 29,960 31,490 33,100 33,100
実績交通量 16,527 15,811 17,334 17,372 17,678 18,435
実績率 68.6 62.7 57.9 55.2 53.4 55.7
(注)
平成21年3月以降の割引は、利便増進事業等によるものである。


イ 瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)

(単位:百万円)
区分 平成10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
推定交通量 17,390 16,650 15,320 16,000 16,720 16,720
実績交通量 15,793 15,316 14,664 14,402 14,096 14,009
実績率 90.8 92.0 95.7 90.0 84.3 83.8


ウ 西瀬戸自動車道(多々羅大橋)

(単位:百万円)
区分 平成10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度
推定交通量 - 4,660 5,040 5,260 5,500 5,500
実績交通量 - 5,904 4,021 3,888 3,761 3,820
実績率 - 126.6 79.8 73.9 68.4 69.5

その後、前記のとおり、15年償還計画において推定交通量の見直しが行われており、15年度の交通量は13、14両年度の実績から推定して、16年度以降の将来交通量は、15年度以降変化しないとして、新特別料金、割引等による料金引下げの効果による交通量の増加のみを考慮して算出することとされた。このため、15年償還計画における推定交通量は、34年度までは微増するものの、35年度以降は増加せず一定のまま推移するとされた。

これに対して、17年度までの実績交通量は表11のとおりとなっていて、実績率は97.1%から105.6%までであった。

表11 推定交通量(15年償還計画)と実績交通量

ア 神戸淡路鳴門自動車道(大鳴門橋)

(単位:百万円)
区分 平成15年度 16年度 17年度
推定交通量 18,520 18,620 18,650
実績交通量 18,435 18,705 19,116
実績率 99.5 100.5 102.5


イ 瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)

(単位:百万円)
区分 平成15年度 16年度 17年度
推定交通量 14,240 14,330 14,350
実績交通量 14,009 13,910 14,153
実績率 98.4 97.1 98.6


ウ 西瀬戸自動車道(多々羅大橋)

(単位:百万円)
区分 平成15年度 16年度 17年度
推定交通量 3,740 3,760 3,770
実績交通量 3,820 3,921 3,981
実績率 102.1 104.3 105.6

このように、それまでの推定交通量を相当程度下方修正した結果、おおむね実績交通量との差異がなくなっている。

(エ) 民営化後の推定交通量

前記のとおり、民営化後の18年3月に、本四会社と機構との間で協定が締結されたが、併せて作成された機構の業務実施計画において、各ルートの県境断面交通量に代えて、計画料金収入の基礎となる推定交通量を全車種全線の交通量を合計するなどした換算走行台キロ(注5)で算出することとなった。

その後、推定交通量は、新たな全国道路交通情勢調査の実施や、利便増進事業の実施等を受けて協定変更の際に見直しが行われており、その推移は図10のとおりとなっている。

(注5)
換算走行台キロ 全車種の走行台キロについて、海峡部の交通量を陸上部の交通量に料金比で換算し、更に全車種を普通車に料金比で換算した交通量の単位

図10 推定交通量の見直しの推移 (単位:百万台キロ)

推定交通量の見直しの推移 単位:百万台キロ

このように、見直しを行った結果、債務の返済の最終年度である61年度(2049年度)の推定交通量は、当初協定締結時の業務実施計画では24億7800万台キロとされていたが、24年3月の協定変更時の同計画においては17億3800万台キロと大幅に減少している。


(オ) 本四会社の収支等

協定においては、料金収入の実績が計画の上下1%を超えた場合に、1%を超える部分について貸付料を増減することとされている。

17年度から24年度までの本四会社の協定に基づく収支(注6)(以下「協定収支」という。)及び貸付料の支払額の計画と実績の推移は、それぞれ表12のとおりとなっており、21年度の料金収入の実績が計画を下回っているのは、利便増進事業の導入により割引の適用を受けるETC車の利用率が想定を上回ったことによるものである。

また、22年度から24年度までの管理費用の実績が計画を上回っているのは、料金収入の実績が、各年度の計画を超えており、その超過分が1%以上であったため、前記のとおり、協定に基づき、貸付料支払の際に計画料金収入の1%分の額が控除されて、同額が本四会社の収入となり、これを管理費用に充当して、翌年度以降の実施を予定していた舗装補修工事等を前倒しして実施したことによるものである。

(注6)
協定に基づく収支 決算上の収支から、協定の定めるところにより消費税を含めるなどの補正を行った収支

表12 本四会社の協定収支及び貸付料支払の計画と実績

(単位:百万円)
区分 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度
収入
(料金収入)
計画 - 75,422 75,021 72,084 54,982 54,506 53,810 56,893
実績 37,168 78,334 78,319 74,239 54,267 56,374 61,954 64,828
支出
(管理費用)
計画 - 16,877 17,262 17,104 17,187 17,310 16,287 16,249
実績 8,840 16,482 16,940 16,793 16,565 17,967 16,888 16,703
貸付料支払 計画 - 58,545 57,759 54,980 37,795 37,196 37,523 40,644
実績 27,077 60,703 60,307 56,415 37,630 38,519 45,129 48,010
注(1)
平成17年度は、17年10月1日から18年3月31日までの半期分を計上している。
注(2)
平成17年度中は暫定協定で対応しているため、計画値は設定されていない。

そして、上記の協定収支と実績交通量の推移は図11のとおりとなっている。

図11 本四会社の協定収支と実績交通量の推移

本四会社の協定収支と実績交通量の推移 単位:百万台キロ
(注)
平成17年度の料金収入及び管理費用は、17年10月1日から18年3月31日 までの半期分を計上している。

21年度以降は利便増進事業により通行料金の引下げを行ったことに伴い、18年度から20年度までに比べて交通量は増加したが、料金収入は減少している。

一方、道路資産の維持管理費である管理費用は、半期分である17年度を除くと、表13のとおり、毎年度170億円前後で推移している。

表13 本四会社の管理費用等の推移(平成18年度~24年度)

(単位:百万円、人)
区分 平成18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 平均
維持修繕費 3,832 4,828 4,778 4,169 5,544 5,174 5,014 4,763
(うち道路維持管理業務) (726) (695) (728) (678) (585) (616) (602) (661)
(うち保全点検業務) (855) (854) (1,034) (855) (855) (849) (897) (886)
(うち補修取替業務) (1,465) (2,448) (2,150) (1,837) (3,204) (2,817) (2,589) (2,359)
管理業務費 4,365 4,424 4,423 4,172 4,170 4,079 4,149 4,255
(うち料金収受業務) (2,314) (2,311) (2,284) (2,258) (2,200) (2,167) (2,173) (2,244)
(うち交通管理業務) (665) (665) (665) (665) (665) (662) (662) (664)
一般管理費 8,285 7,688 7,592 8,224 8,253 7,636 7,541 7,888
(うち人件費) (4,165) (4,149) (4,300) (4,446) (4,378) (4,345) (4,199) (4,283)
(うち減価償却費) (1,481) (1,422) (1,382) (1,736) (1,830) (1,513) (1,716) (1,583)
16,482 16,940 16,793 16,565 17,967 16,888 16,703 16,905
職員数(年度末実員) 405 405 412 403 400 400 389 -
(注)
職員数には役員を含む。

管理費用のうち、維持修繕費は、道路清掃、植栽管理、事故復旧作業等を行う道路維持管理業務、保全点検業務、資本的支出とならない舗装の打替えなどの土木構造物等の補修取替業務等に係る費用となっており、このうち、道路維持管理業務及び保全点検業務については、その多くが子会社等を契約の相手方としている。そして、道路維持管理業務に係る費用は平均で約6.6億円、保全点検業務に係る費用は平均で約8.8億円となっている。また、土木構造物等の補修取替業務に係る費用は、計画において毎年度一定額(約19億円)を見込んでいるが、前記のとおり、料金収入の実績が計画を上回った場合の本四会社の収入増加分を充当して当該業務を追加実施しているため、管理費用の実績が計画を上回る年度がある。

このような維持修繕費は、本四道路の維持管理に不可欠な業務を実施したり、計画的に修繕等を実施したりなどしているもので、今後も毎年度固定的に必要となるものである。

また、管理業務費は、料金収受業務、交通管理業務等に係る費用となっている。そして、料金収受業務及び交通管理業務についても、そのほとんどを子会社等に委託等しており、その費用は平均で約29億円と管理業務費の過半を占めている。

このような管理業務費も維持修繕費と同様に、毎年度固定的に必要となるものが大部分を占めている。

そして、一般管理費は、人件費、減価償却費等となっており、一般管理費の過半を占めている人件費は、近年、職員数が微減傾向となっているが、職員の平均年齢上昇等により、平均で約42億円となっている。

管理費用等に関する経営効率化の取組は本四公団時代から行われてきており、15年の国への債務承継時には11年度比で約15%、民営化時には14年度比で約30%のコストをそれぞれ削減している。これにより、前記のとおり、管理費用は毎年度170億円前後で推移してきており、23年3月の協定における計画管理費をみても従来に比べて4.4%削減することとしているものの、その後は同程度で推移するとしている。


エ 子会社の状況

(ア) 子会社の概要

本四会社には24年度において連結子会社が3会社あり、その概要は表14のとおりである。

表14 連結子会社の概要

会社名 設立等年月 資本金 主な業務
JBハイウェイサービ ス株式会社 平成17年11月 5000万円 ① 本四道路のSA・PAにおける休憩施設等の管理運営業務
② 本四道路における料金収受管理業務及び交通管理業務等
株式会社ブリッジ・ エンジニアリング 18年6月
(子会社化)
5000万円 ① 海峡部長大橋りょう及びその附帯設備に関する点検管理、維持修繕工事、改良工事、調査、設計等の業務
② 道路、橋りょう及び海洋構造物に関する調査設計及び点検管理、維持修繕工事等の業務
JBトールシステム株 式会社 21年3月
(子会社化)
3000万円 ① 本四道路における料金収受機械保守整備業務等
② 本四道路における通行料金、交通量等の各種計数管理業務等
(イ) 子会社の契約状況

子会社化以降の各会社の契約状況をみると、表15のとおり、各年度で3会社とも親会社である本四会社との契約金額が総契約額の86.1%から97.5%までと大部分を占めており、また、その割合は毎年度ほぼ一定である。

表15 連結子会社の契約状況(平成17年度~24年度)

(上段:総契約額(百万円))
(中段:本四会社との契約額(百万円))
(下段:本四会社との契約の割合)
会社名 平成17年度 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度
JBハイウェイ サービス株式会 社 - 1,131 1,097 1,100 1,098 1,099 1,077 1,083
- 1,103 1,069 1,071 1,069 1,070 1,047 1,053
- 97.5% 97.4% 97.4% 97.3% 97.3% 97.3% 97.2%
株式会社ブリッジ・エンジニアリング - 1,627 3,170 4,516 3,593 3,881 3,531 4,146
- 1,534 2,934 4,270 3,377 3,658 3,306 3,903
- 94.3% 92.6% 94.6% 94.0% 94.3% 93.6% 94.1%
JBトールシステム株式会社 - - - - 501 609 463 693
- - - - 431 551 423 630
- - - - 86.1% 90.5% 91.3% 90.9%

(ウ) 子会社の利益剰余金の状況

子会社化以降の各会社の利益剰余金の推移をみると、表16のとおり、各会社ともおおむね堅調に利益を上げており、24年度末現在、3会社で計37億1356万余円の利益剰余金を計上している。

表16 連結子会社の利益剰余金の状況(平成17年度~24年度)

(単位:百万円)
会社名 平成
17年度末
18年度末 19年度末 20年度末 21年度末 22年度末 23年度末 24年度末
JBハイウェイサ ービス株式会社 △0 75 204 267 356 478 614 800
株式会社ブリッ ジ・エンジニア リング - 2,050 2,141 2,409 2,583 2,660 2,717 2,775
JBトールシステ ム株式会社 - - - 93 92 114 122 137
△0 2,125 2,346 2,770 3,032 3,253 3,453 3,713

特に、株式会社ブリッジ・エンジニアリング(以下「ブリッジ・エンジニアリング」という。)については、子会社化した直後の18年度末の時点で既に20億5074万余円の利益剰余金を計上しており、24年度末には27億7574万余円にまで増加している。

(オ) 本四会社の契約の状況等

本四会社は、本四道路の管理に毎年度多額の費用を要しているが、債務の返済に資する道路資産賃借料を確実に支払うためにも、管理に係るコストを削減して経営の効率化を図ることが重要である。

そこで、17年度から24年度までの間に本四会社が発注した1件当たり5000万円以上の工事212件についてみると、表17のとおり、ブリッジ・エンジニアリングとの子会社契約が長大橋保全業務等の計39件(契約金額計58億2423万余円)、子会社以外との随意契約がエレベータ等の既設の設備に係る製造メーカーによる修繕等の計8件(同8億2876万余円)となっていた。そして、上記以外の計165件の工事については一般競争入札及び指名競争入札(以下「一般競争等」という。)となっていた。

また、一般競争等の平均落札率は86.2%となっていたが、これらについて入札者数と落札率をみると、1者入札となっていたものが計37件(22.4%)となっていて、その平均落札率は98.0%と、2者以上が入札したものの平均落札率81.9%に比べて16.1ポイント高くなっていた。

1者入札となっていた工事計37件の主なものは、機器等の更新、改修工事が25件(同83億4585万余円)、橋りょう又は舗装の補修工事が9件(同8億6100万円)であったが、橋りょう又は舗装の補修工事のように一般的な土木工事については、契約単位や条件を見直したり公告期間を長くしたりするなどして落札者以外の者がより参入しやすい環境を整えることにより、更なる競争性の確保に努める必要があると認められる。

表17 平成17年度から24年度までに契約した工事(1件当たり5000万円以上)

(単位:件、百万円)
年度 総件数 一般競争及び指名競争 子会社契約 子会社以外との随意契約
件数
(うち2者以上入札)
(うち1者入札)
件数割合
(うち2者以上入札)
(うち1者入札)
契約金額計
(うち2者以上入札)
(うち1者入札)
平均落札率
(うち2者以上入札)
(うち1者入札)
件数 件数
割合
契約金額
件数 件数
割合
契約金額
平成
17
19 13
(12)
(1)
68.4%
(92.3%)
(7.7%)
1,133
(965)
(168)
93.2%
(92.3%)
(99.3%)
4 21.1% 474 2 10.5% 172
平成
18
17 13
(11)
(2)
76.5%
(84.6%)
(15.4%)
2,018
(1,777)
(240)
80.6%
(80.3%)
(82.6%)
4 23.5% 849 0 0.0% -
平成
19
28 19
(16)
(3)
67.9%
(84.2%)
(15.8%)
2,399
(2,068)
(330)
87.4%
(86.0%)
(97.9%)
6 21.4% 990 3 10.7% 463
平成
20
30 25
(21)
(4)
83.3%
(84.0%)
(16.0%)
4,065
(3,414)
(651)
82.5%
(79.9%)
(99.0%)
5 16.7% 1,772 0 0.0% -
平成
21
27 22
(13)
(9)
81.5%
(59.1%)
(40.9%)
3,646
(1,725)
(1,920)
93.2%
(87.9%)
(98.5%)
5 18.5% 511 0 0.0% -
平成
22
25 19
(15)
(4)
76.0%
(78.9%)
(21.1%)
3,121
(2,038)
(1,082)
82.1%
(75.4%)
(98.6%)
5 20.0% 357 1 4.0% 56
平成
23
30 24
(19)
(5)
80.0%
(79.2%)
(20.8%)
4,705
(3,897)
(807)
83.7%
(81.5%)
(96.3%)
5 16.7% 308 1 3.3% 58
平成
24
36 30
(21)
(9)
83.3%
(70.0%)
(30.0%)
9,977
(5,684)
(4,292)
88.4%
(81.9%)
(98.7%)
5 13.9% 559 1 2.8% 78
212 165
(128)
(37)
77.8%
(77.6%)
(22.4%)
31,067
(21,573)
(9,494)
86.2%
(81.9%)
(98.0%)
39 18.4% 5,824 8 3.8% 828
注(1)
契約金額は当初契約額である。
注(2)
子会社契約欄は全てブリッジ・エンジニアリングとの契約であるが、同社の子会社化(平成18年6月)以前に随意契約により契約を締結したものを含めている。

(3) 最新の債務返済計画と会計検査院の試算

機構の最新の債務返済計画の前提条件は表18のとおりとなっており、出資金の受入れについては、24、25両年度の減額(年800億円から年608億円)を反映している一方、26年度から34年度までの間については毎年度800億円を見込んだままとしている。しかし、10府県市からの申入れによる前記出資の継続についての検討の結果によっては、26年度以降は機構への出資が停止され、債務返済計画に大きな影響を与えると認められる。

表18 最新の債務返済計画(平成24年3月)の前提条件)

対象事業費 2兆8662億余円(3ルート開通後の追加工事を含む。)
交通量 平成17年度の交通センサスを基に推計した32年度の将来交通量を基に算定
将来交通量については、

① 22年度から32年度までは直線補完(24、25両年度は利便増進事業を考慮)

② 32年度から42年度までの間の伸び率は年△0.6%、42年度から62年度までの間の伸び率は年△1.5%

通行料金 新特別料金を継続
金利 将来調達金利は段階的に上昇
24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度 33年度~
1.30% 1.80% 2.15% 2.45% 2.75% 2.98% 3.20% 3.43% 3.65% 4.00%
償還期間 44年
債務残高 2兆1919億余円(18年度期首)
(有利子債務1兆9313億余円、無利子借入金2605億余円)
債務返済に必
要な機構収支
2兆4192億余円 (民営化後の本四会社からの引受債務を含む。)
出資 24、25両年度:年608億円
26年度~34年度:年800億円

そこで、出資の停止が債務返済計画に与える影響について、1国及び10府県市からの出資が停止された場合及び210府県市からの出資が停止された場合の2ケースを想定してそれぞれ債務残高及び将来必要な貸付料収入等の試算を行った。


① 国及び10府県市からの出資が停止された場合(ケース1)

a 26年度以降の債務残高の試算

図12 ケース1における債務残高の試算結果

ケース1における債務残高の試算結果

図12のとおり、貸付料等収入の額は最新の債務返済計画のまま変わらないとして、26年度以降の国及び10府県市からの出資(毎年度800億円)が停止されて34年度までの追加出資金計7200億円が得られなくなるとすると、機構の収支差が減少することにより毎年度の返済額が減少して債務の返済が進まなくなるため、支払利息等が増加して収支差で賄うことができなくなる。そして、表19のとおり、33年度以降は収支差がマイナスに転ずることとなり、以降は債務が急激に増加して、その結果、62年度(2050年度)の債務残高は2兆4508億余円となる。

表19 ケース1における機構の収支差の状況(平成30年度~36年度)

(単位:百万円)
区分 平成30年度 31年度 32年度 33年度 34年度 35年度 36年度
収入 50,847 49,404 48,291 47,862 47,323 47,503 47,276
支出 38,883 43,598 47,610 52,801 55,199 56,454 57,338
収支差 11,964 5,806 681 △4,939 △7,876 △8,951 △10,062

b 将来必要な貸付料収入等の試算

表20 ケース1における将来必要な貸付料収入等の試算結果

(単位:億円)
区分 最新の債務返済計画 試算結果 差額

B-A
期間 金額
A
期間 金額
B

貸付料 a 44年間 19,049 44年間 30,790 11,741
占用料等 b 44年間 66 44年間 66 -
出資金 c 平成18年度
~34年度
13,216 18年度
~25年度
6,016 △7,200

管理費等 d 44年間 854 44年間 1,413 559
支払利息 e 44年間 7,285 44年間 11,267 3,982
機構収支 (a+b+c)-(d+e) 44年間 24,192 44年間 24,192 0
(注)
管理費等の主なものは納付消費税である。

最新の債務返済計画と同様に18年度期首の債務残高を計2兆1919億余円とし、これを44年間で償還することとして、26年度以降の国及び10府県市からの出資(毎年度800億円)が停止されて34年度までの追加出資金計7200億円が得られなくなるとした場合には、26年度から61年度(2049年度)まで年平均約326億円の貸付料の増額が必要となる。その結果、表20のとおり、貸付料は、最新の債務返済計画の計1兆9049億余円に比べて約1.62倍の3兆0790億余円が必要となり、1兆1741億余円の増額が必要となることとなる。

そして、前記のとおり貸付料は、本四会社の料金収入から計画管理費を差し引いた額となっていることから、26年度から61年度(2049年度)までの計画管理費(計5814億余円)を最新の債務返済計画における額と同額であると仮定すると、上記の増額が必要となる分について全て料金収入で賄うには計3兆2822億余円が必要となり、試算前の料金収入計2兆1081億余円と比較すると約1.56倍となる。

また、仮に、必要な料金収入を賄うために通行料金を値上げすることとすると、値上げによる交通量の減少を通行料金に反映させた場合の料金水準は、上記の約1.56倍を料金弾性値(注7)から導き出される交通量の減少率0.83で除した約1.88倍となると想定される。

(注7)
料金弾性値 通行料金の値下げ又は値上げが交通量に及ぼす度合いを表す指標。本四会社が出資の有無による通行料金を試算して国土交通省所管の有識者会議に示した際に使用した料金弾性値0.3を採用した。

② 10府県市からの出資が停止された場合(ケース2)

a 26年度以降の債務残高の試算

図13 ケース2における債務残高の試算結果

ケース2における債務残高の試算結果

図13のとおり、貸付料等収入の額は最新の債務返済計画のまま変わらないとして、26年度以降、10府県市からの出資(毎年度266億余円)が停止されて34年度までの追加出資金計2400億余円が得られなくなるとすると、機構の収支差が減少することにより毎年度の返済額が減少して債務の返済が進まなくなるため、支払利息等が増加して収支差で賄うことができなくなる。そして、表21のとおり、59年度(2047年度)以降は収支差がマイナスに転ずることとなり、以降はケース1よりも緩やかではあるものの債務が増加して、その結果、62年度(2050年度)の債務残高は8169億余円となる。

表21 ケース2における機構の収支差の状況(平成55年度~61年度)

(単位:百万円)
区分 平成55年度 56年度 57年度 58年度 59年度 60年度 61年度
収入 34,680 34,057 33,329 32,834 32,217 31,711 27,004
支出 31,904 32,049 32,294 32,418 32,697 32,766 31,022
収支差 2,776 2,008 1,035 416 △480 △1,055 △4,018

b 将来必要な貸付料収入等の試算

表22 ケース2における将来必要な貸付料収入等の試算結果

(単位:億円)
区分 最新の債務返済計画 試算結果 差額

B-A
期間 金額
A
期間 金額
B

貸付料 a 44年間 19,049 44年間 22,963 3,913
占用料等 b 44年間 66 44年間 66 -
出資金 c 平成18年度
~34年度
13,216 18年度
~34年度
10,815 △2,400

管理費等 d 44年間 854 44年間 1,041 186
支払利息 e 44年間 7,285 44年間 8,612 1,327
機構収支 (a+b+c)-(d+e) 44年間 24,192 44年間 24,192 -
(注)
管理費等の主なものは納付消費税である。

最新の債務返済計画と同様に18年度期首の債務残高を計2兆1919億余円とし、これを44年間で償還することとして、26年度以降の10府県市からの出資(毎年度266億余円)が停止されて34年度までの追加出資金計2400億余円が得られなくなるとした場合には、26年度から61年度(2049年度)まで年平均約108億円の貸付料の増額が必要となる。その結果、表22のとおり、貸付料は、最新の債務返済計画の計1兆9049億余円に比べて約1.21倍の2兆2963億余円が必要となり、3913億余円の増額が必要となることとなる。

この増額分をケース1の場合と同様に計算すると、全て料金収入で賄うには計2兆4995億余円が必要となり、試算前の料金収入計2兆1081億余円と比較すると約1.19倍となる。そして、ケース1と同様に計算した通行料金の料金水準は、上記の約1.19倍を料金弾性値から導き出される交通量の減少率0.93で除した約1.27倍となると想定される。